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【能登の田舎からのつぶやき】空き家解体費が倍増する時代に考える|不動産と可動産という新しい選択肢

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以下の2本の記事を読んだ。

◆ 空き家の解体費にもインフレの波 早期対応が重要に 👉 こちら

◆ 家の修繕、優先順位を決める 工事費上昇で基本は「中より外」👉こちら

どちらも、今の日本の住宅事情とコスト構造が大きく変わってきていることを示している。

空き家の解体費は、能登での体験談だと、これまで数百万円だったのが、インフレや材料費・人件費の高騰で一気に上昇しているというお話しだ。

そして、家の修繕では、工事費が上がっているだけでなく、優先順位という考え方が。

これらの記事を読んで、「これは現場でも本当に起きている」と強く実感した。

<< 能登でも解体費は倍になった >>

能登でも、空き家解体に関して同じことが起きている。

ぼくの田舎バックパッカーハウスは、もともと解体予定ではなかったが、2019年に家を購入した際に、近所で解体に近い仕事をしている関係者に聞いたところ「300万円ぐらい」と言われていた。

ところが、能登半島地震の影響で田舎バックパッカーハウスが大規模半壊となり、公費解体を申請、2024年7月ごろ、公費解体事業者の現場立ち合いで話した担当者からは、
「自費だったら600万円だろう」
と言われた。

これはインフレだけの話ではない。震災後の需要増、職人不足、材料費高騰が複合的に影響しているに違いない。

日経の記事に綴られているように、空き家は放置せずに早期対応が重要だと思う。

だが、これを書いた日経記者とのやりとりのとおり、「『前向き』な投資とは考えにくいので、高くなった費用の支出へ二の足を踏む所有者が多い」のが現実。

また、今回、震災の影響で公費による解体になったことは大変ありがたかったが、その後の現実は甘くない。

公費解体は国や自治体が負担してくれるが、解体後の地面整備は自費だ。これが家一つを更地にするだけでも軽く数十万円〜100万円単位でかかる。田舎バックパッカーハウスの場合、100万円近くかかったと。

ぼくの場合、田舎バックパッカーハウスは事業所的な形で利活用しつつも、週の半分は泊まり込み、週末はときどき家族と利活用してたものの、「非住居」扱いだったため、支援金は一切下りなかったので、解体後の負担は全て自費となった。

ちなみに、地面整備費だけではない。

残った2階建てのガレージ/納屋に、解体した母屋にあった機能を全て集約、ユニットバス、トイレ、電気工事、水道の配管整備まで含め、家の機能を最低限残すだけでも総額300万円ほどの費用がかかったと思う。ここまでの労力など含めるともっとかかったのかもしれない…

石川県 穴水町 公費解体,田舎バックパッカーハウス 解体,能登半島地震,大規模半壊,川尻,解体日数

<< 修繕優先は「外側から」が基本 >>

もう一本の記事では、家の修繕について「修理の優先順位は内側よりも外側が基本である」と書かれていた。

これも、現場感としては腑に落ちる。

屋根・外壁・雨どい……外側がやられると、雨水や風の影響で一気に内部がダメになる。

特に屋根は重要だ。屋根が壊れれば雨漏りが起き、家全体が傷む。

瓦職人の技術が必要な部分だが、能登でも瓦職人・建築職人の数は減っている。後継者不足は本当に深刻だ。

外側を抑えるのは理論として正しい。

ただ、実際の現場では、
・費用がかかる
・職人が捕まらない
・材料費が高い
という現実が立ちはだかる。

能登・穴水町岩車(石川県) – 屋根と天井の修復作業…近所の新田信明さんの大サポートにもよる大作業となった。屋根をまず修復しなければ…雨漏れが続き、家はズタズタの状態になる

<< 職人不足と地方の構造的課題 >>

能登では、瓦職人だけでなく、大工、設備業、水道工事など、いわゆる“エッセンシャルワーカー”の職人が減っている。

これは災害が起きても平時でも同じことだ。

災害時には、大工や建設、電気・水道などの専門職が一斉に必要になる。

需要が一気に増える中で、職人の数自体が少ないから、順番待ちが長期化する。

これは奥能登だけではなく、日本全国の地方/田舎で共通している。

石川県 【メディア掲載】ヤフーニュースのトップに掲載|能登半島地震・復興の現場から見える「職人不足」と地方のリアル

<< 松の木とシロアリ >>

昔の田舎の家は松材が多く使われていた。
松は美しい木だが、シロアリの標的になりやすい。

田舎バックパッカーハウスでも、松材が使われている箇所で羽アリを見かけた。

春になると、シロアリが羽アリとなり、家の中を飛んでいることもあった。

これも、直すべき外側の傷みと同じように、地方古民家特有の課題だ。

大工さんの手元をしたときに聞いたところ、昔は松材が良いとされていたそうだ。

<< “最低限+可動産”のリアル >>

考えてみると、最低限必要なのは
・シャワー
・トイレ
・キッチン
・電気
この基本4つが安定していること。

ここさえ抑えておけば、あとは“動く家”=可動産でも十分に暮らせる。

まず”車”は、災害時でも倒壊しないし、修繕は自動車整備工場で対応可能だ。

車をキャンピングカーのように”住める化”させ、可動産となると、足にもなり、住めるだけでなく、あらゆる形で利活用できる。

まさに田舎バックパッカーハウスの“住める駐車場”が示す未来は、「可動産+最低限インフラ」だと考えている。

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<< 車と暮らしの未来 >>

最近行われたジャパンモビリティショーでは、シャープの「+LDK」といった可動型生活提案が注目を集めていた。

トヨタのe-Palette構想なども、車が“足”以上の意味を持つ未来を描いている。

自動運転が一般化すれば、車が移動中も生活空間になる可能性がある。

車がEV化となり、自動で運転してくれるだけではない。現在のガソリン車などの自動車をスマートな人型ロボットが運転してくれる未来も到来することだろう。

現在の自動車の台数を考えると、人型ロボットの未来のほうが早く到来するのかもしれない。

そうなれば、誰もが「車=部屋」という感覚を持つ日が来るかもしれない。

そう考えると、これからの住宅論は

固定された家か、動く拠点か、あるいはその融合か

が問われる時代に入っているのかもしれない。

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1979年1月生まれ、東京生まれ鎌倉と米オレゴン育ち。鎌倉の中学校卒業後、オレゴン州の高校と大学を卒業。現在、石川県鳳珠郡穴水町岩車在住。ソニーやPR会社で広報業務に約10年間携わり、2010年10月、ライフスタイルの選択肢を増やすべく、日本の田舎/地方を中心に、テント・寝袋・自炊道具などを担いだバックパッカー旅を開始。以後2年半にわたり旅を続ける。「テント」ベースから、2012年5月以降は「バン」ベースのバックパッカーになりバンライフ開始。2013年5月、人口約100人の限界集落 能登半島・石川県穴水町岩車に移住。現在は、「田舎への旅」と「田舎でのライフスタイル」の二つを軸に、田舎旅やライフスタイルの情報発信、都市部の人たちが能登の暮らしを体感できる「“ざっくばらん”な田舎ライフスタイル体験」の提供を行なうほか、東京のスタートアップ/ベンチャー企業、移住先・能登や静岡県の中小企業の広報サポート、地域活性プロジェクトサポートにもリモートワークで従事。また、ブログやウェブ制作、写真、執筆活動なども行なっている。移住先で自宅がある岩車の隣の地区 穴水町川尻では、シェアハウス・サテライトオフィスなど多目的・多機能の「田舎バックパッカーハウス」、そこに併設する“住める駐車場”であり長期滞在可能な車中泊スポット「バンライフ・ステーション」も運営。現在、東京の“バンライフ”のCarstay(カーステイ)で広報責任者として関わりつつも、静岡県島田市で幻のきのこ“はなびらたけ”「ホホホタケ」を生産する大井川電機製作所、石川県輪島市では国産漆だけでアート作品をつくる“芯漆(しんしつ)”の山崖松花堂などの広報を担当する。移住先・石川県穴水町岩車で育てられた牡蠣の販売もサポートする。

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