能登・穴水町岩車 – 今日は玄関の屋根の一部を改修した。
屋根の棟(むね)の漆喰(しっくい)がとれて、瓦がスライドし、その隙間から雨漏りが始まり、玄関の天井が落ちていたのだ。
新居引っ越し前から天井が落ちていたことは知っていた。
普通だったら、「えっ?!これでリフォームしたばかりの家なの?大丈夫か?!」と思ってしまうかもしれないが、ぼくら田舎バックパッカーファミリーには、過去の経験があることから、「空家になったら仕方がないかなぁ」と思ってしまう。
以前住んでいた家での屋根や天井の改修 経験から、「これぐらいだったら大したことない」と思えた。
今住んでいる家の隣人から「ここ、貸りてくれる人を探しているみたいだよ」と聞き、(今住んでいる)家が気になり始め、入居前から、ちょこちょこ家の外見を見に来ていた。
「誰に聞けば家主を紹介してくれるかなぁ…」と、数か月間ぐらい、バックパッカー夫婦は、村の人たちから聞き取り調査を始めていたのだ(笑)
【家の外観や中は素晴らしく立派な家。だが、家の細かい箇所まで見て、必要に応じて改修しなければ、ときには、大変なことになる。特に屋根の状態は重要】
大家さんとの交渉はとんとん拍子で進んだ。実質2日ぐらいで決まった。入居が決まった直前、外観や、出入口から玄関を覗いてみると、玄関の天井が落ちていたのだ。
この家は空き家になって間もない。それどころか、改築して間もない家なのだ。
引っ越し前の家でも感じたが、家というのは、人が住んでいないと劣化するということを再認識した。
ただ単に家の窓を開けて風通しを良くするだけでも、空家になると、家は廃れてくる。
日々、人が家で暮らすことで、そこには『気流』ができる。
そして、家に住むと、あらゆる『傷み』に気づくことから、家の物理的な劣化を防ぐことができる。
屋根瓦の修復完了
新たな家へと入居する前に、屋根職人に屋根の修復を依頼していたが、穴水町には、屋根/瓦職人が少ないことから、取り掛かるまでに時間がかかったが、前の家でもお世話になった人に頼みたい。
以前住んでいた家と比較すると、今回の家の屋根の改修はそう大したもんではないので、「時間が空いたときにお願いします!」と依頼していた。
田舎/地方には、“昔ながら”の職種カテゴリー いわゆる技術をもった第一産業の職人が少なくなってきていることから、取り掛かりに時間がかかることは仕方がないこと。
だが、さすがプロだ。梅雨入り前にはしっかり、屋根の改修をしてくれた。
穴水の瓦職人と言えば、穴水の鹿波地区に住む澗株康雄(まかぶ やすお)さん。
2013年5月、ぼくら田舎バックパッカーが鎌倉から能登へと拠点を移したときも、屋根の大改修でお世話になったベテラン瓦職人だ。
町には澗株さんしか瓦職人はいないのかもしれない。穴水に住んで4年が経つが、他の瓦職人の情報を耳にしたことがない。
今回の雨漏りのような家のコンディション含め、(内容にもよるかと思うが)住んでいるうちになにかあったら、ぼくらバックパッカーファミリーが費用含め負担するというのも条件の一つとして、家を借りている。
都会で一軒家を借りるときも同じ条件なのかもしれないが、アパートの場合は、基本的な改修は大家さんや不動産持ちの場合が多い。
ちなみに、以前住んでいた古民家に関しても同様の条件だった。
田舎の空き家情報は?
“都会チック”な田舎の“町”は別だろうが、スーパーなどのショッピング街から10キロ以上離れているような農山漁村(のうさんぎょそん)では都会の不動産会社が仲介するような一般的な賃貸契約書を交わすことは少ない。
田舎は、人口減少が激しく、人が出ていくことが多い。
そんな背景から、空き家を不動産会社に任せることがないのだろう。
一部地域の田舎暮らしには注目が集まっているかもしれないが、多くの田舎では、空き家賃貸ニーズはまだまだだろう。
現時点では、田舎での空き家の賃貸事情は、人と人との“信用”がベースとなっていることが多い。
田舎で空き家を賃貸するとき、管理している人は、持ち主か、その地区の親戚など。
町にある不動産会社は、その町の田舎エリア農山漁村の空き家まで把握していない。
田舎で空き家を探す場合、都会から来る人から言えば、“面倒”なのかもしれないが、その田舎エリアを探り、人と出会い、人とのネットワークを介した探し方がベストなのだ。
まぁ、現地の人と触れ合えば、そこの地域の実態も把握することができるので、言えば、一石二鳥なのでは?
以前住んでいた家の屋根改修費用は?
2013年5月から2017年3月まで住んでいた古民家は、今年2017年3月に引っ越した家よりも大規模な改修が必要だった。
7~8年間、空き家だったので、改修が必要なのは無理もない。
今の家は“超ご立派”過ぎて、比較するのは、フェアではないかもしれないが…
以前住んでいた家では、屋根の改修で135,000円の費用がかかった。
本来であれば、もっと費用がかかったかと思うが、ぼくと、空家を紹介してくれた人の2人が屋根/瓦職人の手元につくことで費用を抑えることができた。
それに加え、きっと、田舎移住の“応援”ディスカウントをしてくれたと思う。それは本当にありがたいこと。
おそらく、屋根瓦、漆喰などの材料のみの費用で、人件費はほとんど請求しなかったのではないだろうか。
雨漏りで家はあっという間に…
屋根の雨漏りの影響は広範囲に及び、雨漏りが始まると、家の老朽化、廃屋化はあっという間だ。
前の古民家では、雨漏りは玄関や廊下の天井板にしみこみ、天井板は腐敗して穴が空いていた。
廊下は、幸いなことに、じゅうたんでカバーされていたことから、雨水がそこまで浸み込んでいなかった。
しかし、北陸は、雨が多い地域。数年経てば、廊下の木材まで腐敗していくだろう。
水の力はスゴイもんである。
これは、以前住んでいた家の玄関の天井の状態。
屋根がズタズタで雨漏りしていた。雨漏りすると、薄い天井はすぐに腐敗する。
その後、虫や動物が入り込み、家の老朽化はどんどん進む。
実際、DIYで新しい天井に張り替えようと、古い天井を全て落としたとき、屋根裏から蜂の巣、鳥の羽や骨なども床に落ちてきた。
屋根に問題があれば、廃屋化の進行は早い。
空き家賃貸の注意点
田舎/地方で空家を借りるときに注意すべき点の一つは、空家の屋根の状態だ。
その他、気になる点は、キッチン、トイレ、お風呂などの水回り、電気の回線など、いくつもあるが、以前 そこに住んでいた人がいるわけだから、それらはあとあと、なんとでもなる。
家の中のものは、埃チリなどから汚れている程度だが、屋根は太陽、風、雨などの天候から家を守ってくれると同時に、ダメージも受けている。
屋根の瓦がずれていたり、落ちているということは、そこから雨が入り込み、廃屋化が始まっているということだ。
空き家の外観を見るとき、屋根の状態には十分注意したい。
さて、次は家の前の割れているコンクリートを埋める作業をするかなぁ…
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やっぱり屋根は大事ですねぇ。
あっ…自分は以前に澗株さんと同じ職場で働いていた瓦職人です。
コメントありがとうございます。ご返信が遅くなってしまいすみませんでした。
澗株さんには大変お世話になりました。本当に残念ながら、つい最近、澗株さんお亡くなりになってしまいました…
瓦職人としても、人としても最高でしたので本当に残念すぎます… それに、田舎では主要な職人の方々が亡くなれると大変困りますね。