2010年3月30日(水) – 現在、ぼくら田舎バックパッカー夫婦は、天草の“とある”名もない山へと歩いている。(前回の話しはこちら)
15メートルほど先に進むと、おばさんが雑草を刈っていた。再度、「山への道はこちらでいいですか?」と尋ねると「そう。こっち」と、旦那さんが少し先まで一緒に着いてきてくれた。
どうやら、この山の上には展望台しかないと言う。
四国・徳島県神山町から上勝町への山越えのときのように、どこかの村へとつながっているわけでもないそうだ。(四国の山越えに関するストーリーはこちらから)
彼らの名前は、岩下さん。ぼくらがここへと来る途中、本渡バスセンター付近でマクドナルドやツタヤを見かけたが、そのツタヤの後ろにある居酒屋/食堂「伊勢元(いせげん)」のオーナーだった。
「うちは安いから、あとで、もしよかったら、おいで」と言われた。
また、周辺の温泉情報についても聞いてみると、嬉しいことに「遠いから乗せようか」と言われたが、とりあえず、ぼくらは山へと進みたかったので、丁重にお断りし、このまま山道を進んだ。
山を目指して道を歩いていると、さっき桜がある民家周辺で遊んでいた子どもたち3人が、ぼくらの後をつけてきた。
子どもたちは現在、春休み中。彼らのクラスメートは約30人。体育や音楽の授業が好きだそうだ。
天草本渡中学校と天草南小学校に通うりゅういちくん、まなみくん、ひなちゃんの3人だ。
残念ながら、途中から、道がなくなり、これ以上進めなさそうだったので、居酒屋/食堂「伊勢元」オーナーの岩下さん宅周辺まで引き返えす。
子どもたちと別れ、ぼくらは本渡の町へと戻った。
今夜のテント泊は…
今日テントを張る場所は、公園と決めている。
本渡は都会なので、テントを張りにくそうだったが、ぼくらは良いのか悪いのか…だんだんとテントの張り場探しに“慣れてきた”。
テントやキャンプ禁止サインが無く、ある程度明るくて、人目があり、目立たない公園であれば、特に問題ないだろうという感覚だ。
ぼくらがテントを張ろうとした公園には、小さな神社があり、子どもたちのブランコやシーソーなどがある。
神社の横には、食べられないカリフラワーの植物園がある。今日からしばらく晴れるようなので、雨避けとなる屋根の下にテントを張らなくても大丈夫そうだ。
今日の夕食は…伊勢元
そして、今夜の夕食について、結花とぼくで話し合う。
ぼくは今日出会った岩下さんが営む居酒屋/食堂の「伊勢元」へ行きたいと思っていた。いつも「どこか食べ行こうよ~」と言う結花が節約すべきと自炊をしようとする。
ぼくも自炊は好きなのでそれには賛成する。が、二人とも「地元の人との交流につながるかもしれないし、たまには良いんじゃない!?」と、最終的に「伊勢元」へ行くことになった。
天草の家庭・郷土料理『伊勢元』
この居酒屋/食堂「伊勢元」(熊本県天草市南町2−6)は、平日16:00~24:00オープン。土曜日は昼のみオープンしている。地元の産物を使って、料理を振る舞っている。
「伊勢元」へ行くと、さっき山へ行く途中に出会った夫婦がいた。
旦那さんが26歳のときの34年前に「伊勢元」をオープンした。旦那さんは熊本、奥さんは天草出身。
旦那さんは以前、ホテルでシェフをしていた。その後、熊本市内で寿司職人を目指して修業し、寿司屋として伊勢元をオープンした。以前、生簀も店内にあったそうだ。
約10年間、寿司屋としてお店を続けたが、出前が大変だったり、熊本で発生した水俣病の影響やイメージなどで経営が困難となり、寿司屋から居酒屋へと柔軟にお店の形態を変化させた。
メニューは岩下さんが独自で考えた内容で、明太子春巻き揚げなど、ユニークな料理を出している。
天草の郷土料理「押包丁(おしぼうちょう)」を注文する。押包丁は、「山梨の郷土料理“ほうとう”に似ていて、それを醤油味にしたような味」と話す。
早速、押し包丁を食べる。味噌系のスープに太い麺。これに柚子胡椒もいれる。シンプルで美味い!
【熊本県天草 – 伊勢元の華やかな外観】
伊勢元にあったテレビでは、福島県の原発関連のニュースが流れ、そして池上彰さんの簡単解説ニュース番組が始まった。
この原子力発電所は一体…どうなるのだろうか。こう問題として取り上げられているが…今でもなんとか電気はまわっている。そもそも本当に原発は必要なのだろうか…と考えながら、真剣にニュースを見て、しばらくビールを飲み料理を楽しんだ。
天草までは電車が通ってないので、中々 人が入りずらいようだが、天草には移住者が多いそうだ。
天草の移住者は“自然や芸術系の道を好む人”たちが多く、絵を描いたり、有田焼きをしたり、ログハウスで民宿を営んだりするなどしている。
若い移住者で特に多いのが陶芸だそうだ。天草で採掘される粘土の鉱石「天草陶石」(研ぎ石と同じ種類だそうだ)で、陶器を作るそうだ。
一年に一度11月に「陶器市」があるそうだ。
伊勢元も、その陶器市でお店を出店するそうだ。若い人たちもここで、自身の作品を販売する。(あとで調べたが、おそらく天草市内で開催される「天草大陶磁器展」のことだろう)
岩下さんによると、本渡の人口は約4万人だそうだ。天草の天候の特長は「台風があまりこない」。
…などなど、人が沢山入っていて忙しそうな岩下さんから話しを聞き、ビールやハイボールを飲みながら、伊勢元での時間が経過した。
サービスで、いただいた天草の海栗(うに)は全国的に有名らしく、甘くて美味しかった。
<「伊勢元」の営業概要>
●営業時間: 平日16:00~24:00。土曜日は昼のみ
●定休日: 第1・第3月曜日
●場 所: 熊本県天草市南町2−6
●電 話: 0969-23-5374
●席 数: 23席
さてさて、天草の「伊勢元」で夕食を済ませたぼくらが向かった先は…今夜の寝床「公園」へ。
今夜もテント泊だぁ~!(続きはこちら)
【今回の九州旅の”ざっとした”ルート 鎌倉、横浜から熊本県天草(伊勢元)】
<前回のストーリー: day 97 熊本県天草 朝から公園でドライカレー作るバックパッカー夫婦>
<次回のストーリー: day 98 公園でテント泊したぼくらバックパッカー、初のグランドゴルフに“招かれる” 熊本県天草で ~ 結花の運動神経はいかに…?! ~>
結花のブログはこちら
●関連するストーリー:
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- 【2010年10月】能登半島へのバックパッカー田舎旅こちらから
- 【2010年11月】四国“左周り”のバックパッカー田舎旅こちらから
- 【2010年12月】四国“右周り”のバックパッカー田舎旅こちらから
- 【2011年1月】能登・穴水町椿崎での田舎暮らし体験はこちらから
- 【2011年2月~3月】福岡県 小呂島、長崎県 五島列島や池島の島々へのバックパッカー田舎旅はこちらから
- 【2011年3月~4月】熊本県天草へのバックパッカー田舎旅はこちらから
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