徳島県勝浦郡上勝町 – ぼくの田舎旅の経験上、「田舎には後継者がいない」「仕事がない」…っという言葉を田舎で必ず耳にしていた。(前回の話しはこちら)
しかし、そんな悩みをかかえる一方で、田舎の人たちは、「後継者=親族」「先祖代々授かった土地は手放せない」という考え方を持つ人が多い。
確かに、親族に継いでもらいたい気持ちはわかるが、子どもたちには、それぞれ将来の夢“やりたいこと”がある。
世界へ旅ができる時代、ネット社会もどんどん拡大し、みんなの視野が拡がる…そんな風に個人の考え方や旅先が拡がるにつれて、若者の“夢”はどんどん拡がっていくことは言うまでもない。無理に引き留めることは難しいし、親として、可能な限り、子どもを自由にさせたい気持ちがあるだろう。
そんな中、福岡県の小呂島(おろのしま)では、引き継ぎ率がほぼ100%のユニークな島だった。ただ、掘り下げると、そのストーリーにも賛否両論がある。(その話しはこちら)
【徳島県上勝町 – 竹中ファームの棚田米「水稲うるち玄米」】
第一次産業(農業・漁業・林業・鉱業)の仕事から離れ、漁業や農業が抱える後継者難。そして、第三・四次産業と呼ばれるサービスや情報などの業種に特化していく社会。
1955年(昭和30年)以降、第一次産業や、第一次産業の農業・漁業・林業の原材料などを加工して商品を作り出す製造・建設などの第二次産業は減少している。
完全な農家専業の“後継者”という形式ではないかもしれないが、今後、地域外から耕作地の“オーナー”を探す制度は拡がっていくのだろうか。
【徳島県上勝町「樫原の棚田」 竹中ファーム ここも映画「人生、いろどり」のロケ地の一つ。ボールを転がしたくなる棚田の傾斜】
後継者難を“悩み”としている田舎/地方だが、「後継者=親族」の考え方が強すぎるという点もあるだろう。国内には農家になりたい若者は沢山いると思うが、そんな「新たな後継者」に、田舎側が目を向けていないだけなのかもしれない。
「後継者=親族」でなくても、「後継者=他族」の考えで、田舎の“事業”は存続できるのではないかと思う。
「田舎の“事業”は存続できる」とは言っても、“伝統的なやり方”は変えず、“時代に沿ったやり方”を新たに導入していく必要はある。
ぼくらが行く田舎は、人口が少ないところが多く、このまま後継者がいなくなり、同時に子どももいなくなると、学校も無くなってしまい、最悪“消滅集落”という現実に陥る可能性もある。
町一帯がなくなるより、町を地域外に開放、オーナー制度のようなあらゆる後継者システムを導入して、町を存続の方向へと導いたほうが良いのではないだろうか。(続きはこちら)
【映画「人生 いろどり」ロケ地の竹中ファーム 「樫原の棚田」 第17回棚田サミット開催前に棚田周辺をお掃除中の結花。掃除してもどんどん葉っぱが落ちてくるんだよね】
<次回のストーリー: 『映画「人生、いろどり」ロケ地 上勝町の「樫原の棚田」で「田舎で仕事」と「食料の自給」について“ふと”考える – 三話目』>
<前回のストーリー: 『映画「人生、いろどり」ロケ地 “なにかを転がしたくなる”上勝町の「樫原の棚田」へ – 一話目』>
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