2011年2月7日(月) – ぼくら田舎バックパッカーは現在、五島列島・小値賀島(おぢかじま)にいる。
前回までの五島列島でのあらすじ
一昨日の2月5日(金)、小値賀の北に位置する宇久島(うくじま)から小値賀へと船で渡った。
小値賀に到着早々、“いきなり”交番でお世話になった。(その時のお話しはこちら) その夜、大変嬉しいことに、島内の居酒屋&カラオケ屋さんの「メロディー」の岩永弘子さんが唐揚げの差し入れをしてくれ、「小値賀にも温かい人たちが沢山いるんだなぁ」と、交番で一夜を過ごした。(その時の出来事はこちら)
翌日も「温かい田舎」での日々は続いた。
朝、交番にいたぼくらを「早く来なさい!」っと、小値賀でクリーニング屋さん「森クリーニング」を営む森銀一さんが笑顔で招待してくれた。
偶然にも、森さんは、昨晩唐揚げを差し入れてくれた弘子さんの親戚だった。
そして、お酒好きなぼくらに、森さん夫妻は「飲んじょるか?ほら、飲みなさい!」と、たらふくのお酒と食べ物をすすめてくれ、その日は森さん宅で一泊お世話になったのだった。(その時のお話しはこちら)
小値賀に到着した初日(2月5日)の話しをもう少し振り返ろう。
ぼくらは交番でお世話になる前に、ぼくらの出身地である鎌倉の隣・湘南エリアから移住した美保さんに出会った。近い将来、田舎でライフスタイルを送る予定でいるぼくらは“移住”話しに興味がある。
「小値賀での滞在期間、いろいろと田舎でのライフスタイルについて話しを聞かせてください!」と、連絡先を交換。しかし、ソフトバンクの電波が悪いので、ぼくらの携帯電話は笛吹の港周辺でしかつながらない。連絡が取りづらいのだ。
美保さんは、ぼくらのために、自宅までの地図を紙に書いてくれ、「家に来る時、もし迷ったら『ぶうさんの家ってどこですか?』って近所の人に聞けばわかるから~」っと、その時はわかれたのだ。ぶうさん(今田光弘さん)とは、小値賀で就農した美保さんのパートナーのこと。(美保さんとの出会いはこちら)
その翌日、美保さんからもらった地図で「ぶうさん宅」へと向かったのだが、その日、ぶうさんは、ブロッコリー農家の仕事が立て込んでいたため、翌日の2月7日に会うことになった。
その日、初めてぶうさんと出会ったとき、ぶうさんがボーイスカウトに属していたこと、昔から“島にロマン”を感じ、“自給自足”のライフスタイルにも魅了されていたことなど、30分ほど話しを聞いたわけだが…
そんなぶうさん自身の背景や、ぶうさんから聞いたこれらキーワードにまつわる発言が、ぼくらの興味をさらにそそっていった。
一体、どんなライフスタイルを小値賀で送っているのか、ものすごく気になって迎えた今日だった。
そんなこんなで、小値賀でも、おもしろい“出会い”が続いている。
今日(2月7日(月))、ぼくらは「ぶうさん」と美保さんに会う予定だ。
そして、今日
この日、起床すると、森さん夫妻は既に、クリーニングの仕事を始めていた。
銀一さんは、シーツにアイロンがけを、ひさ子さんは、裏で洗濯作業をしている。プロ仕様なので、洗濯機は特注のもの。大きさが家庭用のものとは全く違う。
脱水のとき、水は床に排出されて、排水溝に流れる。脱水弁の大きさも家庭用のものとは違うので、水を出し入れするスピードも全然違う。
次の洗濯作業に取り掛かる待ち時間が短縮される。クリーニングしたものは、全て配達しているそうだ。
銀一さんがクリーニング作業(アイロンがけ)をしている目の前には一面大きな窓があり、外から丸見え。
なのに、ぼくらが銀一さんの作業現場を見ていると「恥ずかしい」と、にやにやと笑顔で話す。
大変お世話になった森さん宅を出発した。
ぼくらはまず、交番へ行き、“犬のお巡りさん”のように親切にしてくれた野田公樹さんからの「自転車いつでも貸しますよ」の言葉に甘え、翌日まで自転車を貸してもらった。もちろん交番の自転車ではなく、野田さん夫妻のプライベートの自転車。野田さんが乗っているマウンテンバイクと、奥さんが乗っているママチャリだ。
バックパックを担いで、自転車に乗り、11:00ごろ、ぶうさん(今田光弘(いまだみつひろ)さん)宅に到着した。
美保さんがぼくらを迎えてくれた。今日、美保さんは仕事がお休み。ぶうさんは今、農作業中。(美保さんとの最初の出会いはこちら)
ちなみに、前日(day 87.3)の記録にも書いたが、今田光弘さんは、顔が豚に似ているので、「ぶう」さんと呼ばれているそうだ。
到着すると、「お腹すいた~?」と「ブロッコリースープ」をご馳走になった。具には、ぶうさんの畑で採れたブロッコリー、玉ねぎ、ジャガイモを、スープのもとには、クリームシチューのルーを入れて作る。
もちろん牛乳を入れて作ることもできるのだが、離島では、牛乳が若干高額。そんな中、クリームシチューのルーを入れて工夫をしたそうだ。
このブロッコリースープ、これが甘くコクがあってかなり美味しい!これ何杯でも飲める。
スープの他には、美保さんが、“ハイテクな”電子レンジで作った焼き立てのホカホカの丸いパンもご馳走になった。小値賀にはパン屋さんがないので、独自でパンを作っている。
パンだけでなく、やりたいことがあれば、いろいろなことを自分でやらなければいけないので、いつも忙しいそうだ。とは言っても、この忙しさは「全て自分のため」なので、「ポジティブな忙しさ」と思える。
食べ物のほとんどを自分で作ったり、地域内で物々交換することから、“得体の知れないもの”を口に入れることがない。
…などなどと、食べながら話していると、「美保ちゃん!」と玄関から声がした。近所のおばさんが、海鼠(なまこ)を差し入れてくれたのだ。
小値賀の観光へ
昼食後、大変ありがたいことに、美保さんが、クルマで小値賀を案内してくれた。小値賀の地理的な印象は、高い山がなく、標高が低いせいか、スペース間があり、広大さを感じる。
宇久島の海も綺麗だったが、ここ小値賀の海もとんでもなく綺麗な島だ。海の透明度の素晴らしさは、五島列島全体に言えることなのだろう。漁をしても透明度が高いので、どんな群れの魚が網に入ってくるのかもわかる。
海が綺麗なので、ダイビングを解禁にすれば、海の自然の良さがわかると思うのだが、そこには密漁をしてしまう人もいるから仕方ないのだろうか。
レスキューダイバーの免許(PADI)まで取得したぼくにとっては、ダイビングで海の自然と触れ合うことができないことについてはもったいないと感じてしまう。
ちなみにシュノーケリングは問題ないそうだ。
ぶうさんのブロッコリー畑へも行った。ブロッコリー畑を見るのは初めて。
スーパーで販売されているブロッコリーには見かけないが、ブロッコリーの芯には沢山の大きな葉っぱが生えている。出荷前に、その部分を切り落として、箱詰めされ、売られている。
ぼくはこれまでの旅で、とにかく“無駄”が気になるようになり、物を購入する前に、「自分の周りにあるものをまずは活用したい」と考えることが多くなってきた。
そんな背景もあり、「葉っぱが、なんかもったいないですね」と話すと、「その部分も食べられないことはないのよ」と教えてくれ、生で食べてみた。葉っぱ部分は甘みがあって美味しいと言っていいのか、食べ慣れてないのか、正直少し飽きる。また苦甘い。でも、料理の仕方によって、この葉っぱは使えるような気がした。
ちなみに、小値賀では、ブロッコリーを栽培している農家が約10軒あるそうだ。
そして、柿の浜海水浴場へ。繰り返しだが、本当に海が綺麗で澄んでいる。
沖縄以上に透明度があるのではないだろうか。混んでいる沖縄の海よりも、小値賀の海に行ったほうが、人混みもなくていいと感じる。穴場の海水浴スポットだ。
次に1300年以上も前に建てられた小値賀で最も古い地ノ神嶋神社(ちのこうじまじんじゃ)へ。いくつかの鳥居をくぐり、階段を下り海辺へ行くと、遠くに野崎島(のざきじま)が見える。野崎島の沖ノ神島神社と向かい合わせでつくられている。この二つの神社は、遣唐使の安全な航海を願ってつくられたと言われているそうだ。
あたりの海には、海底調査が入り、遺跡が確認されているそうだ。そんな遺跡が海底に眠っている。海底冒険ができるのに…ダイブスポットにしないのはもったいない。
ちなみに、小値賀では旧石器がみつかり、1万2000年前から人が住んでいたという。
その他、小値賀島には、「牛の塔」という場所がある。昔は小値賀と、この牛の塔があるところは繋がっていなかったが、橋でつなげた。その昔、橋をつくるにあたり、トラック代わりに牛を使って石などを運び、埋めた。
作業中、多くの牛が犠牲になってしまい、人も埋め立てられたとか。
5月以降、島の湿度は関東エリアよりもかなり高く、カビがすごいそうだ。蚊も多い。小蝿(こばえ)のような蚊“ヌカカ(糠蚊)”が、きついそうだ。
このヌカカは、臭い人に集ってくるという。「あー!そういえば!」と思い、2010年10月に行った石川県輪島市の舳倉島(へぐらじま)にいたときに、足にたかってきた小さい虻の話をした。
ハーフパンツを着ていて、虻に足を沢山刺された。そんなことを夕飯中に、話していたら、ぶうさんも舳倉島に行ったことがあると聞いて驚いた。
輪島にいたときでさえ、舳倉島へ行ったことがある人に出会わなかったのに、五島列島で舳倉島へ行ったことがある人に出会うとは思わなかった。
舳倉島で、ぼくらが虻だと思ったものは、どうやらヌカカだったらしい。(舳倉島のストーリーはこちらから)
小値賀の夏は、じめじめしているが、風通しが良いのか、エアコンがなくても生活ができるそうだ。
小値賀の観光が終わり、ぶうさん宅へ帰る途中に、立ち寄った商店が、ペットボトルを花壇として活用していた。
ペットボトルを半分に切って、口の部分を下にして、花壇として天井からぶら下げていた。
ペットボトル…普段、中身を飲み干すと、なんとなく捨てている資源だが、こんな使い方もあるんだなぁっと、ちょっとしたことかもしれないが、ぼくらにとっては新鮮な光景だった。
さて、これからぶうさん宅で、夕飯と飲みだ。
2人に聞きたい話しは山ほどある(続きはこちら)
<前回のストーリー 『day 87.5 森クリーニングの森さん宅での“民泊”の愉快なおもてなし と「汽車、汽車、しゅっぽ、しゅっぽ、しゅっぽ…」と、よくわかならいタイトルの意味… 五島列島・小値賀島で』>
<次回のストーリー 『day 88.1 五島列島 小値賀島 ブロッコリーとカボチャ農家のぶうさんと美保さんのライフスタイル ~“自作”ライフスタイルには“忙しい楽しさ”がある~』>
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