2010-12 Backpacking Shikoku Islands - 四国へのバックパッカー旅

day 45.1 徳島県小松島 『ル・サロン』『国連本部』にも飾られたと話す『阿波おどり』の画家 銭谷誠さんとの出会い ~ “画家として売れるまで…”の25分間の会話 ~

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画家 銭谷誠


 

2010年12月9日(木) – ぼくら田舎バックパッカーは小松島ステーションパークで、犬を4匹連れていたあの画家っぽいおじさんを待つ。(前回のストーリーはこちら

ぼくらのことを忘れてないかなと思っていた矢先、9:00過ぎに、おじさんが赤いワゴンのボルボで到着。彼の名前は、銭谷誠さん。

 

銭谷誠さんとの出会い

銭谷は「ぜにたに」と本来読むようだが、長くて外人が発音しにくいため、「ぜにや」にしたそうだ。

銭谷誠さんは“やっぱり”芸術家だった。

今回の旅で、美術関係の人と出会うのはこれで二度目だ。

彼の息子さんは自転車で旅をして、旅先で出会った人にお世話になっていた。

そんな背景から、ぼくらのような旅人に親切なオファーをくれた。

銭谷さんは徳島出身で、彼の多くの作品は、阿波おどりがほとんど。

「自分が住んでいるところの文化を自分の作品をとおしてPRしたい」と話す。

銭谷さんは動作のあるものを絵で表現することが好きで、阿波おどりの中でも、動いている人の絵を描いている。

今は阿波おどりの絵がメインだが、船も好きで、昔から船の絵をよく描いているそうだ。

画家 銭谷誠

【徳島県 小松島から、伊島への定期船の港がある答島(こたじま)まで「阿波おどり」を描く画家の銭谷誠(ぜにや まこと)さんに送ってもらった。彼の作品は国連本部や国会議事堂にも飾られているそうだ。】

「昔、画家の代名詞には、必ず『貧乏』がついていた」と、銭谷さんは笑いながらぼくに話し始めたことをよく覚えている。

画家の前は土木をして、小松島から徳島市までの道路などの設計もしていたそうだ。

しかし、「人生何をしてもいいけど、やっぱり好きなことをすべきだ」と思い、「絵が好きだから」画家専業でやることを決めたそうだ。

「約50年…画家という職業でよくこれまでやっていけたなぁ」とぼくは思い、「よく『売れる』画家まで辿り着きましたね。どんな秘訣があるんですか?」とストレートな質問をする。

 

売れる画家になる秘訣

銭谷さんは美大に行きたかったが、「美術系の大学は食っていけないからダメだ」と親に反対されたそうだ。(パソコンを使うグラフィックデザインは別に)確かに一般的に美術の中でも“絵描き”で食べることは難しいと考えてしまう。

そんな親の反対から、銭谷さんは美大に行かず、商業を勉強した。もちろん好きな絵も描いたのだろう。

銭谷さんの成功の秘訣はこの大学にある。

「今考えると、大学での交流が大切だった。ぼくの同窓生は商業を勉強している。ビジネスの世界に入り、同窓生たちが出世する。ぼくは彼らと友だちだ。そんな友人が絵を買ってくれるんですよ」と話す。その後、「紹介の紹介でネットワークが拡大していった」そうだ。

絵としても、阿波おどりを描く画家はそう多くない。

銭谷さんとは違い「美大で勉強した人たちは、大学で絵描きとしか会わないから出会いが限られる」と話す。

銭谷さんの話によると、彼の阿波おどりの作品は、ニューヨークの国連本部、国会議事堂などにも飾られているそうだ。

台場にある「船の科学館」には、2点ほど銭谷さんの船の絵が飾られているとのことだった。

国連、国会議事堂、船の科学館など、「ここらに飾られれば皆が見るでしょう。だから、ほとんどが宣伝目的。無料に近い額で売っているんですよ」と話す。なるほど…さすが商業を勉強していただけある。

マーケティングや人とのネットワークをうまく活用したやり方と感じた。

しかし、それでも「プロとして無料で自身の絵を渡すことはしない。お金が絡むと気がひきしまるし、プロ意識が高まり、一生懸命になる」と、銭谷さんは話す。

三味線も好きだったそうだ。動くものを描ける人が少ないなか、銭谷さんは動作がある絵が描ける。フラメンコも描いたりしたそうだ。

銭谷さんの最高の思い出は、300年以上の伝統を持ち世界最古で最大の国際美術展「ル・サロン」に自分の絵が展示されたこと。

「ル・サロン」は毎年、フランスで開催されているそうだ。

最初の展示以来、銭谷さんの作品は毎年「ル・サロン」で展示されているそうだ。阿波おどりは和服を着た女性が踊っている。

日本の魅力ある風景だ。銭谷さんは半年かけて、展覧会の作品を描くそうだ。

こんな話もあった。

「ル・サロン」で飾られた絵について、「君の絵の女性は八頭身だ。日本人は八頭身もないだろ」と、フランス人に言われたことがあった。

ぼくらが銭谷さんからもらった絵ハガキの阿波おどりの女性は、確かに背が高くてすらっとしている。

そんな質問に対して銭谷さんは「ぼくの家族はみんな170センチ以上」と笑いながら返答するそうだ。

銭谷さんの娘はミス四国の代表でもあったらしい。娘さんの身長も170センチあるそうだ。

有名になるきっかけは、「一生懸命描き、継続してがんばること」、そして「ちょっとした付き合いを大切にすることだ」と、銭谷さんは最後に話していた。

銭谷さんと話しているうちに、ぼくらは答島(こたじま)の港に到着してしまった。

ほんの25分の車内での話だったが、銭谷さんの話は、「絵で生きていければなぁ」と一度考えたことがあったぼくにとって、印象深かった。

彼には人とのもともとネットワークがあったかもしれないが、そうだとしても「実力」がなければ成功しない。

そして、「貧乏」になっても、継続して「描く」という好きなことをやり続け、「成功」の道に進もうとしてきたことが、純粋にすごいと感じた。

小松島 セブン スーパー

【徳島県 伊島(いしま)へ行く前に寄ったスーパー「セブン」答島へはJR阿波橘駅(あわたちばなえき)から徒歩5分】

定期船の出航まで1時間以上があったので、荷物を待合所に置いて、歩いて10分先にあるスーパー「セブン」で、淡麗生、お菓子などを購入して答島に戻った。

伊島 フェリー

【徳島県 伊島までの定期船料金は1,000円】

答島 時刻表

【徳島県 伊島⇔答島(こたじま)の時刻表(2010年12月現在)】

アオリイカ 禁漁

【徳島県 伊島でのアオリイカ(水イカ)釣りに関する注意事項 9月30日まで禁漁】

答島へは、JR阿波橘駅(あわたちばなえき)から徒歩5分で行ける。徳島駅から阿波橘駅までは、JR牟岐線(むぎせん)で約1時間。

さて、これから伊島へと向かう…(続きはこちら

<前回のストーリー 『day 45 徳島県 小松島の公園での『グラウンドゴルフ』と『画家っぽい』おじさん』>

<次回のストーリー 『day 45.2 徳島県 四国本土最東端の『伊島(いしま)』へ』>

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1979年1月生まれ、東京生まれ鎌倉と米オレゴン育ち。鎌倉の中学校卒業後、オレゴン州の高校と大学を卒業。現在、石川県鳳珠郡穴水町岩車在住。ソニーやPR会社で広報業務に約10年間携わり、2010年10月、ライフスタイルの選択肢を増やすべく、日本の田舎/地方を中心に、テント・寝袋・自炊道具などを担いだバックパッカー旅を開始。以後2年半にわたり旅を続ける。「テント」ベースから、2012年5月以降は「バン」ベースのバックパッカーになりバンライフ開始。2013年5月、人口約100人の限界集落 能登半島・石川県穴水町岩車に移住。現在は、「田舎への旅」と「田舎でのライフスタイル」の二つを軸に、田舎旅やライフスタイルの情報発信、都市部の人たちが能登の暮らしを体感できる「“ざっくばらん”な田舎ライフスタイル体験」の提供を行なうほか、東京のスタートアップ/ベンチャー企業、移住先・能登や静岡県の中小企業の広報サポート、地域活性プロジェクトサポートにもリモートワークで従事。また、ブログやウェブ制作、写真、執筆活動なども行なっている。移住先で自宅がある岩車の隣の地区 穴水町川尻では、シェアハウス・サテライトオフィスなど多目的・多機能の「田舎バックパッカーハウス」、そこに併設する“住める駐車場”であり長期滞在可能な車中泊スポット「バンライフ・ステーション」も運営。現在、東京の“バンライフ”のCarstay(カーステイ)で広報責任者として関わりつつも、静岡県島田市で幻のきのこ“はなびらたけ”「ホホホタケ」を生産する大井川電機製作所、石川県輪島市では国産漆だけでアート作品をつくる“芯漆(しんしつ)”の山崖松花堂などの広報を担当する。移住先・石川県穴水町岩車で育てられた牡蠣の販売もサポートする。

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