“住める駐車場”で車中泊スポット兼シェアハウス「田舎バックパッカーハウス」(石川県穴水町川尻)母屋の解体はほぼ終盤に近づいてきた。
母屋内部の柱が斜めになり、基礎がずれ、「大規模半壊」の罹災証明を受けた「田舎バックパッカーハウス」は解体開始後10日以内に更地となる。解体が始まったのは先週の9月10日(こちら)
今日でリビングとダイニングの床が全て取り外され、コンクリートのブロックの基礎も掘りおこされ始めた。おそらく今日で建物の解体は全て終わることだろう。災害ゴミのトラックは4トン。これまでで災害ゴミ処理場からここ田舎バックパッカーハウス間、30回往復ぐらいしたのだろうか。
今週で「田舎バックパッカーハウス」母屋での思い出はここまでか…
リビング、シャワー室の床は去年 完成したばっかりだが、いかにも簡単に剥がされていった。
庭にある椿、柿の木が、駐車場から眺めよく見られるような状態に。母屋の跡地はそこそこ深い。土だけ。
今後、この更地を埋めるには、そこそこの時間と費用がかかるだろうなぁ、と思いながら見つめる。
「復興」「復興」「復興」と元旦から思い続けていたものの、解体が始まると、振り出しに戻された感じがしてならない。
「復興」に向けて、進んでいるのか・いないのか、「復興」の意味がわかっているのか・わかっていないのかという複雑な気持ち。
解体が終わり、全てが整い、元に戻ってからが本当の「復興」「再起」が始まる。
ぼくのようにそう考えている奥能登の人たちが沢山いるんだろうなぁと思いながら解体の日々が終盤に近づいている。
【1年半前に改修した玄関、リビング、そして、去年 改修したばかりの脱衣室のフロアがめくられ廃材に… 他の部屋のフロアもいずれ改修しようと思っていたのだが、今となっては段階的に改修していてよかったと思っている】
この日はとうとう、キッチン、リビング、ダイニングのスペースが解体されていった。
災害レベルが“最悪”5段階中、4になってしまい、母屋と同様、ダメージがひどかった合併浄化槽も解体に入る。
いつもお世話になっている穴水衛生社がきて、浄化槽の中身の汲み取りも始まった。
合併浄化槽は10人槽の大きいタンク。1回の汲み取りでは終わらなかったので、最終日にもう一度来て、汲み取る予定とのこと。
穴水衛生社の方からは、「もっと多くのキャンピングカーが車中泊できるようになっていいですね!」と言われた。彼もポジティブ派の一人だなと笑いながらお話しする。
確かにそのとおりで、駐車場が広くなり、これからより多くのキャンピングカーを受け入れられることができるので、その点に関してはぼくもすごくポジティブ。震災直後に考えていたことを思い出す(こちら)
穴水衛生の代表にも聞かれたが、母屋にあったトイレ、浴室、キッチン、洗面所は納屋/ガレージに集約する。
明日から再び三連休。
通常だと土曜まで現場作業をするそうだが、金曜日からひどい大雨予報なので、今週の三連休も解体作業はお休みとなる。
解体作業員の一人は今週末、岐阜に戻って畑の作業をするそうだ。みんな様々な理由があっていろいろな作業をしている。
そんなお話しを聞き、ちょっとほっこりして、16:30から予定の「穴水町復興未来づくり会議」に出席するために、ぼくは「田舎バックパッカーハウス」を後にして、穴水町役場へと向かった。
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