能登・七尾市鹿渡島漁港 – さて、6:30過ぎに、中山雅貴さん、森山明能さん、大西友世さん、高橋奈々さんたちが漁港へやってきて、鹿渡島定置の具体的な取り組みの解説が始まった。
アレンジしてくれた森山明能さんのお陰で早朝からをスッキリした朝を迎えているぼくだ。
ソニー・・ピクチャーズの中山さんとの再会は6〜7年振り。その再会場所が漁港、そして漁港見学をしながらってのが、またいい感じ…田舎ならではの待ち合わせ場所である。(前回のストーリーはこちら)
そもそも鹿渡島漁港とは?
鹿渡島漁港で漁業を営む株式会社鹿渡島定置網は、2014年(平成26年)に、「ふるさとづくり大賞」の中から最高位の内閣総理大臣賞に選ばれた。
前回のストーリーでも書いたとおり、鹿渡島定置網では活け締め、神経締めなどによる魚の鮮度管理に全力を尽くす取り組み、獲った魚の素早い加工、それら魚や加工品のネット販売、道の駅に店舗を設けて販売するなど、直販ルートの拡大も行っている。
いわゆる、鹿渡島定置の「6次産業化」への取り組みが評価されたのだ。
【会社は社員を愛し 社員を守る!社員は会社を愛し 会社を守る!知恵を出せ。知恵を出せない者は汗を出せ、知恵も汗も出せない者は、黙って去れ。自分らしく生きよ、自分の取り得を出し、楽しくイキイキと働きなさい。言われるままでなく、自ら考えて働きなさい。仕事とは、分かってくると楽しくなる筈、そうなったら、あなたは一人前の漁師です。】
また、会社として組織化するなどもして、30代の若手の雇用にも積極的だ。今後、定置網漁見学/体験なども視野に入れて、そこからの収入も得ようと取り組もうとしている。
神経締め/活け締めをメインに、ブランド構築を図ろうとしている。
脱血/血抜きによる活絞め、神経絞め、適温管理による消費者が得るメリットとは?
魚の脱血による活締め、神経締め、その後の適温管理などの一連のプロセスは一言でいうと、鮮度を保たせ、最高の状態の魚をお客さんに届けるために行っていること。
最高の鮮度の魚が、お客さんのもとに届く…それが最高のメリットだ。
まず、魚のエラなどに刃を入れて、血管を切り、血抜き/脱血ですることで、生臭さの進行を抑える。
そして、針金などで、魚の脳から背骨への神経に刺して、延髄と中枢神経を破断する。そうすることで、魚はいかにも生きているかのような状態で死、死後硬直の進行が大幅に遅れ、新鮮さが長持ちするのだ。
そして、海水の氷「海氷シャーベット」を使うことで塩分濃度を維持して、鮮度を保ちながら出荷する。
魚がダイレクトで氷に触れ、冷やしすぎると死後硬直が進むんでしまうため、魚を特殊な銀ラップで包み、発泡ケースの中に入った氷の上に置き、封をするなどの工夫をして、出荷を行っている。
これらを行うことで、魚独特の臭みがはるかに低下すると同時に、魚の鮮度は2~3日違ってくる。
鹿渡島定置では常に、最高の鮮度の魚を、消費者の手元に届けるための研究・工夫に関する試行錯誤行を行っているのだ。
漁港から遠隔地への配送の際、これら鹿渡島定置の手法はかなり役に立つようだ。
しかしながら、神経締めは魚の頭が傷つくことから、「傷つきもの」扱いとなり、売り物にならないと考える業者も少なくはないそうだ。
現場と仲介業者の考え方のギャップがある。
だが、“食”に敏感な現代だからこそ、『鮮度』や『質』は重要で、鹿渡島定置に賛同する消費者は多いことだろう。
鹿渡島定置では朝獲れ魚をさばいた、漁師の朝食をいただき…漁の現場に行きたくなるような定置網に関する説明もしてくれた。それに関しては、いずれ別途動画を制作しようと思う。
そんなこんなで…あっという間に9:00になり、中山さんとぼくの約2時間半の再会は終わったのだった。
【海に設置してる定置網模型を使って、定置網の説明をしてくれた。その解説に関しては別途動画制作しようと思っているので、ちょいお待ちを】
【鹿渡島定置の社長 酒井秀信(さかい ひでのぶ)さんと記念撮影】
ソニーでの“つながり”に感謝…
少し余談にはなるが…
能登に移住して3年半が経つ。来年5月でもう4年だ。
移住後、中山さん以外にも平均月一回ぐらいというかなりの頻度で、当時ソニーで一緒に働いていたメンバーや、メンバーの友だちなどが能登へ来て、「“ざっくばらんな”田舎ライフスタイル体験」に参加してくれたり、ぼくらバックパッカーファミリーを訪問をしてくれる。
数回来ているリピーターも多い。
この“つながり”からの能登への訪問は本当に素晴らしいことと、最近深く感じるし、感謝の気持ちで一杯である。
東京や出身の鎌倉にいたら、おそらく、ちょくちょく、みんなと会い、飲みに行っていることだろう。
しかし、離れているからこそ、このソニーのスゴさ“つながり“を体感することができるのかもしれないなぁ~っと思う今日この頃だ。
ソニー本社で広報をしていたとき、広報のトップであり、現在はソニーの執行役員でもある神戸司郎さん、部長だった田中久美恵さん、課長だった大曲昌夫さんが「ソニーで出会ったつながりは、自身の人生の貴重な財産だよ」と心温かい感じで言っていたことを思い出す。
仕事でつながることもあったり、「“ざっくばらんな”田舎ライフスタイル体験」でつながることもあったり、この“つながり”に本当に感謝だ。
今回のつながりのきっかけをつくってくれた背景のソニーにも感謝である。
今日は中山さんのお陰で…とにかく…なぜか今になって…今日とこれまでのソニーからなる不思議な“つながり”の力に感謝をものすごく感じた日、そして上で書かせてもらった元上司に「久しぶりに会いたくなってきたなぁ~」と思う日でもあった。(続きはこちら)
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