2011.02: <九州>福岡県(小呂島)・長崎県(池島・五島列島)

day 88.4 五島列島 小値賀島 なぜ田舎や島暮らし?タイミングは?旅がきっかけ…?! なんでブロッコリーとカボチャ??~ブロッコリーとカボチャ農家のぶうさんと美保さんのライフスタイル~

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2011年2月7日(月) – ぼくらは今、自分たちが今後送りたいライフスタイルを見つけるために、バックパッカーとして、自分たちの足を使って動き、全国の田舎を旅回っている。ぼくは旅に出る前、都内で会社生活を送っていた。

五島列島 小値賀島 「歓迎 小値賀町」と温かく人を迎え入れてくれる

今となれば、「その時の自身のライフスタイルに対して疑問を感じつつも、なぜこれまで動こうとしなかったのか…」と思う。その理由は単純で…「中々、その一歩を踏み出せなかった」だけだ。会社生活の中では、積極的に動いた…その中で積極的に動くことは自分にとって安全な道で、きっと動きやすかった。

しかし、本当に自分が見てみたい・進んでみたいかもしれないライフスタイルを見つけるために動く…ことはこれまでしていなかった。

とりあえず、今進んでいる方向が違っている・ちょっと違う方向へ進んでみたいと思ったら、自分が正しいと思う方向に進んでみて、自分にとって、「これだ!」と思う道を探しに行かなければいけない

その一歩を踏み出さなければ、自分の答えは“想像の答え”とでしかないだろう。これまでいた場所から離れようとすることは難しい。しかし、“何でもやってみないとわからない”とぼくは思う。

「あっ、この島が呼んでくれている。その地域と波長があったときはグッドタイミング。そこで一生暮らすとは思わず、気軽に住んでみるといい。小値賀よりいいところも沢山あるだろう」とぶうさんは言う。

ぶうさんは44歳のころ、仕事を休みながら、より本格的に今後、定住したい場所を探したそうだ。

ぶうさんはその年の11月、3泊4日で、1日5000円支給される五島列島の福江と小値賀で島暮らし体験事業に申し込み、初めて小値賀へ。この体験事業から、小値賀のことを知った。小値賀を選んだ理由はシンプルで、福江より小値賀のほうが小さい島だったからだ。

島体験事業の受け入れ先の福江と小値賀の各地域では5人募集していた。体験事業の申し込みには、作文の選考もあったそうだ。小値賀がこのような事業を展開する目的は、島の定住促進を図るため。

合計50人以上の申し込みと年齢制限もある中、ぶうさんは自身の“強い意志”を作文で伝えることで選考された。5人のうち1人は体験後、海より山を好み、三重県で林業をしているなどそれぞれの道を歩んでいるそうだ。

小値賀の体験事業を終えて、当時の勤務先と自宅があった宮城へと帰った。その直後、ぶうさんは、勤務先の本社がある東京丸の内に出張で行ったことがあった。

出張中、東京駅から歩いて10分ほどのビルの一角で、移住相談窓口を見つけて、何気なく入ったら、たまたま小値賀のパンフレットを見つけた。

ぶうさんは既に、小値賀での体験事業を終えて、小値賀に住むことを決めていたが、そこにいた一人の女性が「(既に島暮らし体験事業は終わっていて、勘違いだったが)興味ありましたら、島暮らし体験事業があるんですよ!」と教えてくれた。そこで声がかかったときに、また“小値賀に運命を”感じたこともあったそうだ。

五島列島 小値賀 西海国立公園 おぢか 「心が自然へと還る島…」「ワイルドな自然なリフレッシュ!」

小値賀に決めた最大のポイントは、小値賀での農業の“しっかりした”研修システムだった。小値賀町 担い手公社(にないてこうしゃ)が、給料ありの農業研修システムを展開していた。

また、2年間の研修後、小値賀町から就農(または定住)のための準備金100万円の申請権利(その当時の金額)を得ることができる。しかし、それは2年間の研修後、「5年間小値賀にいること」が条件だ。

農業をやろうという最後の決断は、バックパックを背負って、東南アジアのインドネシア・バリの東に位置するアグン山へと旅をした時だった。

そこには、50センチの狭い隙間にでも畑を耕している村があった。しかも、今どき、牛で畑を耕していたのだ。

子どもも含め、そこに住んでいる人々は、日本やその他先進国と比べると貧しいかもしれないが、遠くからでも笑顔で声をかけてくる。農業には温かさがあるのだろうか…子どもの目の輝きが全然ちがった…“貧しいことってなんだろう…”と考え始めたそうだ。

旅でそのようなことを体感する中、「日本のなにが先進国なのだろうか…」と疑問に思い始めた。

そこで、「自分の進むべき道は、基本『農業』だ」と最後の決心がついたそうだ。

ぶうさんの場合、都市区再生法のもと、前職では、都市開発関連の会社で新たな町をデザインするために、(極端に言えば)自然を壊したり、住宅の立ち退き交渉の仕事を行っていた。これから進みたい道…今の仕事…対極的に違うものがあった。

これが、前職で行っていたことを、次の仕事で活かそうとしなかった背景だったそうだ。自然を壊す仕事はやりたくなかったことや、その前々職の仕事の板前、自然と触れあうボーイスカウトの影響も大きかったそうだ。

五島列島 小値賀島 「島は男のロマン…」「人生一度限り。軽い気持ちで臨んでみると良い」とぶうさんが言っていたことが印象に残っている

島は“男のロマン”…ぶうさんは昔から自給自足的な生活を田舎の“暖かい地”でやりたかった。ぶうさんは自身のライフスタイルに夢があった。そこで、“他人の会社”で働くことを辞めて、自分の道へと進んだわけだ。

様々な苦労や深い考えがあってのことだが、「人生一度限り。軽い気持ちで臨んでみると良い」と話していたことが印象に残っている。

担い手公社で、研修をして農業を学び、今では、誰かに “雇われることなく”自分のペースで暮らしている

■なぜブロッコリーやカボチャ?

ぶうさんのブロッコリーはとにかく美味しい。ぼくは美味しいものを食べると、「美味しい」の一言しか言えないのだが…仕方がない。その一言に尽きるのだから。これまで食べてきたブロッコリーとは、甘みが全然違って、シンプルな調理だけで、素材を楽しめる。

五島列島 小値賀島 ぶうさんが育てたブロッコリーがこうなるまでにどれだけの作業工程があっただろうか… 種植え以外は全て手作業

これが赤土の自然と、無農薬の農作業の証なのだろうか。

ぶうさんは農業が好きということは言うまでもないが、なぜ、その中でもブロッコリーやカボチャなのだろうか?

五島列島 小値賀島 ぶうさんのブロッコリー畑。これだけ多くのブロッコリーには、葉っぱがついている。この葉っぱを鋸鎌(のこかま)で切り落とすだけでどれだけのエネルギーと時間がかかっているだろうか。これは大変な作業である

ブロッコリーやカボチャを始めた理由は、これら農作物は手間がかかることから、比較優位性を少しでもうみだせると考えた。種植えは機械でする。しかし、収穫は、ブロッコリーの芯につく葉っぱを鋸鎌(のこかま)で切るなど最後は全て手作業「人が面倒と思う仕事をする」

“大変な作業”は、収穫だけではない。甘くて美味しいブロッコリーが育つ赤土は、酸性濃度が強いため、手が荒れてしまう。「これだったら、きっとできる、農業でもある程度、生き残れる」と思い始めたそうだ。確かに…基本、人間の心理上、大半の人が、面倒な作業を嫌がる

手間をかけてまで、ブロッコリーを育てる人が少ないと思ったそうだ。(続きはこちら

<前回のエピソード 『day 88.3 五島列島 小値賀島 ぶうさんと自然 ~ブロッコリーとカボチャ農家のぶうさんと美保さんのライフスタイルを聞く~』>

<次回のエピソード 『day 88.5 五島列島 小値賀島 どれくらいの生活費がかかるのだろうか… ~ブロッコリーとカボチャ農家のぶうさんと美保さんのライフスタイル~』>

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1979年1月生まれ、東京生まれ鎌倉と米オレゴン育ち。鎌倉の中学校卒業後、オレゴン州の高校と大学を卒業。現在、石川県鳳珠郡穴水町岩車在住。ソニーやPR会社で広報業務に約10年間携わり、2010年10月、ライフスタイルの選択肢を増やすべく、日本の田舎/地方を中心に、テント・寝袋・自炊道具などを担いだバックパッカー旅を開始。以後2年半にわたり旅を続ける。「テント」ベースから、2012年5月以降は「バン」ベースのバックパッカーになりバンライフ開始。2013年5月、人口約100人の限界集落 能登半島・石川県穴水町岩車に移住。現在は、「田舎への旅」と「田舎でのライフスタイル」の二つを軸に、田舎旅やライフスタイルの情報発信、都市部の人たちが能登の暮らしを体感できる「“ざっくばらん”な田舎ライフスタイル体験」の提供を行なうほか、東京のスタートアップ/ベンチャー企業、移住先・能登や静岡県の中小企業の広報サポート、地域活性プロジェクトサポートにもリモートワークで従事。また、ブログやウェブ制作、写真、執筆活動なども行なっている。移住先で自宅がある岩車の隣の地区 穴水町川尻では、シェアハウス・サテライトオフィスなど多目的・多機能の「田舎バックパッカーハウス」、そこに併設する“住める駐車場”であり長期滞在可能な車中泊スポット「バンライフ・ステーション」も運営。現在、東京の“バンライフ”のCarstay(カーステイ)で広報責任者として関わりつつも、静岡県島田市で幻のきのこ“はなびらたけ”「ホホホタケ」を生産する大井川電機製作所、石川県輪島市では国産漆だけでアート作品をつくる“芯漆(しんしつ)”の山崖松花堂などの広報を担当する。移住先・石川県穴水町岩車で育てられた牡蠣の販売もサポートする。

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