2011-02 Backpacking Kyushu - 九州へのバックパッカー旅

day 86.3 “交番”で緊迫した“テント泊”交渉…成立なるか!? 五島列島の小値賀(おぢか)で

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五島列島 小値賀 Goto Ojika Island police

201125日(土)さて、ぼくらは、引き続き、バックパックを担ぎながら、今夜、テントを張れそうな場所を探しながら、五島列島の小値賀(おぢか)散策を続ける。

公園を見つけたぼくらだが公園は交番のすぐ隣だ。テントを張るなら、念のため交番に許可をとったほうが良さそうだ。
ん~、どうするか…とりあえず…
「まだ暗くなってないし他の場所も見てみよっか」と、テント泊第一候補の公園をとおりすぎ、まっすぐ進み、左に曲がり、海のほうに下って行った。
パチンコ屋やカラオケ屋がある。「あまり人を見かけないけどパチンコをする人いるのかね」と思いながら、引き続き海岸方面へと向かう。
しばらく行くと、釣りをしている二人の子ども、二人のおじさんが漁船の側で話している。
「おもしろそうだ。とりあえず話しかけてみっか」
おじさんたちは漁師のようで、小値賀では漁業が産業の軸だが、最近、魚が釣れないので、夜にスルメイカを釣りに行く。最近では、例年よりも12度も水温が低く、魚が少なく、サザエやアワビも捕れないそうだ。今、小値賀の第一次産業に携わる人たちは、“半農半漁”をしている人が多いという。
一度の漁でかかる電気(イカ漁に必要)と燃料代は約1万円。最近では1万円分の魚が捕れず、経費のほうがかかり赤字となってしまうため、漁に行くことを拒む漁師もいるそうだ。
「そう考えると、農業のほうが、安定はしているかもしれない…」と、ふっと思った自分。
釣りをしていた二人の小学生が、「カサゴが釣れた!」とやってきた。一人は、ここで話していた漁師の孫だった。
毎日、このあたりで釣りをしているそうだ。
「遅くなってきたし…今日は公園にもどろっかね」と、交番の隣にある公園へと戻ろうとする。
すると一台の車がとまり、話しかけられた。
彼女の名前は、岩永弘子さんだ。
弘子さんは車の中から、「なにか探してるの~?」「どこからきたの~?」と、何かを探していそうに見えるぼくらに話しかける。ぼくらは、旅の理由から、「そんなことなんで…今、テント泊できそうな場所を探しているんですよ~」と、笑顔で事情を話す。
弘子さんはカラオケ屋メロディーボックス」のオーナー。確かパチンコ屋の近くにお店があった。この漁港に来る途中に通った。1900からお店がオープンし、200300ごろにお店が閉まる。
「うちの駐車場を使えばいいわよ」と、弘子さんの車にぼくらのバックパックを積み、駐車場へと向かった。
駐車場は坂になっていて斜め。正直、テントは張りにくい…。また空家があるとのことで、そこにも連れて行ってもらったが、しばらく使ってないようで、結構ほこりだらけで暗かった。「交番のとなりにある、公園のほうがいいかなぁ~」と、ぼくら二人。
お風呂について聞いてみると、福祉センターでお風呂に入れるという情報も得た。「おそらく200300円ぐらい」とのことだった。しかし1700ぐらいに閉まるとのことだった。
ぼくらは考え込み、わざわざ空家まで紹介いただいて申し訳なかったが、「んー、交番の隣の公園にテント張れるか聞いてみようと思います」と丁重に弘子さんに伝える。
警察のとなりにあった交番のほうが、トイレも近いから、そっちにしよう」と結花に伝える。
弘子さんは親切に、「じゃぁ、そこまで乗せてってあげるわよ」と、車で交番まで乗せてくれた。
途中、佐世保と五島列島の島々の合併の話しについて、さらっと聞いてみた。
小値賀は合併を反対した地域の一つ。「合併すると、なにもかも佐世保を通さなければいけない。住民票含め書類などのプロセスも手間。若い人たちがいっぺんに減ってしまう。そんなことから、住民投票で反対する人が多かった」
交番に到着「じゃ、ちょっと交番に聞いてきますね」と車を降りて、交番へと向かった。
なんという質問だろうか201010月、能登半島をバックパッカー旅したときに、交番に寄り、道を聞いて職務質問された。その時、交番で、「今夜、ここでテントを張ってもいいよ」と言われたことがあった。そんな能登半島での出来事をぼくは思い出し、「もしかしたら…ありかもしれない…」と思ったのだ。

五島列島 小値賀・駐在所の駐車場でテントを張らせていただいた(翌朝撮影)
警察官に「交番の隣にテントを張っても問題ないでしょうか?」と聞いてみる。
公園の管理は、警察の管轄でないので、役場に聞いてみないとわからないという返答だった。
今日は土曜日だし役場は開いていない。わざわざ休日に「テントを張ってもいいですか」と聞くのも申し訳ない。
じゃぁ、交番の駐車場にテントを張らせていただいてもいいですかね?」と、笑いながら冗談半分で聞いてみた。
すると…「いいですよ。水道も使っていいよ」と許可がおりた。まさに“犬のおまわりさん”のような警察官!困っている人たちに優しい。
弘子さんが車の中で待ってくれたので「大丈夫でした。今夜ここでテントを張らせてもらいます」と伝えると、笑いながら「あーそう!よかったじゃない」と、笑う弘子さん。
「あとで、差し入れの唐揚げでも持ってきてあげるわよ」と、弘子さんはこの場を去って行った。

結花は、「これから雑炊作りますので、差し入れしましょうか」と、笑いながら話す。
交番の建物はまだ新しい。交番付近には、小値賀に関する資料館があるそうだ。
島の商店街は基本、第一日曜日がお休み食料などの買い物は今日(土曜)にしておいたほうがよさそうだ。

野崎島はいいところ。変わった島ですよ。野生の鹿が沢山います。日帰りで1,000円かかります。朝700800ぐらいに着き、1400ぐらいまで戻って来られなかったとお思います。管理人が一人住んでいます」と、また野崎島へ行くことを薦められた。宇久島でも、多くの人から、野崎島へ行くことを薦められていたぼくら。笛吹(ふえふき)の港「小値賀フェリーターミナル」から野崎島に出る船が出ているそうだ。

「万が一のため、身分証明書を見せてもらってもいいですか?」と、警官から聞かれ、ぼくの身分証明書を渡し、名前や住所を控えられた。
警察官の野田公樹さんは、9カ月前に小値賀勤務となった。
ここは、長崎県警察新上五島警察署の小値賀警察官駐在所。もう一人警察官がいるそうだが、病院に行く必要があり、今日佐世保に行っているそうだ。
手術、盲腸、骨折など複雑な病状になると、島外にいかなければいけない。大抵、佐世保にある大きな病院に行くそうだ。
小値賀の人口は、約2,915名(20101月末調べ)(1,338世帯)。全盛期には、1万人いたらしい。小値賀では農地が余っているので、自給自足的な生活をしている人たちが多いとのこと。

五島列島 小値賀・駐在所の駐車場でテントを張らせていただいた。
警察官の野田さんとぼくら。テントの張り場所にこまっていたぼくらを助けてくれた(翌朝撮影)
この島は、オンラインショッピングのアマゾンAmazon.co.jp)の郵送料が無料で、離島料金が発生しないとのことだった。(ちなみに宇久島も配送料が無料)インターネットで、なにかと必要なものを揃えることもできる。また、アマゾン以外では、ジャパネットの本社が佐世保にあるので、家電製品もネットで購入できる。ジャパネットの郵送も無料だそうだ。
などなど、小値賀出身ではない野田さんだが、やはり現地に住む人から直接、現地の生活スタイルを聞くと、リアリティがあって、わかりやすい。(続く
<次回のエピソード 『day 86.4 五島列島・小値賀の“交番”で一夜を過ごすするバックパッカー~唐揚げと、炊き込みご飯の素の差し入れ~』>

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1979年1月生まれ、東京生まれ鎌倉と米オレゴン育ち。鎌倉の中学校卒業後、オレゴン州の高校と大学を卒業。現在、石川県鳳珠郡穴水町岩車在住。ソニーやPR会社で広報業務に約10年間携わり、2010年10月、ライフスタイルの選択肢を増やすべく、日本の田舎/地方を中心に、テント・寝袋・自炊道具などを担いだバックパッカー旅を開始。以後2年半にわたり旅を続ける。「テント」ベースから、2012年5月以降は「バン」ベースのバックパッカーになりバンライフ開始。2013年5月、人口約100人の限界集落 能登半島・石川県穴水町岩車に移住。現在は、「田舎への旅」と「田舎でのライフスタイル」の二つを軸に、田舎旅やライフスタイルの情報発信、都市部の人たちが能登の暮らしを体感できる「“ざっくばらん”な田舎ライフスタイル体験」の提供を行なうほか、東京のスタートアップ/ベンチャー企業、移住先・能登や静岡県の中小企業の広報サポート、地域活性プロジェクトサポートにもリモートワークで従事。また、ブログやウェブ制作、写真、執筆活動なども行なっている。移住先で自宅がある岩車の隣の地区 穴水町川尻では、シェアハウス・サテライトオフィスなど多目的・多機能の「田舎バックパッカーハウス」、そこに併設する“住める駐車場”であり長期滞在可能な車中泊スポット「バンライフ・ステーション」も運営。現在、東京の“バンライフ”のCarstay(カーステイ)で広報責任者として関わりつつも、静岡県島田市で幻のきのこ“はなびらたけ”「ホホホタケ」を生産する大井川電機製作所、石川県輪島市では国産漆だけでアート作品をつくる“芯漆(しんしつ)”の山崖松花堂などの広報を担当する。移住先・石川県穴水町岩車で育てられた牡蠣の販売もサポートする。

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