今日は、去年書いたまま下書きに眠っていた記事を紹介したい。
2023年の記事なのだが、このタイミングで公開することにした。
記事にはこんな内容が書かれていた。
|
◆ 60代夫が青ざめた…自宅を売って1000万円で「美しい農村」に引っ越し、家庭が崩壊した夫婦の悲劇 |
「今年67歳になる三浦邦彦さん(仮名)は、定年後、田舎暮らしがしたくて、5年前に東京の自宅を売り払い、妻と二人で山梨に引っ越した」
この記事を読んだとき、ぼくは正直、
「これは、かなりハードルが高いだろうなぁ……」
と思った。
もちろん、60代から田舎暮らしを楽しんでいる人もたくさんいる。
だから年齢だけが問題ではない。
ただ、能登で10年以上暮らしてきたぼくの実感としては、長年積み重ねてきた生活習慣や価値観を変えることは、年齢を重ねるほど簡単ではなくなる。
ぼくの感覚では、人って30歳前後には自身の固定概念ってやつが脳から体全体に染み付いてしまっていて、「こんな田舎の当たり前があってもいいよね」など田舎だけでなく異なる文化や考え方を持った順応性に優れた人や、芯が強い人、しっかりと強い意見が言える人、1人になってもやっていけるって人であれば、大丈夫だろうけど、多くの60代の人は「これを行うときはこうすべき」的などの固定された考え方が、60年以上染み付いてしまっているわけで、自分以上の当たり前を受け入れられない状態になってしまってる。
元々、自身の田舎で生まれ育ち、60歳になって田舎に戻った人と、60歳以上になって全く経験がない田舎に移り住むって、違うからね。
なぜ、難しいのか?
年齢ではなく「固定概念」が移住を難しくする
ぼくは30代くらいになると、多くの人の中で「自分の当たり前」が完成してくると思っている。
「生活とはこういうもの」
「近所付き合いとはこうあるべき」
「静かな暮らしとはこういうこと」
そんな”普通”が少しずつ出来上がっていく。
それ自体は悪いことではない。
でも、その”普通”が強くなればなるほど、自分とは違う暮らし方を受け入れるにはエネルギーが必要になる。
だからこそ、田舎移住では「柔軟性」が何より大切だと思う。
故郷へ戻るのと、初めて田舎へ移住するのは全く違う
田舎で生まれ育ち、一度都会へ出て、定年後に故郷へ戻る人。
一方で、都会で生まれ育ち、60代になって初めて田舎へ移住する人。
この二つは、似ているようでまったく違う。
後者は、生活環境だけでなく、地域文化、人付き合い、自然との距離感まで、一から覚えていかなければならない。
「カエルの鳴き声裁判」が教えてくれること
|
◆ 〈カエルの鳴き声は騒音?〉モンスター住民の苦情に農家も困惑「雑草が生えるから農薬を使え」「肥料が臭い!」「田んぼの畔が景観を乱している」過去にカエル騒音は訴訟に発展した例も ※リンク先の記事がなくなったため、リンクは削除しました。 |
以前、東京都板橋区でこんな裁判があった。
住民が隣家に「カエルを駆除してほしい」と求めた裁判だ。
結果は、
「東京都板橋区の住宅街で起きたこの騒音トラブルは、住人の男性が隣家に『すべてのカエルの駆除』と75万円の損害賠償を求めた訴訟でした。これに対し東京地裁は原告側の請求を『カエルの鳴き声は自然の音の一つで、我慢すべき限度を超えているとはいえない』として全面的に棄却する判決を出しました」
「カエルの鳴き声は自然の音であり、受忍限度を超えていない」
として請求は棄却された。
この記事を見て思った。
都会で暮らしている人の中には、自然の音よりも人工的な音に慣れている人もいる。
一方、田舎ではカエルや虫、鳥の声は生活の一部だ。
どちらが正しいという話ではない。
育ってきた環境が違えば、「普通」も違う。
田舎移住とは、その”普通”を受け入れられるかどうかでもある。
|
◆ 【田舎暮らし歴約10年が語る】都会生活に慣れすぎると… 田舎の一人時間に耐えられない |
実は田舎の人も都会では苦労する
逆も同じだ。
静かな田舎で暮らしている人は、都会へ行くと車の音や救急車のサイレンで眠れなくなる人もいる。
つまり、人は環境に順応する生き物である一方、慣れた環境を離れることには大きなストレスが伴う。
ぼくがおすすめするのは「お試し移住」
だから、ぼくは昔から、
「いきなり移住するのではなく、まずは田舎を体験すること」
をおすすめしている。
移住するのであれば、冬などの寒くて厳しい季節に、1カ月田舎暮らしを体験することだ。
そのやり方として、例えば、
・車中泊
・キャンピングカー旅
・バンライフ
・二拠点生活
これらは、田舎移住の予行演習になる。
何日も暮らしてみると、
「意外と自分には合う」
「これは無理だ」
ということがよく分かる。
ホテル旅行では見えない、リアルな田舎暮らしが見えてくる。
まとめると…
田舎移住で大切なのは、年齢ではない。
もちろん若いほうが環境への適応はしやすい。
しかし、本当に重要なのは、
「自分の当たり前を一度リセットできる柔軟さ」
なのだと思う。
そして、その柔軟さを身につける一番の近道は、いきなり移住することではない。
まずは、なんども田舎へ足を運び、車中泊やキャンピングカー旅、二拠点生活などを通じて、その土地の暮らしを体感することだ。
そして、地域の人たち、異なる文化に住む人たちと積極的に交流すること。
ぼく自身、能登で10年以上暮らしてきて強く感じるのは、**「移住は住む場所を変えることではなく、自分の『当たり前』を少しずつ広げていくこと」**なのだということだ。






































この記事へのコメントはありません。