この日午後は、秋葉博之さんと洋子さんと、輪島にある漆界最強と言われている『芯漆』の見学へ。
秋葉さん夫婦は、長期滞在できる車中泊スポットで、“住める駐車場”「バンライフ・ステーション」とシェアハウス「田舎バックパッカーハウス」に滞在中の家売却型の本格バンライファー夫婦。2020年1月末に、キャンピングカー暮らしを開始した。詳しくはこちら。
「芯漆」とは、作品に下地を一切使わず、芯から表面まで国産漆を使い、アート作品をつくる技法。
通常の漆器で有名な輪島塗、京漆器、会津塗などでは下地に木地を使い、その上に漆を塗るが、「芯漆」では一切下地を使わない。その他にも乾漆などの技法もあるが、それらには漆に、麻布や和紙などがミックスされている。
芯漆では、何十もの層の漆を塗っては乾かし/硬化させ、それを繰り返し、その後、削ったり、磨いたり、デザインするなどして完成させる。
従来の輪島塗には、ほんの0.01ミリほどの漆が木地に塗られている程度だが、「芯漆」では0.7ミリ前後の厚さをもつ作品ばかり。
「芯漆」作品の完成には、最低でも7年〜8年かかる。普通に考えると、気が遠くなるお話しでコスパいいの?!と思ってしまうことだろう。
しかし、本人たちは、それよりも、今後いかに漆文化を世に残すか、そこに熱い想いをもって取り組んでいる。
しかも、驚かされるのは、漆の厚さ、年数だけでなく、きめ細かいデザインだ!
特にこの菊の花を彫ったデザイン力は半端ない!
見てやってみよう!と一つの菊を描くだけで、気が狂いそうになる。一体これには何個の菊が描かれていることやら…
本人たちはこのデザインができる職人はいないと言うほど。たとえ人間国宝に指定された人たちでも、これほどのデザインはできない職人技と自信を持っている。
下地で木地を使うと… 腐る?劣化する?割れる?
下地で木を使ってしまうと、たとえ漆を塗っても、木は割れたり、腐るなどして、いずれ経年劣化する。
異なる気候環境下、木は割れてしまうこともある。
例えば、ヨーロッパの観光客が、日本で従来の漆器を土産として購入し、自国へと持ち帰ると割れてしまうことが多々あるそうだ。
だが、漆のみであれば、漆は永遠と残ると言われている。
その一つの“証拠”として、鳥浜貝塚で出土した漆塗りの櫛がある。櫛の形状にした木に漆を塗ったもの、木は腐っていたが塗料として塗った漆は腐っていなかった。
また、漆いわゆる樹液なのだが、その性質は、垂れた樹液に虫が入ってしまい固まって出土する「琥珀」と同じと言割れている。
琥珀は何千年も前のが発見されているわけで、それと漆の性質が同じであれば、漆を固めたモノも同じ年数、長持ちするということになる。
「芯漆」は、それだけスゴイ作品なのだ。
【縄文人などの先祖は、漆の“強さ”など漆に関する知識を、足長バチから得たと言われている】
【表紙の写真: 芯漆のぐい吞み。漆は有機物質。塗って硬化してもまだ生きていることから、光をプリズムのように反射させる。その偏光性は漆の特長の一つなので、デザインに凸凹を取り入れている。山崖松堂さんのデザインには「宇宙」をイメージするものが多い】
芯漆のホームページはこちら |
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