徳島県勝浦郡上勝町 – さて、ぼくら田舎バックパッカー夫婦は、これから「剣山スーパー林道」方面へ向かい、石本商店(〒771-4503 徳島県勝浦郡上勝町大字生実字谷口12)へランチに行く。
映画「人生、いろどり」のメインロケ地の一つ「石本商店」。
主役・徳本薫(吉行和子)の親友・石本花恵(富司純子)が営む雑貨屋 石本商店へ。映画をきっかけに、喫茶+レストランに生まれ変わり再オープンした。
夜は昔ながらの居酒屋に変身する。お店の中はクラシック、レトロな感じで、昔の雑貨屋が感じられる雰囲気。ここのカレーが…うまい?
「映画にも出てきてたけど、石本商店って“田舎の雑貨屋さん”みたいな場所でしょ?」「“商店”でカレー食べられるの?!」と疑問に思うかもしれないが…!そう!ここには最高のカレーがあるのだ。
「石本商店」は上勝が舞台の「人生、いろどり」のメインロケ地の一つ。映画をきっかけに再オープンし、喫茶+レストランに生まれ変わった。夜は昔ながらの居酒屋になる。
石本商店に来たら必ず食べるべきカレー。「特製スパイシーカレー」だ。中で鶏/チキンがとろけて…スパイシー~!っと思うかもしれないが辛くない。
この石本商店は一時的に、閉店していた。
約15年間、眠っていた上勝町の生実(いくみ)地区にある旧・雑貨屋さんだ。今から約100年以上前の明治39年(1906年)“ぐらい”にオープンしたが、その後の景気後退や過疎化が進み閉店した。
そして、今年2012年6月に、映画「人生、いろどり」をきっかけに、石本商店が再オープンしたわけだ。
映画「人生、いろどり」の石本商店の役割とは…『諦めず最後まで“やりたいこと”をして生きた』花恵
石本商店は、映画「人生、いろどり」の主役・徳本薫(女優:吉行和子さん)の親友で未亡人の石本花恵(女優:富司純子さん)の雑貨屋さんで、メインロケ地の一つとして活用された場所。映画と実在する商店の名前は「石本商店」と同じだが、ストーリーは異なるそうだ。
【写真はお昼を担当する石本芳照さんと結花】
花恵は、亭主関白の夫の妻 薫が、“もじもじ”して、あらゆる決心がつかないときなど、常に薫の背中を押す役を担う。息子から勧められた老人ホーム行きを逃れようと、薫と一緒に、葉っぱビジネスを始め、上勝で生きがいを感じながら、新たな人生を歩み始める。
しかし、そんなある日、薫の葉っぱビニールハウスで火事が起き、薫は葉っぱビジネスを諦めかける。
そんな中、葉っぱの大量出荷の注文を受けた花恵は、最後まで諦めずに葉っぱビジネスを継続しようと、一人 自宅の石本商店で、夜更かししてまで葉っぱの出荷作業をするが、翌朝を迎えることなく、この世を去ってしまう。
薫は、最後までやりたいことをして生き抜こうとした親友・花恵の生きざまを見て、葉っぱビジネスを諦めずに挑戦することを再度決心する。
花恵は最後まで、自分の生き方を全うするとともに、薫の背中を押す役をする。
映画を“きっかけ”に蘇った『石本商店』
去年2011年11月ごろ、上勝に来た時は、その先にある「ふいご滝」や「鳥居滝」へ行く途中、ここを通り過ぎた程度で、石本商店は閉まっていて、映画のロケ地になったことだけ聞いていた。
その時は、「これから石本商店をどのようにして活用しようか…」と考え始めていた時期だったそうだ。
ぼくらがお昼頃、石本商店へ行ったときにいたのは、商店でお昼を担当する石本芳照さん(上勝町出身)と、奥さんの欣子さん(隣町の那賀町出身)。この商店の土地オーナーだ。
石本さんは昭和43年(1968年)から昭和50年(1975年)の間、徳島県を離れ、仕事をしていた。その後、昭和53年(1978年)に徳島県へ戻ってきた。
石本さん夫婦が、上勝に戻ってきたのは、今年2012年6月。
それ以前は毎年秋、ユズに似たユコウの収穫時期に、上勝へ戻り、収穫作業をしていたそうだ。
現在、ここ石本商店で、お昼を担当している。
都会よりも、上勝のほうが、涼しい。都会とは違い、上勝にはスペース感もあり広々している。
そして、上勝は故郷ということもあり、昔からの“親しみ“がある。野菜などの食べ物も新鮮。ただ、都会のようにスーパーやコンビニが近所にないため、買い物が大変。
大きなスーパーへ行くには、徳島市方面へクルマを走らせ、隣町の勝浦町(かつうらちょう)まで行かなければならない。また、ゴミの仕分けも大変だそうだ。これらが、石本さんたちが、上勝での田舎暮らしへと戻り、感じている点だった。
この「ゴミの仕分け」についてだが…(別途、書こうと思っているが)上勝では、ゴミや無駄な資源を出さないよう「ゴミゼロ」を目標としていている。
その取り組みの一環として、ゴミを34分別して、ゴミを再資源化している。
映画「人生、いろどり」の舞台となった徳島県上勝町では、資源再生可能なゴミを34分別する。“ゴミの行き先”も表示。なんでもかんでも、「安いから捨てる。また買えば良い」「格好悪いから捨てる…」「持ってく行くの面倒だから捨てる」など、コスト重視で様々なモノを捨てている時代。
この上勝町の取り組みは、ぼくらが住む地球環境や地球がぼくらに提供してくれる資源について、考えさせてくれる。NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーが管理している。
これは普段、普通に使えそうなモノを“ゴミ”としているこの社会にとっては、“無駄”を考えるきっかけになるし、環境にも優しい取り組みだ。
ぼくらの世代は特になにも考えずに、コンビニなどで弁当を購入し、まだ使えそうな弁当の容器となっているプラスチック箱を、“普通”に捨てる。
透明の折りたたみ傘も同じだ。「手に持つことが面倒だから」「傘が少し曲がってしまった。格好悪い」「安いからまた買えばいい」と捨てる人も多いのではないだろうか。これらモノが、貴重な地球の資源からできたことを考えずに、普通に捨てているわけだ。
葉っぱだけでなく、上勝へ行くと、そんな“ゴミ”や“地球資源のあり方”について、考えさせられる。
しかしながら、これまでゴミを2~3分別していた都会に暮らしてきた人たちにとっては、慣れるのに時間がかかるのかもしれない。ちなみに、このゴミ分別などを管理しているのは、NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーだ。
石本商店のスゴイ カレー
さて、ここ石本商店で最近噂のメニューはカレー!
その名も「特製スパイシーカレー」。砂肝の皮で出汁、鶏ミンチ、鶏モモ肉などが具に使われていて、最高にトロっとしている。主にチキンがベースになり、煮込まれたカレーだ。
石本商店のチキンがトロリとした「特製スパイシーカレー」 “スパイシー”とあるが…別に辛いわけではない。砂肝の皮で出汁、鶏ミンチ、鶏モモ肉などが具に使われていて、最高にトロっとしている。主にチキンがベースになり、時間をかけて仕込み・煮込まれたカレー。
しかも、この「特製スパイシーカレー」!美味しいだけではない。600円と安い!
「スパイシー」と名前の一部についているが、別に辛いわけではないが、“スパイシー!”と言いたくなるし、そして“まろやか!”って感じのカレー。
このカレーを作ったのはシェフ/料理人の谷本徹さん。上勝のアウトドア・エキスパートでもあり、隠れた穴場スポットを全て把握している。そしてジョークが面白い?!しかも、いわゆる世間一般が言う“おじさん”的なジョークだ。
このクラシックな雰囲気の石本商店で、このカレーを食べることができる
ぼくらが初めて谷本徹さんに出会ったのは2度目に上勝に来た時の2011年6月。
その後、2011年10月下旬から11月上旬、上勝で一時的に過ごした時、BBQ(バーベキュー)をしたのだが、そこでも、あらゆる料理の仕込みをしたのはシェフの谷本徹さんだった。
ダッチオーブンの料理教室も開催するなど料理のプロでもある!
谷本さんはその当時、ゼロ・ウェイストアカデミーが運営する宿泊施設「くるくるハウス」を管理しながら、そこを拠点に、上勝でのアウトドアプログラムを企画・実施するなどして、上勝の隠れた穴場へのガイドや、湖や川でのカヤックを通して、上勝での自然との楽しい遊びをあらゆる人たちに提供していた。
谷本さんは現在、「くるくるハウス」の管理からは離れ、上勝で、この楽しいアウトドアプログラム企画から実施の他、石本商店で、食品衛生責任者 兼 調理師を務め、毎日、夕方ごろから、石本商店でシェフを務めている。
谷本さんは17:30出勤で夜の石本商店を担当しているので、ぼくらが、お昼に行ったときは不在だったが、その夜19:00頃行ったときに会うことができた。
ちなみに、上でさらっと書いた「くるくるハウス」では、安価で長期滞在をしながら、上勝での暮らしを体験できる。
素泊まりの料金は大人(中学生以上)1人1泊3000円で、8泊以上する場合大人1人1泊2000円だ。
石本商店 隣の小さな広場には、テントが張られていて、ここでBBQをすることも可能だ。
現在、石本さんは、商店のすぐ近くの勝浦川前に、キャンプ場をつくっている。上勝中心部周辺には、月ヶ谷温泉キャンプ場しかないので、キャンパーにとっては、いろいろなオプションがあったほうが楽しいだろう。
しかも、ここ石本商店あたりは、温泉キャンプ場よりも、山奥に位置しているので、涼しいし、静かで気持ちが良い場所。
また、「剣山スーパー林道(つるぎさんすーぱーりんどう)」へ行く二輪車のオフロードバイクの“オフローダー”、ぼくらのように隣町の神山町へ山越えをする(?!)バックパッカーなどがいるので、泊まりたい人は沢山いるだろう。
今年2012年中もしくは来年2013年早々にはできあがるとのことだった。
ちなみに、ここへは1日2本バスが通っている。石本商店の定休日は木曜日。お店前の道路脇にクルマを数台駐車できるスペースがある。
徳島市から石本商店への一番簡単なアクセスは、県道16号で、上勝に入り、上勝町役場や、その手前にあるガソリンスタンド「コスモ石油」前の分かれ道を右に行き、「剣山スーパー林道」や山を境に隣町の神山町方面へ行く方法だ。月ヶ谷温泉周辺からは、15分ぐらいで到着するだろう。
その他にもアクセス方法はある。「樫原の棚田(かしはらのたなだ)」や「府殿の棚田(ふどののたなだ)」を観光したあと、その道を進み、ひたすらスーパー林道や神山町へ抜ける山道方面へ向かうと、石本商店が左手に見えてくる。この行き方は、これら二つの棚田を先に見学する人のための行き方だが…少し複雑かもしれない。
映画「人生、いろどり」のもう一つのメインロケ地「石本商店」への地図
石本商店を通り過ぎ、“先へ先へ”と行くと、山を越えて神山町へ抜けることができる。この山道を先へと進むと「これホント行っても大丈夫なの…?」と途中心配になってしまうかもしれないが、山の上まで行くと…絶景スポットが沢山ある。
石本商店を先へと進むと、こんなダイナミックな“石ころ”が勝浦川に転がっていたりする。
上勝町のイナ旅が終わったら、山を越えて神山町や剣山スーパー林道へ行くことを、ぼくはお薦めしたい。
ただ、雪の季節は、大変なことになるので、気を付けた方がいい。
また、時には土砂崩れもあるので、事前に役場や地域の人たちなどに、道路状況を確認したほうが良いだろう。
剣山スーパー林道へと進むとこんな風景とも出会える。これらはごく一部の風景で、もっと上にはもっとすごい絶景があるのだ。
上勝町内のその他地区でも見られるが、6月ごろ、石本商店付近でも、蛍(ホタル)が綺麗だそうだ。
ちなみに、先へと進むと…こんな奥へ…よくもこんな道を歩いたもんだ。
さて、このカレーも凄いのだが、谷本さんが最近、新たにつくったモノがすごいのだ。そのモノとは“地図”。
田舎や都会の観光スポットでも、こんなすごい地図なんてつくっていない…というモノを谷本さんはつくったのだ。“地図”なのだが、よく見かける“カクカク”した難しそ~な、ただの地図ではないのだ。
上勝にしか置いていないマップだと思うが…上勝に来たら、これは絶対に入手しなればいけない地図である。(続きはこちら)
<次回のストーリー: 『“ウォーリー”を探してしまいそうな『上勝くるくるまっぷ』 ~ “歯が抜ける”ほど頑張って作ったマップの中身とは ~』>
<前回のストーリー: 『新米の季節…棚田だらけの上勝町で学んだ「美味しいお米の炊き方」』>
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住んだことはありませんが、本籍がここなので子供の頃よく行ったことがありますが、川などは幼い頃タクシーで見たものと同じような気がします。<br /><br />寄らしていただくことがあるかもしれませんが、その時はよろしくお願いします。多分、迷ってわからないと思いますが、、、
是非、遊びに行かれてください。私たちも頻繁に上勝へ行っています。(が…住んではいないので、お会いできるかはわかりません。<br />(;^_^A))<br /><br />石本商店には、シェフの谷本さん(夕方)や石本さんがいらっしゃいます。最近、徳島のローカル誌の表紙を飾ったほど、カレーは絶品です!<br /><br />ちなみに、最近、上勝には、シェフ交代制の「シェアカフェ」ができたようで、谷本さんはそこでも活躍されているそうです。<br /><br />上勝町堪能後、石本商店の先へと進むと、スーパー林道や隣の神山町へ抜ける“山深い”道があります。頂上のほうは絶景です。<br />今の時期、石などがごろごろと道に転がっているかもしれませんが、そちらもお薦めです。(ただ、役場など現地の人と、道の状況を確認されると良いかもしれません)<br /><br />神山には、肌がスベスベになる温泉