Whisper - つぶやき

【能登の田舎からのつぶやき】キリコ祭りになると若者が帰郷、本当に望むのは「祭りの日」だけじゃなければ…

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奥能登の夏になると、不思議な光景が広がる。

先日、能登町の「あばれ祭り」を皮切りに、珠洲市、輪島市、穴水町、能登町など、奥能登各地でキリコ祭りが始まった。

すると、普段は静かな町に、県内外で暮らす若者たちが次々と帰ってくる。

祭りの日だけは、「えっ、こんなに若い人がいたの!?」と思うほど町が一気に活気づく。

子どもの頃に一緒だった友人同士が再会し、祭りの準備をし、キリコを担ぎ、夜遅くまで語り合う。

その光景を見るたびに、ぼくは毎年同じことを思う。

これだけの若者たちが、祭りの数日間だけじゃなく、この地域で暮らしていたら、奥能登がどれだけ活気づくか、と。

もちろん、そんなに単純な話ではない。

仕事、収入、子育てなど。

故郷から出た先で築いた生活を簡単に手放せるわけじゃない。

だから「帰ってきて暮らそう」と簡単には言えるわけではない。

でも、それでも思うんだよね。

祭りになると帰ってきたくなる。

故郷が好きだから帰ってくる。

仲間がいるから帰ってくる。

そんな「帰ってきたい場所」が残っていること自体、実はものすごく価値があることなんじゃないかと思う。

人口減少ばかりが話題になる奥能登だけど、この数日の短期間だけは未来が見える。

地域には、まだこれだけの人とのつながりが残っている。

まだ「帰る場所」がある。

まだ「ふるさと」がある。

そう考えると、少し希望が湧いてくる。

ぼく自身、移住して10年以上になる。

普段は静かな奥能登も好きだけど、この季節だけ見られる熱気も大好きだ。

キリコの明かり。

太鼓の音。

威勢のいい掛け声。

そして、笑顔で再会する若者たち。

この景色は、単なる夏祭りじゃない。

奥能登の未来を映している景色なんだと思う。

だからこそ願う。

祭りの日だけではなく、この地域で暮らし、働き、子育てをする若者が少しずつでも増えていけばいい。

一気に人口が増えることなんてない。

でも、一人増え、二人増え、その積み重ねが10年後、20年後の奥能登を変えていく。

キリコ祭りは地域の伝統文化であると同時に、「帰りたい故郷」が今も残っていることを教えてくれる、大切な時間なんだと思う。

いろいろとつぶやきながら、ただ、最後に言いたいことは、ある程度の人が定住しなければ、地元が廃れるのは時間の問題。

遅かれ早かれ、スーパーが撤退したり、学校は廃校になったり、バスなどの公共交通機関がなくなってりする、などなど故郷は住みにくくなってしまう。

忘れていけないのは、“ある程度の人数が定住”しなければ、祭りで帰ってくる故郷すらなくなってしまう。

自身の故郷へ戻る、気に入った田舎へ移住したい、そう思い行動をおこしたとき、その故郷・田舎は存続しているだろうか。

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1979年1月生まれ、東京生まれ鎌倉と米オレゴン育ち。鎌倉の中学校卒業後、オレゴン州の高校と大学を卒業。現在、石川県鳳珠郡穴水町岩車在住。ソニーやPR会社で広報業務に約10年間携わり、2010年10月、ライフスタイルの選択肢を増やすべく、日本の田舎/地方を中心に、テント・寝袋・自炊道具などを担いだバックパッカー旅を開始。以後2年半にわたり旅を続ける。「テント」ベースから、2012年5月以降は「バン」ベースのバックパッカーになりバンライフ開始。2013年5月、人口約100人の限界集落 能登半島・石川県穴水町岩車に移住。現在は、「田舎への旅」と「田舎でのライフスタイル」の二つを軸に、田舎旅やライフスタイルの情報発信、都市部の人たちが能登の暮らしを体感できる「“ざっくばらん”な田舎ライフスタイル体験」の提供を行なうほか、東京のスタートアップ/ベンチャー企業、移住先・能登や静岡県の中小企業の広報サポート、地域活性プロジェクトサポートにもリモートワークで従事。また、ブログやウェブ制作、写真、執筆活動なども行なっている。移住先で自宅がある岩車の隣の地区 穴水町川尻では、シェアハウス・サテライトオフィスなど多目的・多機能の「田舎バックパッカーハウス」、そこに併設する“住める駐車場”であり長期滞在可能な車中泊スポット「バンライフ・ステーション」も運営。現在、東京の“バンライフ”のCarstay(カーステイ)で広報責任者として関わりつつも、静岡県島田市で幻のきのこ“はなびらたけ”「ホホホタケ」を生産する大井川電機製作所、石川県輪島市では国産漆だけでアート作品をつくる“芯漆(しんしつ)”の山崖松花堂などの広報を担当する。移住先・石川県穴水町岩車で育てられた牡蠣の販売もサポートする。

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