今年、“里山”シンガーソングライターのChoji(チョージ)さんは、築400年の歴史ある「天領庄屋 中谷家(てんりょうしょうや なかたにけ)」での「里山夕涼みライブ」のために、能登へとやってきた。
チョージさんは今回、『風と土』ツアーと題して、8月20日の能登でのライブを皮切りに、北は秋田から、南は熊本まで行き、最後は、広島でツアーを終える。
チョージさんは1975年12月生まれ、現在42歳の“里山”シンガー・ソングライター。神奈川県横浜出身・育ち。
2011年に、和歌山県の田舎で田んぼを始め、2013年に三重県松坂市に引っ越したが、『定住』という感じではなく、横浜や三重、今回のような能登など、交流地域への行き来の“旅”と、そこでの音楽ライブがベースとなったライフスタイルを過ごしている。
最近は、三重県津市美杉町に、古民家と田んぼを購入したので、そこを拠点にした新たなライフスタイルを始めようとしているそうだ。
サラリーマン/会社員歴はない。ミュージシャンとして約20年…音楽の道をひたすら“旅”している。
『音楽』をとおして、地域と浅く深く交流し、自身を『風』、旅先の『土』地の上で暮らす人を『土』と表現して、今回新たにつくった音楽アルバムを『風と土』と題した。
今回、そのツアーの始まりが能登からとなったわけだ。
チョージさんが作詞作曲し、弾き語る主なテーマは、“ざっくり”田舎バックパッカー風に言うと、“田舎”だ。
田舎、その土地で体感したことなどを歌にして、みんなへとストーリーを届けている。
田舎/地方で日々見かける軽トラック、田んぼ、おばあちゃんのカート/バギーなどなど、田舎の人たちが、わくわく楽しくなり、“感動”するような曲が多い。
チョージさんは、田舎や里山などに、こだわり、目指したわけでもない。
田舎や都会での暮らし、どちらが良い悪いではなく、ただ単に、これまでの出会いや経験が、たまたま田舎につながった。
それをベースに歌を書いている。
「都会の日常を題材にすることはあるが、そこには風土がない…のかもしれない」と感じているそうだ。
「「歌というものはその土地の日々の暮らしから生まれるもの。『風土』というのは、自然と共にある地域の暮らしから生まれる…そんな内容の歌を目指してる」と話していたチョージさんだった。
やりたいことの“道”へと進んでいる人の考え方や言い分というのは、実にシンプルでわかりやすい。
繰り返しだが、都会や田舎が良い悪いということではない。
ただ、『田舎』には、『人』からだけでなく、大自然から感じられる「癒し」「落ち着き感」などが加わり、人と自然が触れ合う『暖かみ』を感じることができる。
田舎では、人と自然が触れ合い共存する、お互いが調和しなければ、そこでのライフスタイルが存在しないのかもしれない…
これは暮らしてみてようやくわかること。定量的かつ論理的にには表せない。
チョージさんの想い・考え方は、彼の曲を聴いてみると、その内容から感じ取ることができるだろう。
田舎/地方での“ちょっとした”暮らしで日々見かける軽トラック、田んぼ、おばあちゃんのカート/バギーなどなど、田舎の人たちが、わくわく楽しくなり、“感動”するような曲が多い。
曲名も「キヨちゃんのバギー」「田んぼオブザワールド」「軽トラでゴー」などと、“田舎”らしい。
田舎に移住した旅人としては、「なんだそのタイトルの曲!?」と、実際の曲が気になってくる…
チョージさんは2010年から「金蔵万燈会」でライブを始め、2011年に万燈会のオリジナルテーマソングを作曲し披露した。
ちなみに、ぼくがChojiさんと出会ったのは、2014年、チョージさんが「金蔵万燈会」でライブをした数日後、のと鉄道が、展示列車「のと恋路号」で開催した「のとてつライブ」でのチョージさんのライブにて。
ちなみに、「のと恋路号」は10年以上前、能登半島の先端 珠洲方面まで走っていたパノラマカーの急行列車。
【2014年8月に開催されたのと鉄道の「のと恋路号」での音楽ライブ】
のと鉄道でのライブ後の翌年 2015年と2016年に、チョージさんとぼくは、「金蔵万燈会」で再会した。
2017年から 金蔵万燈会は中止に
チョージさんは毎年、輪島市の金蔵地区で開催される「金蔵万燈会」でライブを行っていた。
「金蔵万燈会」では、約3万個のろうそくを毎年村中に灯していた。詳しくはこちら。
しかし、今年の「金蔵万燈会」は中止。
チョージさんに聞いたところ、金蔵地域の高齢化が背景で、祭りの維持が困難となり、残念ながら、今年の「金蔵万燈会」は中止になったそうだ。
来年の開催を期待したいところだが、地方/田舎のお祭りというのは、中々、維持・継続が難しいのが現状。
ぼくの移住先の岩車のキリコ祭りでも、だんだんと担ぎ手が減ると同時に、キリコの数も減り始めている。
だけど、無理をせず、個人でも、小規模であろうと、いかに楽しく継続・維持していくのかが、重要になってくるんだろうね。
● 2016年の『金蔵万燈会(まんとうえ)』と音楽ライブ |
今回、チョージさんの能登でのライブは、「金蔵万燈会」の中止により、無くなるかもしれなかったが、2016年の「金蔵万燈会」で、チョージさんと結花がつながり、結花が今回、チョージさんのライブを企画。
「中谷家」のオーナー 中谷さんや地域のおばちゃんたちに“細かく”支えられ、能登「中谷家」でのライブが実現となったのだ。結花もそこで自身が好きな徳島県神山町の歌姫 宮城愛ちゃんの曲を披露したり、チョージさんと万燈会の曲を歌った。
チョージさんは能登を発った後、富山、新潟、山形でのライブを行い、明日、秋田の「大曲の花火」でのライブに挑む。
チョージさんは来年、テーマソングを作曲・作詞した「金蔵万燈会」で、ライブをすることができるのだろうか…
8月26日(土)は、日本三大花火大会の一つで大正・明治時代からの歴史ある「大曲の花火」でのライブだ。
花火通り商店街特設ステージで、進行やトークステージを担当し、11:30から、チョージさんのライブが始まる。
遡ること2015年、外者の田舎バックパッカーが、「中谷家」の中谷直之(なかたに ただゆき)さんと、蕎麦屋「そばきり 仁」の小林仁(こばやし じん)さんを紹介、中谷家がプラットフォームとなったビジネスが始まり、中谷家が随時オープン状態になった。まぁ、ホントお互いの紹介のみで、あとはお二人任せだが…
江戸時代、能登には幕府管轄の「天領」が62ヶ村あった。黒川もその1村。江戸幕府直轄の領地、奥能登・黒川地区の経済的基盤として江戸幕府を支え地域の年貢徴収などを責任者だった「中谷家」。司法権や行政権を持った天領庄屋を代々務めてきた。
「中谷家」は歴史的背景や役割を背負い、それを『現代版』に切り替え、新たな時代を歩み始めようとしている。
● 『そばきり 仁』、 能登の“ちょい”世界遺産的な屋敷…築約400年の天領庄屋『中谷家』で再オープン ~ “深味あるIターンとUターンおじちゃん”の奥能登コラボ ~ |
【2017年7月29日の和歌山県筒香(つつが)での「田んぼオブザワールド」のライブ】
【2017年4月29日の福島県西会津 春の縁側カフェコンサート】
【2014年8月に開催されたのと鉄道の「のと恋路号」での音楽ライブで記念撮影】
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