熊本で大きな地震が発生したというニュースを見て、2024年1月1日の能登半島地震を思い出した。
能登半島地震を経験したからか… 最近では、毎回大地震があると涙が出てくる…
あの日、ぼくも被災した一人だ。
幸い、自宅は倒壊を免れたものの、運営するキャンピングカー向けの車中泊スポット「田舎バックパッカーハウス」(石川県穴水町)の母屋は大規模半壊で解体した。
1日以降、大きな余震が何日も続き、「自宅内で本当に寝て大丈夫なのか」という不安は消えなかった。
穴水町内で倒壊する多くの家屋をみたり、遠くから「ゴォ~」と鳴り響く地響きが聞こえる中、自宅内では落ち着いて寝ることができない。
そんな中、ぼくは約1〜2週間、車中泊仕様の車/キャンピングカーで生活した。
もちろん、これは「キャンピングカーがあるから大丈夫」という話ではない。
ぼくが伝えたいのは、災害時には“車中泊”という選択肢を知っておくことの大切さだ。
建物は壊れる。でも、車は倒壊しない。地震で一番怖いのは、建物の倒壊や余震だ。
もちろん車にも危険はある。
津波や土砂災害の危険がある場所では、車の中も決して安全ではない。
しかし、建物のように倒壊して下敷きになるリスクはない。
だが、建物の近くに車を停めないことだ。最悪、建物が車をつぶすことがある。
だからこそ、大きな余震が続く状況では、自宅よりも車のほうが精神的に安心できる人も少なくないと思う。
実際、ぼくもそうだった。
夜になると、「また大きな揺れがきたら…」という不安が頭から離れず、家の中よりも車の中で眠るほうが安心できた。
キャンピングカーがなくても、車中泊はできる
災害時の車中泊というと、キャンピングカーを思い浮かべる人が多いかもしれない。
でも、必ずしもキャンピングカーである必要はない。
ミニバンやワンボックスカーはもちろん、軽自動車やコンパクトカーでも、シートを工夫したりマットを敷いたりすれば、一時的な避難場所として活用できる。
もちろん、キャンピングカーのように快適ではない。
それでも、余震が続く中で安心して過ごせる場所があることは、大きな意味がある。
ただし、車中泊には注意しなければならないことも多い
一方で、「車中泊なら安全」というわけではない。
ぼくが実際に経験して感じたのは、正しい知識がなければ、逆に体調を崩してしまうこともあるということだ。
特に気を付けたいのが、次のような点だ。
エコノミークラス症候群
長時間同じ姿勢で座り続けることで血栓ができ、命に関わることもある。
1〜2時間に一度は体を動かす
足首やふくらはぎを、こまめに動かす
十分な水分を取る
可能であれば足を伸ばして休む
できるだけ、体・足がまっすぐにできる体勢で寝てほしい。
これは特に普通車での車中泊では意識してほしい。
熱中症・低体温症
夏は熱中症、冬は低体温症の危険がある。
窓を少し開けて換気をしたり、日陰を選んだり、防寒対策をしたり、季節に応じた備えが欠かせない。
夏の車中泊は、「我慢しすぎない」ことも大切
夏の車中泊で一番怖いのは、熱中症だ。
避難所でも車の中でも、「エンジンを止めて我慢しよう」と考えてしまう人は少なくない。
もちろん、周囲に車がたくさん停まっている避難所では、排気ガスや騒音への配慮は必要だ。
「隣の人に迷惑かな……」と気になってしまう気持ちもよく分かる。
でも、それ以上に大切なのは、自分や家族の命を守ることだ。
車内が危険な暑さになっているなら、無理をせずエンジンをかけ、エアコンを使う判断も必要だと思う。
一方で、気になるのはガソリンの残量だ。
災害時はガソリンスタンドが営業していなかったり、長い行列ができたりすることもある。
能登半島地震でも、給油まで何時間も待つ光景が続いた。
だからこそ、エアコンは必要なときにしっかり使いながらも、涼しい時間帯は窓を開けて風を通す、日陰へ移動する、サンシェードを活用するなど、少しでも燃料を節約する工夫も大切になる。
「暑いからエンジンを切れない」
「でも、ガソリンも減らしたくない」
災害時は、この二つの間で悩むことになる。
だからこそ、普段から燃料はできるだけ半分以下にしない、モバイルバッテリーやポータブル電源、小型ファンなどを備えておくと、いざというときの選択肢が増える。
ぼく自身、能登半島地震を経験して感じたのは、「我慢」よりも「命を守る判断」を優先することの大切さだった。
災害時に100点の避難なんてない。そのときの状況で最善を選ぶしかない。
だからこそ、「車中泊は危ない」「エンジンは絶対にかけてはいけない」と決めつけるのではなく、その場の環境や体調を見ながら柔軟に判断することが、命を守ることにつながると、ぼくは思っている。
トイレを我慢しない
「トイレに行きたくないから」と水分を控えてしまう人も少なくない。
しかし、それが脱水やエコノミークラス症候群の原因になることもある。
水分はしっかり取り、トイレの場所も事前に確認しておくことが大切だ。
トイレが使えない場合、最悪、“その辺”に隠れてしちゃってほしい。
ぼくら家族は地震の畑や庭をトイレとして使っていた。
車中泊は「最後の手段」ではなく、「備え」の一つ
避難所へ行く。
親戚の家へ避難する。
ホテルを利用する。
そして、車中泊をする。
どれが正解ということではない。
そのときの状況によって、最適な避難方法は変わる。
だからこそ、「車中泊も選択肢の一つ」と知っておくだけでも、災害時の安心感は大きく変わる。
能登半島地震で実感したこと
能登半島地震では、全国からキャンピングカーが支援車両として集まり、多くの人を支えた。
ぼく自身も、約1〜2週間、キャンピングカーで生活した経験から、「車」が命を守る場所になることを実感した。
「田舎バックパッカーハウス」が拠点となり、全国各地から駆けつけてくれた多くのCarstay(カーステイ)のキャンピングカーを奥能登エリアへと配車した。
普段は旅行やアウトドアで使われる車も、災害時には大切な避難場所になる。
だからといって、キャンピングカーを持つ必要があると言いたいわけではない。
まずは、自分の車でどんな車中泊ができるのか。
フルフラットになるのか。
毛布やマットは積んであるか。
非常食や飲み水はあるか。
そんなことを一度考えてみるだけでも、防災への備えは大きく変わる。
地震は、いつ、どこで起きるか分からない。
だからこそ、「もしもの時、自分はどこで寝るのか」。
その答えの一つとして、「車中泊」という選択肢を、ぜひ覚えておいてほしい。








































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