徳島県勝浦郡上勝町 – ぼくらはまだまだ徳島県上勝町(かみかつちょう)を散策する。
自分で言うのもなんだが、ぼくらバックパッカー旅は実に深く、日々様々な出会いがある。そして、各地での出会いが、更に“深い出来事”へとつなげてくれる。
これだから、バックパッカーでの旅は楽しいのだ。
「樫原の棚田」まで、もう少し先へとクルマで走る。駐車場が限られているから歩いて散策したほうがいいかな。
このストーリーを読むと
「えっ?!なんでこのなんとかなんとかサミットに参加してるの?」
「なんで、“美味しいお米の炊き方”を料理教室で、料理学んでるの?!」
「なんで棚田で、お好み焼き食べてるの?!しかも餅入り?!」
って、客観的に思ってしまうかもしれない。
一体全体…どんなバックパッカー田舎旅なのだろうか。ちょっと長いが、引き続き、是非読んでもらいたい。
「樫原の棚田」へ
さて、晩茶(ばんちゃ)の香ばしさが漂う「神田茶の里(じでんちゃのさと)」、アート作品「もくもくもく」、1092枚もの棚田があり上勝で最大の棚田の枚数を誇る「田野々の棚田(たのののたなだ)」を“右”へと曲がり、さらに上へと進む。(前回のお話しはこちら)
【徳島県上勝町 – 棚田百選の「樫原の棚田」を上へと散策。ここには水車小屋もある】
「神田茶の里」を更に上へ、山を上へ上へと3キロほど行くと、「重機や車などがない時代、昔の人たちは、なんでこんな山上に棚田…田んぼをつくったのだろうか…?」と思ってしまう棚田が静か~に出没する。
そんな疑問が過ると同時に、「今のぼくらの時代の人たちは、なぜ、ここまで苦労して、棚田をつくるだろうか…?」と考えてしまう。多くの「平家の落人(おちうど)」が上勝へ移住したことは聞いたことがあったが、それが背景にあり、食べ物を自給するために棚田を作ったのだろうか。
※許可得て入らせてもらっている。
「天上の泉」がある「市宇の棚田(いちうのたなだ)」もすごいところにあったが、この「樫原の棚田(かしはらのたなだ)」も相当な山奥にある。まぁ、そもそも上勝自体が山奥に位置している(「市宇の棚田」についてはこちら)
ここ「樫原の棚田」の田んぼの枚数はなんと786枚で、上勝で二番目に多い棚田の枚数を誇る。
【徳島県上勝町 – 棚田百選の「樫原の棚田」(6月)毎月違う顔をする棚田】
これら棚田は、一度ボールを転がしてみたくなるほどの山奥の傾斜にあり、ここでボール遊びをしたら…どんどんどん下へと転がってしまうだろう。
どこまで転がっていくだろうか…試しにやってみればよかったなぁ…と、今さら思っている。
それにしても、重機もない時代から耕した棚田。昔の人たちはすごいもんだ。
【徳島県上勝町 – 棚田百選の「樫原の棚田」 なぜこんな山奥に棚田をつくったのか。どれくらい時間がかかったんだろうか】
このあたり周辺は、200年前(1813年(文化10年))の江戸時代とほぼ変わらない棚田や集落の風景が現在もそのまま残っている。当時の実測絵図が一目でそれを語っている。
そんな背景から、「樫原の棚田」は2001年、徳島県で初めて、文化庁により「重要文化的景観」にも選定さている。
日本の棚田百選
農林水産省は1999年(平成11年)7月16日に、上勝の「樫原の棚田」を「日本の棚田百選」の一つに認定した。
現在、117市町村の134地区にある全国の棚田が、「日本の棚田百選」として認定されている。“百選”と言っても、100以上もの棚田が認定されているのだ。
最近、行ってきた奥能登(石川県)の「白米千枚田(しろよねせんまいだ)」(石川県)もその一つ。
「営農の取り組み」「棚田の維持管理」「オーナー制度」などが主な評価のポイントとなり「日本の棚田百選」に認定される。
棚田を耕す後継者が減る中、200年以上も前からの棚田を存続・維持するために、上勝では、地域外の人たちに“棚田オーナー”になってもらう「棚田のオーナー制度」も導入している。
棚田の地主から約100㎡につき年会費50,000円で棚田を借りて、農業体験に参加し、収穫物をもらうことができるのだ。
田植え、稲刈りなどのメイン作業はオーナー制度に登録した人たちが行うが、登録者が地域外に住んでいるとさすがに毎日来ることは難しいので、地元の人たちが日々、棚田の細かい管理をする。
年会費のうち、35,000円はオーナー側の収入になるそうだ。
樫原地区では2004年からオーナー制度がスタートし、現在では、町全域でこのオーナー制度を導入した。上勝のオーナー制度は、地元のNPO法人「郷の元気」が管理している。
【徳島県上勝町 棚田百選の「樫原の棚田」を上へと散策する結花。棚田のオーナー制度も導入していたり、重要文化的景観にも指定されている】
このようなオーナー制度からもわかると思うが、映画「人生、いろどり」、“葉っぱビジネス”などであらゆるメディアに取り上げられ、一躍有名となっている上勝でも、農家などの後継者が不足している。
上勝は人口約1,900人の半分以上が65歳以上の高齢者の“限界集落”だ。
田舎の後継者不足、オーナー制度、などと考えていると…(続きはこちら)
<次回のストーリー: 『映画「人生、いろどり」ロケ地 上勝町の「樫原の棚田」で「田舎で仕事を創る」について“ふと”考える – 二話目』>
<前回のストーリー: 『映画「人生、いろどり」ロケ地 「江田家族の山」』>
ブログ村ランキング参加中!クリックをお願いします!
Please click below icon for a blog ranking
にほんブログ村
こんにちは!<br />たくさん樫原のことを書いていただきありがとう。<br />昨日、棚田の収穫祭でした。よい天気に恵まれ、80人以上の人たちが集まり、餅つき、BBQ、おでん、いのししカレー、もちろん、肉も野菜も地元のものです。そのほか、ゲーム・縄ないなどもして、1日中楽しみました。<br />田舎の生活はのんびりしているようですが、棚田の維持管理・農作業は大変です。けれども、この美しい景観と美味しい水・澄んだ空気に感謝して、これからも、この棚田を守っていこうと思っています。<br />中川さんご夫婦がこちらにお越しの際は、お休み処で1泊してくださいね。また、お会いできる日を心待ちにしております。
「みっちゃん」こちらこそ、ありがとうございます。「いのししカレー」とか…すごい興味あります!地元の資源を活用して、料理をするのは「モノ」がすごくマッチして、より美味しくなるのでいいですよね。これからも、上勝の田舎を守っていってください。またそちらに行ったときは、寄らせていただきます~。:)<br />お休み処での一泊も楽しみです!また必ずお会いしましょう~!!鎌倉方面へ来られる際には教えてくださいね!
みっちゃんさん<br /><br />ブログへのコメントありがとうございます(^^)<br />こんど上勝へ行った時はぜひお休み処利用させていただきます。<br /><br />朝焼けがとてもきれいそうですね!<br /><br />