2011-02 Backpacking Kyushu - 九州へのバックパッカー旅

day 80 長崎県 桜町公園で早朝から雪で零下テント!?どうする?!

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長崎 桜町公園 where to set up a tent in Nagasaki

2011年1月30日(日) – ぼくらは一昨日、福岡県の小呂島(おろのしま)を出て、長里駅でテント泊した。その後、長崎駅前のカフェで、九州の記録などをまとめるなどして、夕方まで長崎駅前で落ち着いていた。その夜、桜町駅(さくらまちえき)近くの桜町公園でテント泊をした。

(小呂島編の1話目はこちら

「え~!」と思うかもしれないが、昨晩から公園でテントを張って寝ている。ちなみに、その前の晩は長里駅だった。

そう!ぼくらは、あらゆる場所で、“ちょっとこっそり”とテント泊をして、全国の田舎を駆け巡っているバックパッカーのアラサー夫婦。

長崎 桜町公園 where to set up a tent in Nagasaki

長崎県 桜町公園でのテント泊。翌朝起きると若干の雪跡が… さっさと荷物を片づけないと…また降りそうだ!

公園でテントを張っているが、今日は日曜日。寒いし、人通りも少ないと思い、起床は遅い。早朝、長崎県の桜町公園で8:30ごろ、何かが「ざっ」と、何度もテントに優しくおちてきた。テントに静かな音で、舞い落ちてきた雪だった。

外でテントを張っていると、雨や風など、テントに“当たってくるもの”の音で、なにかと起きることが多い。20分後、公園は雪により、真っ白になってしまった。小呂島で手袋を忘れてしまったので、朝からぼくの手は凍結状態。とにかく、この寒さで、手が耐えられないほど、手の皮膚が痛くなる。しかもその痛さは、手の皮の内側…骨から痛んでくるようにも感じる。さっさと荷物を撤収して、次へと動くぞ…

長崎 桜町公園 where to set up a tent in Nagasaki

長崎県 桜町公園を出るころにはこんなに雪が積もっていた。

ぼくらは、雪が数センチ積もる中、長崎原爆資料館へと向かった。

長崎に来たら原爆資料館に行きたいと思っていた背景には、大学時代の思い出がある。

オレゴン大学(University of Oregon)時代、2000年と2001年夏に、大学内で平和記念式典「Peace & War Ceremony」を開催したことがあった。

主催は、オレゴン大学のJapanese Student Organization (JSO)(日本人 約400~500人の組織だったが、特に日本人に限定した組織ではない)。このJSOで、ぼくは代表、プログラムコーディネーター、PRなど様々な役割を務めていた。

長崎県 原爆資料館 電車 how to go to Nagasaki atomic bomb

長崎県 桜町から路面電車で長崎原爆資料館へ。

このイベントでJSOが伝えたかったことは、戦争の写真、被爆者の体験談などをとおして、「過去の戦争での悲劇を人々に感じてもらうことにより、次世代は将来、戦争を起こさない世界をつくろう」という至ってシンプルなメッセージ。

セレモニー1週間前は、大学内中心地の屋外広場「EMU」や室内の会場に写真のみを展示。主催者側が、偏見や先入観を入れないように、写真に関するキャプションは事実程度のみの説明。みんなの目で見て、戦争に対する悲劇を自身で感じてもらうことを狙った。

アメリカ オレゴン大学 平和式典

2000年に開催した 平和記念式典 「Peace & War Ceremony」(この写真しか見つからず…)残念ながら、翌年に開催したイベントの記録写真は見つからず。

黒沼拓也さん、長崎出身の村尾茂雄さんと一緒にこのイベントを企画。イベントには、被爆者の詩を読む場面もあり、プロジェクトメンバーのみんなが、この詩を…これでもか…!というぐらい感情的に読む。内容はもちろん、全て英語だ。

イベント事前に、みんな授業で忙しい中、リハーサルも数回行い、「ここは、こうして強調して感情をもっと込めて読んだ方が良い」などと、みんなでお互いをアドバイスしあい、練習をする。しかも、イベントに対するクレーム者が出たことも想定した、リスク対応の練習までしていた。



イベント当日、みんなが心をこめて読む詩を聞いていると、心に響き、ものすごく感情的になってきてしまう。最後にぼくのスピーチがあったのだが、スピーチ前後までぎりぎり泣くことを耐えた。このセレモニーが終わると、耐えられずぼくは大泣きしてしまった。

(イベント主催側の自画自賛に若干なるが)良いイベントを開催したと思う一方、このイベントで「Hiroshima(広島)」や「Nagasaki(長崎)」を大々的に謳うことで批判を受けた事態もあった。この日は、日本の植民地となっていたアジアの国の人々にとって、日本の原爆投下により日本から解放された独立記念日でもある。

日本だけが大きな被害を受けていただけではない。アジアの国々出身の一部は、「たとえ友だちでもそのイベントには行けない」との意見もあった。イベントのビラを配っていると、ビラを手で丸めて捨てられる行為もあった。戦争であったことは、全てが悲劇。

しかし、アジア他国では、教育において、歴史上、「この日が、日本から解放された“嬉しい日”と、教育されているアジアの国々もあるんだ…」と学ぶイベントでもあった。

2001年にも、同様のイベントを開催。ぼくらとしては、可能な限り多くの人たちに参加してもらいたい気持ちがあった

。広島や長崎での原爆の悲劇だけを知ってもらうだけではなく、「次世代による平和な世界の創造」という大きなくくりの目的と2000年の教訓から、思い切って「Hiroshima」や「Nagasaki」の文字をイベント名からとり、「Peace & War Ceremony(平和と戦争の記念式典)」と改名。今回は屋外で、セレモニーを開催した。

JSOのメンバーは日本からの学生たちが中心となっていたが、現地のアメリカ人含め、海外の学生メンバーも入るなどして拡大していった。組織が国際化される背景からも、国際的イベントとして「Peace & War Ceremony」のイベントを企画、その一例として、原爆に関する内容も取り上げた。

この式典では、2001年夏に受けていた国際学科のネイティブアメリカン教授 Dr. Rob Proudfootさんにもイベント参加(スピーチ)を依頼した。



彼はクリントン大統領がベトナムを訪問したときに、ベトナムのエキスパート、アドバイザーとしてホワイトハウスに招致されたことがあったそうだ。また、Human Rights(人権に関する)最高峰のMillennium Human Rights Awardを受賞した教授だった。

(少し話しはずれるが)この授業の最終日に、Robの自宅でざっくばらんな会食があった。そこで、このようなイベント開催の積極性も評価され「今後もきみには国際社会でチャレンジし続けてほしい。がんばれ」と彼自身が木で作ったものを個人的に表彰してくれた。彼には純粋に勇気付けられた。

そんな思い出もある。残念ながら、彼は、6~7年前に、亡くなってしまった。

イベントでは、ぼくから内容の趣旨やDr. Rob Proudfootさんの紹介をさせてもらい、彼のスピーチでイベントを締めくくってもらい、無事成功に終わった。

JSOでは、日本の文化紹介イベント“Japan Night”、寿司を食べながらざっくばらんに国際交流するイベント“Sushi Night”など、様々なイベントを開催。2001年の“Peace & War Ceremony”がぼくの最後のイベントとなり、同年の夏、オレゴン大学を卒業した。

長崎原爆資料館に向かっている途中、そんな懐かしい思い出を振り返っていた。(続きはこちら

<前のストーリー 『day 79 長崎駅前で1日リラックス 長崎市 どこでテント泊?』>

<次のストーリー 『day 80.1 “戦争の悲劇”を長崎原爆資料館で 原爆投下候補地は17ヵ所も?!』>

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1979年1月生まれ、東京生まれ鎌倉と米オレゴン育ち。鎌倉の中学校卒業後、オレゴン州の高校と大学を卒業。現在、石川県鳳珠郡穴水町岩車在住。ソニーやPR会社で広報業務に約10年間携わり、2010年10月、ライフスタイルの選択肢を増やすべく、日本の田舎/地方を中心に、テント・寝袋・自炊道具などを担いだバックパッカー旅を開始。以後2年半にわたり旅を続ける。「テント」ベースから、2012年5月以降は「バン」ベースのバックパッカーになりバンライフ開始。2013年5月、人口約100人の限界集落 能登半島・石川県穴水町岩車に移住。現在は、「田舎への旅」と「田舎でのライフスタイル」の二つを軸に、田舎旅やライフスタイルの情報発信、都市部の人たちが能登の暮らしを体感できる「“ざっくばらん”な田舎ライフスタイル体験」の提供を行なうほか、東京のスタートアップ/ベンチャー企業、移住先・能登や静岡県の中小企業の広報サポート、地域活性プロジェクトサポートにもリモートワークで従事。また、ブログやウェブ制作、写真、執筆活動なども行なっている。移住先で自宅がある岩車の隣の地区 穴水町川尻では、シェアハウス・サテライトオフィスなど多目的・多機能の「田舎バックパッカーハウス」、そこに併設する“住める駐車場”であり長期滞在可能な車中泊スポット「バンライフ・ステーション」も運営。現在、東京の“バンライフ”のCarstay(カーステイ)で広報責任者として関わりつつも、静岡県島田市で幻のきのこ“はなびらたけ”「ホホホタケ」を生産する大井川電機製作所、石川県輪島市では国産漆だけでアート作品をつくる“芯漆(しんしつ)”の山崖松花堂などの広報を担当する。移住先・石川県穴水町岩車で育てられた牡蠣の販売もサポートする。

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