能登・穴水町(石川県) – 穴水町は明日2015年3月1日、穴水駅前に「穴水町物産館 四季彩々(しきさいさい)」をオープンする。「四季彩々」はのと鉄道により運営される。
穴水駅はのと鉄道の終点だ。これまで、終点と言えども、穴水駅近辺には能登の土産を購入できるスポットがなく…「どこでお土産を購入したら良いのか?!」などと多くの観光客は困っていたわけだ。
穴水駅から数百メートル歩くと、穴水の土産を取り扱うお店に辿り着くが、穴水駅構内を出て周りを見渡す限り、「駅周辺にはなにもない…」と言っても過言ではない。
「終点に到着して…駅の外に出ると“なにもない”は奥能登全体にとっても好印象ではないのでは…?!」と疑問視している地元の人も多かった。
明日、念願の能登の物産館がオープンし、穴水駅に一つの灯りが燈される。
さてさて、その一日前に中へ… 「四季彩々」へ入ってみた
これから徐々に商品は増加・変更などするかと思うが、この物産館に入ると、3月31日から放映開始するNHK朝の連続テレビ小説「まれ」のヒロイン・土屋太鳳(つちや たお)さんが演じる津村希(つむら まれ)役のモデルとなった辻口博啓(つじぐち ひろのぶ)さんのスイーツお菓子「YUKIZURI 雪吊り」コーナーが迎える。

3月31日から放映開始するNHK朝の連続テレビ小説「まれ」の津村希(つむら まれ)役を演じる土屋太鳳(つちや たお)さんの製菓指導をした辻口博啓(つじぐち ひろのぶ)さんのスイーツお菓子「YUKIZURI 雪吊り」コーナーが迎える。
穴水町中居出身の相撲取り遠藤関の応援グッズコーナーも設けられていたり、奥には珠洲焼、能登の塩、輪島塗の漆器、田鶴浜建具(たづるはまたてぐ)の木工品、そしていつもぼくが「田舎ライフスタイル体験」でお世話になっている地元穴水町の魚屋さん「渚水産(なぎさすいさん)」の海の幸・加工品(干物や青のりなど)など、能登全域の土産が置かれている。
現在 店内にある商品は能登“全域”を完全に網羅しているとは言えないのかもしれないが、“能登と言えば!”と思われる一連の商品をここで購入することができる。
ぼく含め地元の人にとっても、土産を持って行きたい県外へ旅の際、物産館へ行けば、もろもろの能登商品を購入することができるのは便利だ。
物産館の軽食コーナーでは、かけそば(280円)、カレーライス(450円)、かけうどん(280円)、ソフトクリーム(200円)、カツカレー(650円)、おにぎり(80円)などが販売され、このコーナー側の能登/穴水町の観光案内の映像/電光掲示板を観ながら、軽食を楽しむことができる。
●穴水駅「四季彩々(しきさいさい)」概要
・営業時間: 9:00~18:00(年中無休)(2015年3月1日オープン)
・住所: のと鉄道 穴水駅 石川県鳳珠郡穴水町字大町ト33
能登は“流行る”のか?!好機をつかめるのか…
これから、3月14日には北陸新幹線の金沢・富山から長野間が開業、能登が舞台となっているNHK朝の連続テレビ小説「まれ」が今月末(2015年3月30日)から放映開始する。
今日(2015年2月28日)からは既に、永作博美(ながさく ひろみ)さんと佐々木希(ささき のぞみ)さんが共演し、奥能登/能登の先端・珠洲(すず)が舞台になっている映画「さいはてにて-やさしい香りと待ちながら」の全国上映が始まっていて、最近では、日本テレビ「1億人の大質問!? 笑ってこらえて」の「日本列島ダーツの旅」で何度も穴水町が紹介されていたり、多くの民放で穴水が登場している。
北陸新幹線が多くの観光客を乗せて金沢駅へやってくる…開業までわずか14日。
「観光客の足は金沢駅止まりになるだろう」と懸念する地元の声もあるが、短期的な観光客の増加は十分に見込めるとぼくは予想している。
その予想の背景はシンプルで、北陸新幹線の金沢駅開業だけであれば、奥能登への“道のり”を切り開くことは難しかったかもしれないが、NHK朝ドラ「まれ」の開始や、その他メディアが能登を舞台に特集などを組むことが見込まれ、メディアが大きな“きっかけ”となり、奥能登への“道”をつくるからだ。
能登が舞台の映画「さいはてにて」の効果も大きくなるだろう。監督が台湾出身という背景もあるからか、4月下旬からの台湾を皮切りに、その後、タイ、シンガポールなど世界17の国と地域での公開が予定されている。能登が世界に広がり、海外からの観光客を呼び込むチャンスにもなる。
また、メディアにとって、石川県の特集を組む際、金沢エリアだけで番組内容を構成・制作するのは限界があるとも思う。
東北が舞台となった「あまちゃん」、現在の朝ドラ「まっさん」など、NHK朝ドラ効果/影響力が“とてつもない”ことはこれまでも証明されている。「あまちゃん」の舞台となった岩手県は、その経済効果は「44億6600万円に上る」との試算結果を公表している。
しかし、能登がその“きっかけ”を手にすることができるのは今年のみ、短期間になるだろう。今年の“きっかけ”ってやつを掴み、うまく“料理”すれば、短期間ではなく今後へとつながり、能登への訪問者はより多くなり、全国的な能登の関心度は高くなる。
これら背景から、能登への注目をうまく活用して、リアルな能登を発信する役割、「広報=“メディア”への情報発信」の役割が重要になることも間違いない。もちろんのこと、発信の“根本となるモノ”がなければ、広報も難しくはなるが…料理の仕方でなんとでもなる。広報によるメディアへの情報提供、メディアから大衆への情報発信力は計り知れない。広報活動の費用対効果は絶大なのだ。ちなみに、「広告と広報は同じ」ものと勘違いする人たちが多いが…活動内容と費用も異なるし、情報の特性、情報発信の主体、内容の信頼度などが大幅に異なる。これについて話すと…またまた別のトピックになってしまうので、“広報”についてはまたいずれ語ることにする。
田舎…地方…奥能登の過疎や人口減少が進む中、メディアが大きな“きっかけ”をつくっていることに、多くの能登の人は気づくことができ、このチャンスをつかむことができるのだろうか。
「四季彩々」「のと里山里海号」…そして新たなラッピング列車?!
のと鉄道が運営する「四季彩々」、今年4月29日からの新型観光列車「のと里山里海号」の導入・運行、新たなラッピング列車の検討など、のと鉄道は穴水駅への“導線”をつくることにベストを尽くそうとしている。新たなラッピング列車の中身はまだ未発表…
新たに導入する2車両の「のと里山里海号」に3億2千万円前後の大規模投資を行い、大きな“賭け”に出ている。
これまでのアニメ「花咲くいろは」や「永井豪キャラクター」の一車両200~300万円ほどかかるラッピング列車に続き、来年度も新たなラッピング列車を展開する“噂”もあり、乗客増を図った取り組みは続く。
また、これら新たな取り組みなどにともない、のと鉄道は新たに6人の女性陣を採用。うち4人は新型観光列車「のと里山里海号」のアテンダント/案内ガイドだ。彼女らが“明るい能登”情報を乗客に発信して、どれだけの乗客の足を奥能登へ導くことができるのか…重要な役割を担っている。
“石川県”がバックアップし出資する第三セクターの のと鉄道とは言えども、2001年から2005年にかけて穴水駅から輪島や珠洲方面への列車が廃線になっている背景や、1991年度以降、20年以上、赤字経営が続いていることもあり、のと鉄道の「四季彩々」の運営や、来月から運行する「のと里山里海号」を“無駄”にすることはできない。
地元では学生の乗客が多いようだが、地元の大半はクルマや、バスを活用することもできる。高齢化が進む町だが、地元でハイエースなどの相乗り的なバスを走らせることも可能ではないだろうか。ディーゼル仕様の のと鉄道の電車の燃費はリッター2キロ…燃料費だけでもかなりの維持費がかかるのではないかと…思ってしまう。
出資比率では石川県が約34パーセント、能登町・珠洲市・穴水町・七尾市などの沿線に関わる自治体が約12パーセントで、行政が約46パーセントを占め筆頭株主だ。
民間などがお金を預ける北國銀行や北陸銀行、地元信用金庫などの機関が次の株主となる。石川県や地元金融機関の出資ということは、県民や国民の“お金”が、この大きな投資に関わっていることも忘れてはならない。
これから、のと鉄道の軌道修正や成功に期待が懸かる…っと強く言いたいところではあるが…これは のと鉄道の努力だけで改善することは難しいだろう。
もっと言えば、のと鉄道が赤字になっている大きな理由は…沿線上やその先にいる人々の責任でもあるとも考えられる。逆にそう考えなければいけないのかもしれない。
「能登全体は個々が頑張らなければ盛り上がらない」と考えて、能登全体で行動を起こしたほうが良い方向へとつながるだろう。能登の奥に「どんな魅力があるんだ?!」を発信・創造しなければ、鉄道の利用者は減少し、“旅の足”は活用されず、赤字は継続されるだろう。旅先として選ばれれば、能登全体の“盛り上がりの維持”へとつながり、“旅の足”としてのと鉄道は活用され、黒字化も見込めるかもしれない。
能登全域との協力体制を築き、能登の魅力をリアルな現場から発信することで、のと鉄道の乗客も増え、売上や利益増につながる。鉄道は人を運ぶ重要な“足”だ。能登の魅力が世の中に出なければ、“足”が使われることもなくなる。
観光列車、名物ガイド、“列車に魅力を積みこむ”など“列車への工夫”に関する様々な取り組みも重要だが、多くの旅人にとって列車は旅の足だ。鉄道のみに興味があるのは、“電車好き”な人たち。“電車旅”が好きな旅人と言えども、電車は“旅の足”にすぎない。極論を言えば、電車で向かうその先の“魅力”をあらゆる形で発信しなければ、“旅の足”は使われずに終わる。
“金沢駅から列車で渡った“先”の奥能登にはなにがあるのか…”“その先には何があるのか…”など能登へ足を運ぶ旅人の探求心を刺激する必要がる。
能登地方全体で、協力体制を築くことも重要になってくるのではないだろうか。
最善を尽くそうとしている のと鉄道の取り組みにも限界がある、能登全体で相乗効果を生みださなければ…
のと鉄道の“列車への工夫”も重要。しかし、のと鉄道だけが取り組んでも…そして誰が声がけをするのか…誰が各地域をまとめるのか…っという点だ。能登地域との連携構築もしなければ能登の“盛り上がりの維持”は難しい。
のと鉄道を残したければ…のと鉄道が先導者になることもできる。個々が先導することもでき、能登旅への“重要な足”を残すことができる。
のと鉄道は経営赤字が続くところ…大きな“賭け”…一歩を踏み始めた。能登人たちは、今月からのチャンスを掴むことができるだろうか…
これから、ぼく含め能登にいる各自・個々でなにができるのか…どれだけ“楽しくてユニークな”ことをするのか…にも懸かっている。
近々、この「のと里山里海号」もレポートしていきたいと思う。
旅の視点から…
オープンと同時に駅外観や駐車場が改修された。
駐車場には普通乗用車35台、大型バス1台を停められるスペースが確保されている。トイレは去年、改装されたばかりで綺麗だ。
ハイエースをベースにした“動く拠点”をもつバックパッカー旅の視点から…
奥能登の出入口 穴水駅にクルマ泊/車中泊して、物産館でつまみや軽食を楽しむ。
1月10日(土)から3月22日(日)の間土曜・日曜・祝日のみオープンする「あつあつ亭」で牡蠣を盛り沢山の「あつあつ盛りセット」(1500円)でお腹を膨らませ満喫することも。
ゴールデンウィーク前後から12月ごろまでオープンするそば屋「仁(じん)」で“本物の蕎麦(ざるそば)(700円)”を楽しむのも穴水泊の醍醐味の一つとなるだろう。
近辺には、宿泊施設「キャッスル真名井」のお風呂がある。しかし…残念ながら温泉ではない。
穴水駅から中島町方面12キロ先にある国民宿舎「小牧台(おまきだい)」の温泉や、そのすぐ下にある「猿田彦温泉(さるたひこおんせん)」がお薦めの温泉だ。

のと鉄道 穴水駅の「穴水町物産館 四季彩々」の隣にある「あつあつ亭」。3月22日(日)までの土曜・日曜・祝日のみオープンする「あつあつ亭」で牡蠣盛り沢山の「あつあつ盛りセット」(1500円)を味わうことができる

能登先端あたりにある堂ヶ崎(どうがざき)の旅コース。ここは豪快…爽快なドライブを味わうことができるスポット。
ここを登りきると、つばき展望台と海女さんが海の幸を振る舞う「椿茶屋(つばきちゃや」がある。展望台からの眺めは、映画「さいはてにて」のロケ地スポットでもある。奥能登一押しのお薦めスポットだ。さらに先へと進めばモデルとなった木ノ浦の二三味珈琲(にざみこーひー)の焙煎現場がある。
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