能登での最終1週間、コナー・ジェサップ(Connor Jessup)くんは自身初となる長編映画の執筆に行き詰まっていた。
彼が書いている内容は『フィクション』で、自身オリジナルのアイディアで脚本、物語を作り上げなければいけない。
全てが創作。ぼくも同様に書き物をしているわけだが、『ノン・フィクション』で、全てが事実や実体験がベースのオリジナル作品。
ノンフィクションとフィクション、どちらも、自身が経験した実体験などがベースになっていることに変わりはないだろうが、相当な創造力を要するのが「フィクション」だろう。ゼロからシナリオを創らなければいけない。
コナーくんのカナダ出発日は8月16日夕方で、当初、その午前中に能登を出発する予定だった。
しかし、予定していた出発日の2日前の昼過ぎ、コナーくんは突然、「イク、今、かなり、執筆に行き詰っているんだ… 今日午後、能登を出発して、北鎌倉にある小津安二郎(おづ やすじろう)監督のお墓参りに行こうと思う」と突然 キッチンでコーヒーをつくろうとしていたぼくに伝えてきた。
小津安二郎さんは映画「東京物語」で有名な監督。コナー・ジェサップくんが尊敬する監督の一人だ。能登滞在中、ジブリの宮崎駿監督や是枝監督についても、頻繁に話していたし、宮崎駿監督に関する英語の本を読んでいた。
ちなみに、鎌倉はぼくの出身地なので、この話しのとき、なにかと“つながり”を感じた…
行き詰まったときは、なにかをしなければいけない…気持ちはわかる。「そこでなにか発見するもの、得られるものがあるはず…」という直感からだ。
そして、「能登滞在はホント最高だったのに、この行き詰まり感のまま、日本を出発したら、すっきりしない。カナダへ帰る前に、“なにか”を変えなければいけない」と、その直感を信じて1日早く、能登を出発することになった。
それを打ち明けたとき、その日の午後出発すると言っていたが、気が変わり、最終的に穴水町の出発は、カナダ出発の前日の朝となった。
どんな“舞台”にいようと、社会的に「すごい」と見られている人でも、誰にでも行き詰まるときがある。全てが全てうまくいき、ハッピーなモーメントではない。
嬉しいとき、楽しいときもあるが、極端に言えば、ほとんどが、苦労の日々の連発なのかもしれない。
ここ1週間、そんな表情をしていたコナーくんだった。
だが、それでも突き進もうとする気持ちと精神が、ものすごい才能なんだと感じる。
最初から「なんでもできる人なんていない」が、とにかく、がむしゃらになって進む継続力、諦めない気持ちで進む。
コナーくんの田舎の仕事場「クリエイター向けワークスペース by 田舎バックパッカー」使用期間は約1カ月。
彼はは8月15日、自分の進む道べき道を信じて、午前7:59穴水駅発ののと鉄道の列車で穴水駅を出発した。
やっぱり、“旅人”との別れというのは寂しいもの…素直にワンワン泣いていたのは結生だった。
結生と遊び、触れ合い、結生との交流から、先日の新聞の取材中、「結生といると“素直”“正直”ってどんなものなのかを学ぶよ」「世界ってまだまだ悪くない、希望があると感じた」「正直言うと、結生から一番 刺激を受けたよ」と話していた。(コナーくんに関する新聞記事はこちら)
コナーくんからは、いくら有名人でも、普通に行き詰まるときがある、どれだけ頑張り、自身に到来した“良い”“悪い”問わずあらゆる機会を拒まず自身に取り入れるか…ってことを改めて実感した気がする。
また、いつの日か、能登へと戻ってくることだろう。
能登で脚本執筆に集中した映画は、来年夏ごろから撮影開始する予定だ。
なんらか能登の要素が入っているといいなぁ〜。
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