2010年10月21日(木) – 岩本さんは家へと戻り、17:20ごろ、ぼくらバックパッカー夫婦、干場聖司(ほしば せいじ)さん、NOTO Shiftの鈴木久善(すずき ひさよし)さんは、石川県穴水町役場の企画情報課に着いた。(前回の話しはこちら)
課長の新田 信明(にった のぶあき)さん(58歳)、課長補佐の黒崎 誠さん、主任の橋本 真さんを干場聖司さんから紹介いただいた。
体験住居プログラムについて、新田さんから話を聞く。
穴水町の体験住居プログラムについて
穴水町役場では、穴水町での定住促進を目的として、県内外からぼくらのような若い人たちを対象に、2010年10月から2011年3月までの期間、このプログラムを実施している。
申込者は、穴水町がこのプロジェクトのために、個人から借りている別荘地「穴水マリーナ」の一軒家を、月2万円で借りることができる。
2~3日間の短期旅行で、旅行先を気に入り、そこに引っ越して移住することは、勇気がいる。地域について、知らないことが多い。一度良い体験があっただけでは、その場所について全てを知ったとは言えないだろう。
完全に移住するためには、最低でも1週間から2週間、そこに住んで地元の人と触れ合うなど、まずは地域の環境について知りたい。このようなプログラムにより、2週間から1ヶ月間、地域について、いろいろと知ることができる。
【住所】 石川県鳳珠郡穴水町字岩車11-19-36
【構造】 木造平屋建て、4LDK 延床面積 99㎡
【家賃】 1週間以内1万円、1週間以上2週間以内15,000円、2週間以上1ヶ月以内20,000円
※電気・水道・ガスなどの光熱費込み(食費、交通費など、それ以外の費用は利用者が負担)
【募集期間】 2010年10月1日~2011年3月10日
最近では、住まいづくりの補助として、100万円の補助金や家を建てると50万円の奨励金などのシステムもあるそうだ。
新田さんは、個人的にも、穴水の良さを多くの人々が体験できるように「NPO法人田舎時間」という組織でも、田舎を体験できる活動を行っている(こちら)
新田信明さん宅での一泊
ぼくらは、新田さんがかなり忙しい人だと思い、「新田さん宅に泊まろう」の話はせず、「ちょい住み」の話を聞いて、NOTO Shiftの鈴木さんと企画情報課から失礼した。
干場さんが、ぼくらの後に続き、企画情報課の部屋から出てきた。「新田課長が泊めてくれるそうですよ!」とぼくらに言う。
干場さんが新田さんに、ぼくらの宿泊について、聞いてくれたのだ。「忙しそうな方だし、明日は金曜日で仕事もある。遠慮すべきかな」と考えていた。
しかし、田舎暮らしについて、知りたいことは沢山ある。「いろいろと面白そうな話も聞けそうだし、ここはお世話になろう!」と決めて、企画情報課に戻り、新田さんにお礼を言う。
新田さんは、2シートの軽トラックで職場に来ている。ぼくらは新田さんの車に乗れなかったので、NOTO Shift鈴木さんの車に乗せてもらった。
奥能登一周中にやっと出会えた最高に美味しい田舎ご飯…
新田さんの自宅がある岩車に到着。築45年の家の中は、オープンで伸び伸びできるスペース感がある。昔の家は、結婚式や葬式を自宅ですることを前提に広々と創られている。岩車周辺は、一坪約1万円だそうだ。
新田さんには3人の子どもがいる。一人は現在、都内の大森病院で看護師として働く。二人目は、大学院で化け学を、3人目は神戸大学で助産師の勉強をしているそうだ。新田さんの奥さんは、クロネコヤマトで事務仕事をし、帰りは奥さんのほうが遅い。新田さんは奥さんに、毎年2回、誕生日と結婚祝いに薔薇をプレゼントするなど、ロマンチックな人でもある。いろいろな話で、夕飯やその準備が盛り上がった。
さて、夕飯の用意をする。新田さんのお母さんが料理をする。それを新田さんやぼくらも手伝う。
お母さんは85歳、ものすごく元気で、優しいおばあちゃん。少し早口で方言が入るが、なんとかぼくらも理解できる。
食材を自給することができる“田舎”環境
ほとんどの食材は、新田さん宅の畑で採れたもの。全て新鮮な自然食。
外の家庭農園では、獅子唐、茄子、ピーマン、そうめんカボチャ(糸カボチャ)を育て、冬には、魚、滋養強壮に良いナマコ、モズク、牡蠣などを捕ったりしているそうだ。牡蠣は最高に美味しいらしい。
いろいろと話はとぶが、「田舎暮らし」の食生活についても話を聞いた。
そうめんカボチャは、3つぐらいに輪切りにして茹でる。茹ですぎると柔らかくなりすぎるので、歯ごたえを残す程度に茹でる。そして、酢の物にして食べると、「しゃきしゃき」して美味しいそうだ。
モズクの味噌汁、一本シメジの味噌漬けが美味しい。
味噌は近所の人たちと一緒に、正月ごろに作る。
きのこは新田さんの家ではなく、山にある土地で栽培しているそうだ。椎茸はどんぐり、滑子(なめこ)は桜の木に、それぞれの茸菌を打ち込んで育てる。今年は一本シメジが豊作だったそうだ。
「自然にできたものだと、沢山食べられる」「本人次第で、自給自足ができる」と新田さんは言う。自然の味がして美味しいのか、いくら食べても、お腹いっぱいにならない。
8月~9月には、高さ数メートルの灯籠を使う「キリコ祭り」が開催される。
県内外から多くの人たちが参加するが、バングラディシュから金沢大学に留学している学生が、このお祭りに参加したり、田舎暮らしを体験をしたそうだ。
新田さんは個人的に、都会に住むあらゆる人との出会いの縁で、「田舎時間」や「いなかへいこう」などの田舎暮らしの活動を始めたという。
今後、穴水の良さを知ってもらうために、穴水へのあらゆる「受け皿」を用意して、活動を行いたいと言う。
「自給自足とは、全てを自分で自給するのではなく、みんなで助け合う生活。近所から物をもらったりすることも自給自足の一つ。楽しいですよ」と、新田さんは話す。
可能な範囲で必要なものを作り出す生活。新しいことを試すことができ楽しそう。新田さんといると、今後ぼくらが過ごしたい生活のヒントを聞いているようだった。
繰り返しだが、夕飯は、ほぼ全て、新田さんの畑で採れたもの。全てがとにかく美味しい。不思議なことに、どれだけ食べてもお腹に入る。
茄子は単純に皮が焦げるまで焼いて、皮を剥いただけ。それに醤油をつけて食べる。これだけで、十分美味しかった。
これまでは、茄子を麻婆豆腐風するなど、いろいろな調味料を混ぜて食べていたが、単純に焼くだけで茄子の味を楽しめた。獅子唐も網で焼くだけ。シンプルに料理して、自然の味を日本酒と一緒に楽しむ。
こういう生活をしていると、わざわざお金をかけて、居酒屋などに行くことがもったいなく感じてしまう。
ぼくらは、旅の背景、石川県での冒険について話した。穴水から輪島に歩こうとしたことも話すと、穴水から輪島に行く途中、穴水から約10キロ先の三井町興徳寺付近に100円温泉もあるとのことだった。
健康な夕食を食べ、お風呂にも入れてもらい、温かい布団に入って、久しぶりにゆっくり寝た。
この日、新田さんから、穴水のすばらしさ、ゆとりある生活、自給自足、いろいろな意味で田舎の豊富さなどを学んだ気がする。これまでとは、全く違うライフスタイルについて、話を聞けた。(続きはこちら)
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