能登・輪島市金蔵(石川県) – 輪島市金蔵地区は8月16日に「金蔵万燈会(かなくらまんとうえ)」を開催した。
「金蔵万燈会」は、室町時代に焼き打ちに遭った金蔵地区の5カ寺を中心に、再興した歴史や先人をしのぶイベントで、地区内にろうそく3万本が燈され、5カ寺がろうそくの燈火で結ばれる。「金蔵万燈会」は今年で15回目で、毎年8月16日に開催している。
ちなみに、万燈会とは、仏前に献花(けんか)することと同じで、多くの灯火を仏前に供養して懺悔や滅罪祈願を行うこと。
ろうそくの燈火で金蔵をライトアップし、音楽で平和と楽しみを奏でるというコンセプトのもと行っている万燈会なのだろう。
今年、ぼくが主に行った場所は、慶願寺(きょうがんじ)の境内。ここで、田舎バックパッカー結花の前段ライブから始まり、主に「田舎」をテーマにギターを弾き語るChoji(ちょうじ)さんの演奏へとうつった。
結花はまだギターを始めたばかりで、徳島県神山町へバックパッカー旅したときに出会った宮城愛ちゃんの曲で練習を重ねているので、愛ちゃんの曲でギターを演奏した。
Chojiさんは以前から「金蔵万燈会」で演奏していて、「金蔵万燈会」に関する曲まで作詞・作曲している。
また、最近では毎年、1日で約70万~80万人集まる秋田県の花火大会「大曲の花火」でもライブを行い、田舎に関する曲を弾き語っている。
ぼくがChojiさんと出会ったのは2年前の「金蔵万燈会」の数日後に、のと鉄道が、展示列車「のと恋路号」で開催した「のとてつライブ」だ。「のと恋路号」は10年以上前 能登半島の先端 珠洲方面まで走っていたパノラマカーの急行列車。今は穴水駅構内に「のと恋路号」は展示されている。
今回は偶然にも、結花がChojiさんと出会い、つながったという…面白い偶然だった。
上でも書いたとおり、ぼくがこの万燈会を初めて見に行ったのは2014年8月。
穴水町中居に住み無農薬有機栽培を営む宮武純一さんから電話があり、「金蔵で、ジャンベ叩きに行くけど見に来る?」と誘いがあった。
2014年に万燈会を見学したのは正願寺(しょうがんじ)内。アンプ、マイク、スピーカーなどの設置が始まり、宮武純一さん、純一さんの息子 ほおくん、珠洲のライブハウス“工場長”乙脇善仁さん、珠洲焼職人の中山昌果ちゃんなどの“ざっくばらんな”プレライブが始まった。
宮武さんはジャンベを叩き、他のみんなはギター弾きだ。
その後、メインイベントに入り、東京からのバンドの人たちによるパフォーマンスや、金沢からのグループ 「二胡(にこ)」の演奏があったり、飛び込みで福島から能登へ移住したギタリストが福島での震災の出来事を語る演奏などがあった。
東京からのパフォーマーには、音楽に合わせて体全体を動かしパフォーマンスをするグループもいた。一人は普段、大工として職人をしているとのことだった。
最近、田舎でもLEDで燈されるライトアップイベントが多いが、ろうそくの自然の“火”による、田舎のライトアップが良いと感じる日だった。
ちなみに、金蔵には寄り道パーキングも設置されている。金蔵へのバックパックやクルマ旅、ここで一日車中泊、早朝、田んぼを見ながらコーヒーを飲み、田舎ならではの心落ち着く朝焼けを迎えるのも最高だろう。
9月に入ると、金色にひかる稲穂に囲まれる金蔵になる。
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