2011.02: <九州>福岡県(小呂島)・長崎県(池島・五島列島)

day 87.2 「飲んじょるか? ほら、飲みなさい!」 五島列島・小値賀(おぢか)の“終わらないビール”

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五島列島 クリーニング 森 goto ojika island mori

2011年2月6日(日) – さぁ、森クリーニングの森銀一さん宅へ交番から向かおう…

すると…森さんが家から、「早く来なさい!」と大声で叫び、笑顔でぼくらを誘う。

さて、これから楽しい“人情味ある”森さん夫妻との交流だ。

昼間から森さん宅では、銀一さんの他、奥さんのひさ子さん、銀一さんの学生時代の先輩/散髪屋の松永一郎さん、森さんの親戚で55歳まで船長/漁師だった森恵(もりめぐみ)さんたちが炬燵(こたつ)を囲み飲み会が始まっていた。

とにかく、みんな愉快な人たち。

五島列島・小値賀(おぢか)の森クリーニングの森銀一さんとひさ子さん

森さんの家は、さすが!クリーニング屋さんを経営していることだけあり

家中全てが“クリーニング”されているかのように、綺麗な家だった。

床に物を置いてないし、ゴミ一つ見えない家。1~3月はクリーニングの量がその他時期と比較して少なく、夏が一番多いそうだ。

中に入ると、「まっちょった!」とぼくらを迎えてくれた。

どうだ、飲んじょるか?ほら、飲みなさい!」と、銀一さんやひさ子さんがビールを注いでくれる。

ありがとうございます。いただきます!」と飲むぼくら。

注いでいただき、一口飲むと

どうだ、飲んじょるか?ほら、飲みなさい!」と引き続き…

またグラス一杯に注いでくれる森さん夫婦。

常にビールがグラス一杯になり…

ビールのグラスが空っぽになることがないどころか…

ビールの量が、グラスの上から1センチ以下になることがない。

五島列島・小値賀の森クリーニング屋さんでの愉快な飲み会

おもしろいし、嬉しい。絶対笑顔になる宴会な雰囲気の森さん宅!

ぼくも真似して、みんなのグラスが一杯になるまで注いでみたりする

さて、この昼宴会中、小値賀の斑島(まだらしま)にもポットホールがあることを聞いた。

宇久町の隣にある寺島で見たポットホールよりも、斑島のほうが大きいそうだ。(寺島でみたポットホールこちら

昨晩、カラオケ「メロディー」の弘子さんから唐揚げの差し入れをいただいたことを話すと、森さんと弘子さんは親戚同士だったことがわかった。また、森さんの娘さんはぼくらと同じ名前の“中川”さんと結婚。「何か縁を感じるね」と、みんながうなずき始める。(昨晩の交番でのテント泊こちら

みんなから野崎島に行くことを勧められた。五島列島に来てからもう何度もみんなから「野崎島へ行ってきな~」と勧められている。野崎島は過疎化が進み、現在人は住んでない。

400頭の鹿のみ。

人が住んでいたころ、野崎島には、村が3つあり、学校も3つあったそうだ。

一さん含め島の人たちは昔、島の燃料となる木炭をつくるために、森さんは、野崎島に木をとりに行っていた。お風呂、料理用など一年に一度、木を切りにいき、一年分の燃料を取りに行ったそうだ。

その当時、電気アイロンがなかったので、その木炭は、ストーブの他、クリーニング用のアイロンの熱としても、木炭を使用していたそうだ。

五島列島 小値賀で出会った森クリーニングの森銀一さんと昼間から宴会。小値賀出身の人たちと触れ合い現地の生活スタイルについてざっくばらんに話しを聞いたりするなどしてお昼を過ごす…

小値賀のいいところは?」と聞くと

「小値賀の“空気”が良いところ。不便なこともあるが、自然が豊かでいい」と話していた。

「君たちは“田舎に泊まろう”の人たちじゃないの?カメラマンさん」と、笑いながら話す。

やっぱり、田舎に来た時は、民家が楽しい。

ここでも、最近始まった「古民家(こみんか)」に関する話しを聞いた。事務所のメンバーの多くは島外の人たちらしい。現在、事業は国から補助金を受けて、運営されているそうだ。(古民家の話しはこちら

小値賀には島民の家に泊まり田舎体験ができる「民泊(みんぱく)」プログラムもある。手数料として宿泊費の一部がNPO法人おぢかアイランドツーリズム協会(IT協会)に入るシステムになっている。

ぼくらは興味深い宿泊プログラムだと思うが、民泊には修学旅行生が多いらしく、子どもには、田舎暮らしの良さがわかるのだろうか…という声もあるそうだ。また、Twitterなどで「今、炬燵でテレビを見ています」というつぶやきもあるなど、寒い季節で天気が悪いと大変のそうだ。まぁ、そんな季節は、どこにいても大変だろう。

若い時はわからないことが多いかもしれないが

田舎とのつながり”の第一歩となり、思い出として残り

「そういえば、あの田舎体験よかったなぁ~」と振り返ることが出てくる。

ぼくはボーイスカウトに入っていたが、そんな経験がなければ、今やっているようなことをしていなかったかもしれない…

森さん夫妻は面白いですし!“民泊”に参加したらいいじゃないですか!」と言うと、「なに?!洗濯体験でもさせるの?!」と、ひさこさんがクリーニング屋さんならではの突っ込み発言をする。ひさこさんのそんなシンプルな突っ込み発言が実に面白い。

自給自足は難しい」という話しにもなった。さすがに田舎でも完全な自給自足生活をすることができない。「現金をどうやって払うのか」という課題がある。「お金がいらない時代はよかった。今では一日でも現金がいらない日はない」と…

荷物はここにおいちょっていいから島巡りをしてきなさい」と「あと、今夜、お風呂入って行きなさい」と、すごくありがたい言葉をいただいた。

ひさ子さんが、正月用のお椀でお味噌汁をだしてくれると、松永さんは、「今日、これは正月のお接待だぞ~。こっちは、そんなの出されたことないのに、あんたたちは旅行中なのに、正月気分だね」と冗談を言い笑ったり、「あー!鎌倉の人と飲んでると、こっちも酔っ払ってきた」と、皆昼から、お寿司、揚げ物、グレ、ビール、焼酎を飲み食べながら話す。

方言の話にもなり、長崎やその他本土の方言は、「じぇんじぇんわからへん」と…

小値賀の方言をいくつか教えてくれた。

・「おんつあん」 ⇒ おじさん。

・「ほこる」 ⇒ 怒る(小値賀弁独特)

・「ばってな」 ⇒ しかし

・「あいかれ」 ⇒ バカたれ

・長崎では、「何しようか?」を「なんばしよっとか?」だが、小値賀では「なんばしよっとな」、「なんばしよっとらぁ」となるそうだ。

ひさ子さんは、卓球やバトミントンをしていて、途中で、卓球をするために、外へ出て行った。

時間はまだ13:30…

これからぼくらは、ぼくらと同じ湘南エリア出身で、小値賀に移住し就農した“ぶうさん”と美保さん宅へ向かう。(続きはこちら

<前回のエピソード 『day 87.1 小値賀の“古民家”や“民泊”プログラム』>

<次回のエピソード『day 87.3 五島列島・小値賀の“ぶうさん”とブロッコリー』>

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IKU - INAKA Backpacker

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1979年1月生まれ、東京生まれ鎌倉と米オレゴン育ち。鎌倉の中学校卒業後、オレゴン州の高校と大学を卒業。現在、石川県鳳珠郡穴水町岩車在住。ソニーやPR会社で広報業務に約10年間携わり、2010年10月、ライフスタイルの選択肢を増やすべく、日本の田舎/地方を中心に、テント・寝袋・自炊道具などを担いだバックパッカー旅を開始。以後2年半にわたり旅を続ける。「テント」ベースから、2012年5月以降は「バン」ベースのバックパッカーになりバンライフ開始。2013年5月、人口約100人の限界集落 能登半島・石川県穴水町岩車に移住。現在は、「田舎への旅」と「田舎でのライフスタイル」の二つを軸に、田舎旅やライフスタイルの情報発信、都市部の人たちが能登の暮らしを体感できる「“ざっくばらん”な田舎ライフスタイル体験」の提供を行なうほか、東京のスタートアップ/ベンチャー企業、移住先・能登や静岡県の中小企業の広報サポート、地域活性プロジェクトサポートにもリモートワークで従事。また、ブログやウェブ制作、写真、執筆活動なども行なっている。移住先で自宅がある岩車の隣の地区 穴水町川尻では、シェアハウス・サテライトオフィスなど多目的・多機能の「田舎バックパッカーハウス」、そこに併設する“住める駐車場”であり長期滞在可能な車中泊スポット「バンライフ・ステーション」も運営。現在、東京の“バンライフ”のCarstay(カーステイ)で広報責任者として関わりつつも、静岡県島田市で幻のきのこ“はなびらたけ”「ホホホタケ」を生産する大井川電機製作所、石川県輪島市では国産漆だけでアート作品をつくる“芯漆(しんしつ)”の山崖松花堂などの広報を担当する。移住先・石川県穴水町岩車で育てられた牡蠣の販売もサポートする。

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コメント

    • ei
    • 2012年 5月 24日 6:17pm

    ふふふ。<br />読んでるだけでも楽しいです☆<br />「まっちょった!」で爆笑しました。

    • 「まっちょった!」いいよね!すごく明るい夫婦だったよ~。奥さんの突っ込みもホント面白かったし。

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