昨晩、載せた『“ざっくばらんな”田舎ライフスタイル体験ロードトリップ “キリコ祭り” in “里山里海”能登・穴水町』のストーリーの続きだ。(前回の田舎体験の話しはこちら)
そもそも穴水町ってどこ?
さて、「キリコ祭り」の話しに入る前に、そもそも“穴水町(あなみずまち)”ってどこでナニ?
タイトルにある“世界農業遺産”ってなに?世界遺産みたいなもの?
などなど…知らない人が多いと思うので、そこからざっと説明する。
下に載せた地図のとおり、穴水町は、能登半島の中央あたりに位置する町。
穴水町は日本海に囲まれた能登半島にある町の一つ。日本海の中でも、内海側(七尾北湾)に面した町。
第一弾目の「田舎ライフスタイル体験」にあった“洋上パーティー”からもわかると思うが、穴水町は能登半島でも内海側にあるので、一年中、海が穏やかな町だ。
冬でも、外海のように、七尾北湾が荒れることはない。ときには天候によって荒れることはあるが、ほぼ、一年中穏やかだ。(洋上パーティーの話しはこちら)
湾の先には能登島(のとじま)が、天候がよく空気が澄んでいるときには、立山連峰(富山県)が湾に浮いているように見えるのだ。
奥能登の“陸”と“空”事情
穴水町から“奥”の能登半島は、輪島市、珠洲市(すずし)、鳳珠郡(ほうすぐん)(能登町(のとちょう)、穴水町から成る“奥能登“として知られ、穴水町は、奥能登への“玄関町”。
奥能登への電車でのアクセスは、のと鉄道の穴水駅が最終駅となる。
穴水町より先へは、“徒歩”、クルマ、バスでしか行けない。クルマでの移動だと、バスの待ち時間に拘束されずにすむ。
フルフラットにできるクルマであれば、移動手段の他、クルマ泊もできるので、一番“楽”だろう。
また、海風にあたりながら、海沿いを自転車で走るのも快適だと思う。
バスは主に遠方から来る旅人が活用することが多いと思うので、“交通手段”だけでなく、県外からやってくる旅人との出逢いの場にもなるのではないだろうか。
ぼくら夫婦はバックパックを担いで能登半島を歩いた。そのときのストーリーはこちら
バックパッカー旅では、地元の人たちとの出逢いがあり楽しいので、是非、チャレンジしてみてほしい。
ただ、外海の海岸線沿いには、レストランや商店などが“ほぼ無い”と言ってもいいぐらいなので、食べ物はある程度、準備をしていったほうがいいだろう。
【田舎バックパッカー、能登半島を歩く(写真は堂ヶ崎。椿茶屋へと続く道)】
穴水町と輪島市の境には能登空港があり、全日空(ANA)が午前と午後に、能登空港と羽田空港を行き来している。
「世界農業遺産」と「世界遺産」の違いは?
穴水町を含めた能登4市4町(七尾市(ななおし)、輪島市、珠洲市(すずし)、羽咋市(はくいし)、志賀町(しかまち)、中能登町(なかのとまち)、能登町(のとちょう))は2011年6月、「能登の里山里海」として、国連食糧農業機関(FAO(Food and Agriculture Organization of the United Nations))により、日本で初めて「世界農業遺産(Globally Important Agricultural Heritage Systems)」に認定されている。
同時期に、国連食糧農業機関は、「トキと暮らす郷づくり」として佐渡市も世界農業遺産に認定している。
【能登・輪島市金蔵(かなくら)地区の ふる里あふれる田んぼ・畑・棚田の景観】
ユネスコ(UNESCO(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)、国際連合教育科学文化機関)が登録する建物や自然を対象としている「世界遺産」とは違い、国連食糧農業機関は、地域で受け継がれてきた農法・地域資源の活用法・生態系・景観・習慣など、地域全体の“農業”システムを世界農業遺産として登録対象としている。
能登が「世界農業遺産」に認定された6つのポイント
①稲のはざ干し、海女漁など地域資源を活かした「土地利用」
おそらく、穴水町からも見られるミネラル豊富な七尾北湾に浮かぶ“牡蠣棚”、第一回目の田舎ライフスタイル体験でお世話になった道坂一美(みちざか かずみ)さんのように、地域で育てられた農作物と酪農を循環させた酪農システム、海の幸からでた牡蠣の殻を堆肥として活用する能登ワインなどもその一つだろう(道坂さん宅での田舎体験のお話しはこちら)
【能登・穴水町 七尾北湾に浮かぶ牡蠣棚、ミネラル豊富な湾を活かす】
【道坂一美さんの循環型自然農業システム】
②山と海に恵まれた「生物資源」
能登で採れる野菜、牡蠣、ナマコなど…舳倉島(へぐらじま)へ飛んでくる渡り鳥などもかな…
【能登の自然資源が活かされミネラル豊富に育った夏の岩牡蠣】
【七尾北湾の海に沢山いるナマコ“海の幸”資源も豊富な能登】
③白米千枚田(しろよねせんまいだ)や金蔵(かなくら)地域などの“ふる里”が感じられる「優れた里山景観」
能登には“里山”!田舎!を感じられる景観は山ほどある。
【能登・輪島市の白米千枚田 ここで結婚式を行うカップルもいる】
【能登・珠洲市の見附島と田舎バックパッカー中川生馬】
④「揚げ浜式製塩法」、以前「竹葉(ちくは)」の数馬酒造(かずましゅぞう)を見学させてもらったが酒の仕込みなど、今後も「伝えていくべき伝統的な技術」
道の駅「すず塩田村」では、「揚げ浜式製塩法」を訪問者が体感できるようにしている。
ここ2年連続で参加した、薪を使い豆を煮た7~8家族分の味噌造りはどうなのだろうか…(数馬酒造見学のお話しはこちら。味噌づくりのお話しはこちら)
【バックパッカー 竹葉(ちくは)の数馬酒造(かずましゅぞう)を見学】
【薪で豆を煮る昔ながらの味噌作り】
⑤今回の田舎体験の活動「キリコ祭り」や「あえのこと」などの地域の伝統的な「文化・祭礼」
●キリコ祭りについてはこちら
●キリコ祭りを動画で見たい方はこちら
【能登・穴水町岩車のキリコ祭り(2012年9月22日(土))】
⑥これら①~⑥を持続させるための「里山里海の利用保全活動」
今回企画した「キリコ祭り」をとおした「田舎ライフスタイル体験」からもわかるように、ぼくらの活動に能登現地の人たちが積極的に共同で取り組んでくれる。
能登の人口の減少が進み、後継者が不足する中、能登の人たちはこれら①~⑥を維持するあらゆる活動を展開している。
など…能登の地域に根付いたあらゆる資源や取り組みが総合的に高く評価された。
【能登・穴水町岩車の住民の人たちとぼくら神奈川・金沢・東京・中国からのキリコ祭り参加者】
大量生産の時代が進む中、昔ならではの“生き方“や“地域資源”などが活かされている能登半島。これらが世界的に重要とされ「世界農業遺産」として認定されたわけだ。
さて、能登の伝統的なお祭り「キリコ祭り」の場所を目指して、まずは能登へのロードトリップだ。(続きはこちら)
<前回のストーリー: “キリコ祭り”をとおした『田舎ライフスタイル体験』1話目: 世界農業遺産 能登の穴水町で>
<次回のストーリー: “キリコ祭り”の『田舎ライフスタイル体験』3話目: 鎌倉から信濃大町を経由、千里浜なぎさドライブウェイへ>
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