2010-11 Backpacking Shikoku Islands - 四国・瀬戸内海の島々へのバックパッカー旅

day 29.1 愛媛県 興居島ミカン ~農家の工夫。農家の後継者不足、日本の農作物は無くなるのか…~

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バックパッカー 四国

2010年11月15日(月) – 栄子さん宅で、伊予柑の皮で作ったジャムと食パンをご馳走になり、このジャムをお土産としてもらった。

作り方は簡単で、伊予柑の皮、砂糖、果汁を炊き込むだけだそうだ。

ミカンの皮でも作れるかは聞かなかったが、「伊予柑の皮」でジャムができるなら、その他の皮なども「再利用」して、新たな食べ物を作れそう。ジャガイモの皮?とジャム…

「工夫」や自身の創作的アイディア次第…

バックパッカー 四国

【愛媛県 興居島 (左から)山田享さん(栄子さんの夫)、結花、広恵さん(栄子さんの娘さん)、栄子さん、ぼく(生馬)】

栄子さん家族は伊予かん、琵琶(びわ)、早生(わせ)ミカンをつくっている。

ミカンの競争も激しく、20年前から、ミカンの単価が下落しているそうだ。

現在のミカンの価格は1箱12kgで3,000円。

伊予柑は、1箱7,000円の時代もあったが、現在1箱3,500円台(ざっと30個ぐらいだろうか)まで下落したそうだ。

そして、伊吹島編でも書いたとおり、どんなに質の良い育て方をしても、ミカン(その他農作物も)を農協に出荷すると、その他の農家のものと同じ価格となる。

同じ興居島の品種として、出荷・販売されてしまうのだ。

質の良い肥料を使用したり工夫をしてお金をかけて作物を育てても、農協に出荷すると、まわりの農家の物と同じ値段。

せっかく苦労して育てたのに、「その苦労って何だったのだろう…」と思ってしまう。

興居島 みかん

【愛媛県 興居島 ごろごろと転がる柑橘類】

 

ミカンを美味しくする秘訣

農家の人たちは、ミカンを育てるのに工夫をしている。

ミカンの木の下に、銀紙を敷く。下に敷かれた銀紙により、太陽の光が上向きに反射し、ミカンの下側にも太陽光があたる。

そんな工夫により、ミカンが、より甘くなるようにしている。

この太陽光の照り返しを活用する工夫、ミカン農家にとっては当たり前なのかもしれないが、ぼくらにとっては「へ~そうなんだ」と思う工夫だった。

また、興居島の伊予柑、ミカンは、海の潮風にあたるため、海のミネラルをうけ、甘みがでるとも言われている。

島は、海に囲まれ、何でも海風にあたりやすい。「海のもの」は、「農」のミネラルになる。

これが美味しい農作物の育て方の秘訣なのかもしれない。

石川県の穴水の能登ワインでは、葡萄の肥料に、ミネラルが豊富な牡蠣を活用している。

牡蠣の殻を砕いて、葡萄を育てる肥料として使っているのだ。おそらく、それと同じような理由なのだろう。

坊勢島の漁師は漁獲量。魚をより多く捕るために、網を自身で工夫して作っている。

興居島の農家は、柑橘類をより甘くするために、海のミネラルや太陽光を上手く活用している。

第一産業では、比較優位性を維持するために、あらゆる工夫をして、事業を継続している。

海外勢との競争の中、新たな工夫がないと、ミカン農家も生き延びることができない。

ただ、農家の場合、農作物を工夫して育てても、農協に物を出荷すると、価格が変わらないのはおかしな話だ。

もちろん、農協を通さず、インターネットを活用して、販売することもできるが、現状、農協のネットワークにはかなわない。

ただ、上記のように工夫をして農業を続けていても、農家は現在、根本的な共通の問題を抱えている。

 

深刻な後継者不足

後継者がいないのだ。「後継者がいない」という発言は、あらゆる旅先で、農家や漁師から耳にする。

「日本の漁業や農業は、存続することができるのだろうか」、「ぼくらは、日本で作られたものを食べ続けることができるのだろうか」という疑問が常に頭を過ぎるようになってきた。

これも今後、大きな問題点になりそうだ。

興居島 みかん

【愛媛県 興居島 ごろごろと転がる柑橘類】

品質重視のために、どう工夫をするかが農家や漁業の存続につながると感じた。

品質を維持・向上させれば、売れる。頑張って研究を重ねれば重ねるほど、売れるのだ。

こんな時期に5,000~6,000円の直売価格をつけている農家もあるとのこと。

それだけ、ミカンの育て方にこだわりをもって、研究や工夫を重ねているからできることだろうか。

しかし…「後継者」がいなければ、根本が崩壊する…。今後、日本の農業や漁業はどうなるのか。

ところで、伊予柑、ミカンと競争する農作物を知っているだろうか?

これら柑橘類は、イチゴと同じ時期に収穫されるため、イチゴと柑橘類が好きな人に二分するそうだ。<続きはこちら

<前回のストーリー『day 29 愛媛県 興居島 栄子さん家族との出会い』>

<次回のストーリー『day 29.2 愛媛県 興居島 忽那諸島で開催されていた「島博覧会」』>

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1979年1月生まれ、東京生まれ鎌倉と米オレゴン育ち。鎌倉の中学校卒業後、オレゴン州の高校と大学を卒業。現在、石川県鳳珠郡穴水町岩車在住。ソニーやPR会社で広報業務に約10年間携わり、2010年10月、ライフスタイルの選択肢を増やすべく、日本の田舎/地方を中心に、テント・寝袋・自炊道具などを担いだバックパッカー旅を開始。以後2年半にわたり旅を続ける。「テント」ベースから、2012年5月以降は「バン」ベースのバックパッカーになりバンライフ開始。2013年5月、人口約100人の限界集落 能登半島・石川県穴水町岩車に移住。現在は、「田舎への旅」と「田舎でのライフスタイル」の二つを軸に、田舎旅やライフスタイルの情報発信、都市部の人たちが能登の暮らしを体感できる「“ざっくばらん”な田舎ライフスタイル体験」の提供を行なうほか、東京のスタートアップ/ベンチャー企業、移住先・能登や静岡県の中小企業の広報サポート、地域活性プロジェクトサポートにもリモートワークで従事。また、ブログやウェブ制作、写真、執筆活動なども行なっている。移住先で自宅がある岩車の隣の地区 穴水町川尻では、シェアハウス・サテライトオフィスなど多目的・多機能の「田舎バックパッカーハウス」、そこに併設する“住める駐車場”であり長期滞在可能な車中泊スポット「バンライフ・ステーション」も運営。現在、東京の“バンライフ”のCarstay(カーステイ)で広報責任者として関わりつつも、静岡県島田市で幻のきのこ“はなびらたけ”「ホホホタケ」を生産する大井川電機製作所、石川県輪島市では国産漆だけでアート作品をつくる“芯漆(しんしつ)”の山崖松花堂などの広報を担当する。移住先・石川県穴水町岩車で育てられた牡蠣の販売もサポートする。

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