2010年10月22日(金) – ぼくら田舎バックパッカー夫婦は昨日、珠洲から穴水町に再び戻ってきた。
昨日、穴水(あなみず)町役場 新田信明さんと出会い、彼の家に泊めさせてもらった。(前回の話しはこちら)
朝食後、新田さんの家にある畑を見学。昨日は夜で見えなかったが、かなり広い。
家庭農園と聞くと、ほんの数メートルぐらいの趣味程度で栽培しているように聞こえるが、新田さんの家の畑は、近所にシェアできるほどの大きさ。
畑にある野菜 茄子、ピーマン、獅子唐、紫蘇(しそ)、ソーメンカボチャ、タマネギ、長ネギ、味噌をいただいた。「新鮮で美味しい!」
新田さんから昨晩、自給自足に関する話や穴水での暮らしについていろいろと聞いたので、ぼくの中で「新田さん=新鮮」というイメージが構築され、新田さんから出てくるものの殆どが、美味しく見える…これはまさにマジックである。
ぼくらはこれら野菜を箱詰めして、結花の実家青森、ぼくの実家鎌倉にクロネコヤマトで送る準備をした。
この日、「穴水をご紹介しますよ」と新田さんが、穴水を案内してくれることになった。忙しそうな新田さんには申し訳ないが、すごく楽しみ。
穴水町の“ちょい住み”田舎体験住居へ
ぼくらは、昨日新田さんや干場さんから紹介された『ちょい住み』が気になっていた。
最初に行った場所は、役場が実施している体験住居の「穴水マリーナ」(石川県鳳珠郡穴水町字岩車11-19-36)。
ここには、県外から移住してきた人々が多く住んでいるそうだ。体験住居先の鍵は閉まっていたが、新田さんがマリーナの事務所に行き、鍵をとってきてくれた。
「申し込めばすぐに、住めますよ。いかがですか?」と何度か言われた。体験してみたいが、ぼくらの旅は始まったばかりだし、他のエリアも見たい。しかし…ここにも短期間、住んでみたい。
「本当に魅力的なので、検討してみます」と伝え、後で本格的に検討することにした。
2人で「ちょい住み」するには、十分広い家の中。
畳部屋、リビング、ダイニングなど、部屋も多い。
家の中にはソファー、テレビ、ダイニングテーブルなど、もろもろ生活に必要なものが揃っている。
屏風や扇子の飾り物など、ぼくらよりも世代が上だと思われる人が所有すると思われる、古いデザイン感覚の飾りが多くあった。冷蔵庫には、「のどごし〈生〉」が数本入っていた。
窓からの眺めも最高で、お風呂やバルコニーから、数十メートル先に、湖のように穏やかな七尾北湾が見える。
この景色のために、穴水町は、この家の前にあった一本の古い木を切ったそうだ。ここに1ヶ月2万円…安い。
田舎/地方では..“生き甲斐”がキーとなる
周辺を歩いていたら、金沢から移住してきた夫婦の川端さんと出会い、彼らの生活を見させてもらった。
庭では、野菜を栽培し、湾で魚釣りもして、自給自足 生活を楽しんでいる。丸太小屋/コテージ風の家。バルコニーで、柿入りのマフィン、コーヒーをご馳走になり、お話を聞いた。
「田舎では、奥さんが生き甲斐、何らかの目標や趣味をもって、毎日を過ごせばやっていけるわよ。もしくはここで趣味を見つけるのもいいわよ」と、奥さんは話す。
目標や生き甲斐など、なんらかの楽しみがないと、「これまで過ごしてきた都会に、友人や家族がいるのに、『なぜ私はこんな田舎にいるのだろう』」と思ってしまうのだろう。
奥さんは、穴水をすごく好きそうな人だ。
「穴水は、そこまで多くの人に知られていない。考え方次第で、大きなビジネスチャンスもあると思う」と話す。
確かに、ここでの自給自足の生活、海や山の幸など、工夫次第では、起業することができ、「なにか」面白そうなことができそうだ。
リスクは高いかもしれないが、町が若い人たちに起業するチャンスを提供するなど、若者向け起業専門窓口、起業相談から事業が流れにのるまで事業を支援する安価で密着支援型の投資系起業コンサルティング相談窓口をつくると、地元で良いビジネスを創り出せるかもしれない。
商店、農業、漁業などの後継者も少ない。後継者を集めるような仕組み作りも構築すると良いかもしれない、と単純なアイディアが頭を過ぎる。
能登ワインへ
次に新田さんは、ぼくらを「能登ワイン」の醸造現場に連れて行ってくれた。とびこみでの見学だったが、能登ワインの試飲から、工場内の見学をさせてもらった。
能登では、ここならではの気候と広大な畑を生かして、ワイン用の葡萄を垣根式栽培で、育てている。
葡萄の重要な肥料として、ミネラル豊富な牡蠣(かき)の貝殻が使われる。牡蠣の殻が砕かれ、それが肥料や土と混ぜられる。漁業で不要となった牡蠣の殻が、農業で上手いことリサイクルされている。
面白い連携だ。このような考えがあれば、海のものが、あらゆる場面で、リサイクルできそうだ。
ぼくが好きな赤ワインは、種、皮、果汁全てをぐちゃぐちゃにして果汁を絞りだし、ワイン酵母で2~3週間発酵。すると、ワインの原形ができる。そして、それを濾過(ろか)させる。加熱殺菌処理はしないので、「生」ワイン。
瓶詰めは、機械と人の作業により行われる。
1年で9万本、1日で4,000本のワインを生産する。約220リットルの樽に入れ、横にして、最長約2年熟成させる。
樽を上向けにねかすと、樽の味がしみこむそうだ。
能登ワイン「心の雫(しずく)」は、2010年国産ワインコンクールで、銅賞を受賞。
「心の雫」は、約半年間、樽で熟成されたワイン。
担当の人に、「何が最大の特長なのか」を聞いてみたが、わからなかった。おそらく、ミネラルが豊富な能登の牡蠣殻を、葡萄の一部肥料として活用し、加熱殺菌処理をせず「生」ワインに仕上げるところがこの能登ワインの最大の特長だろう。
ちなみに、もっと長時間、樽に入れるお酒は、ウィスキー。
能登ワインを生産する のとワイン株式会社は2005年に設立。葡萄は今から約10年前に栽培を開始した。従業員は現在(2010年10月)、8人。「酸味が穏やか」な葡萄は、個人農家5軒、農業法人1軒から仕入れている。葡萄栽培の技術は、北海道ワインからきているそうだ。
能登ワインの醸造現場を見学後、ぼくらは新田さんが所有する山の土地へ行き、キノコ栽培を観察しにいった。今朝8:00、新田さんの畑見学から始まり、時間は既に14:30。
新田さんの家に戻り、バックパックと新田さんからもらった野菜が詰まった箱を車にのせて、穴水駅に向かった。駅に行く前に、クロネコヤマトで、ぼくらの実家へ野菜を送る。
ぼくらは、穴水駅から金沢駅へ向かい、旅を開始して15日目になる今日、初めてホテル(セントラルホテル)で一泊した。(続きはこちら)
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