2011.02: <九州>福岡県(小呂島)・長崎県(池島・五島列島)

day 85.6 五島列島・宇久島(長崎県)と大宰府(福岡県)の夕べ?! ~宇久島と大宰府のつながり~

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201124日(金)ぼくらバックパッカー観光協会の猪鼻聡さんは、寺島の散策を終え、16:45ごろ寺島を出発して、17:00ごろ、宇久島に戻った。

寺島に行っている最中、ぼくはバックパックのことが気になっていた。
寺島へ行く前、「昼にビールを買う人は少ない」と酒屋「エトワール」の絵美さんから言われ、お酒が入った冷蔵庫前に重い2つのバックパックを置かせてもらったまま、寺島へと出かけて行った。時間はもう17:00
「かなり重いし、もうそろそろビールを買いに来る人たちがいるだろうし…邪魔になっていないかな…」と、お世話になっていることから仕事の邪魔はしたくない。結構そんなことを気にしてしまう自分。
仕事帰りの人たちがビールを買っていくんだろうなと思い、「バックパック重いし、大丈夫かなー」と心配して、絵美さんの酒屋「エトワール」に戻った。
「絵美さん、ごめんなさい。遅くなってしまって…」とエトワールに入ると、ぼくらのバックパックが見当たらない。
絵美さんは既に、ぼくらの重いバックパックを車に積んで、自宅に移動してくれていた。さすが、重いお酒の持ち運びをしているだけある…力持ちだ。
絵美さんは、島の人たちをよく知っている。お客さんがどの煙草を吸うかもよく知っている。
ここでは1カートンの煙草を買うと、ライターが一つついてくる。酒屋には、プレミアムモルツ、エビスなどのビールが置かれてないことに気付いた。島では高いお酒が売れず、発泡酒が売れているそうだ。どこも売れ筋は変わらない。
ぼくらと絵美さんは、「エトワール」でビールを飲み、会話が始また。絵美さんは子どもたちと仲が良く、どんなトピックについても話し合ったり、相談したりするそうだ。出会いなどの恋話もしやすいそうで…なんと言うか、子どもたちの母親でもあるが、“友だちでもある”お母さんという感じである。きっと子どもたちも、友だち感覚で何でも話せるんだろうなぁ、という雰囲気。また、何に関しても“ワクワク”感ある雰囲気を持っている。
お店のお客さんたちとも仲が良く、「一緒に飲む?一杯飲んできな」と声をかける。絵美さんのこの“ざっくばらんな”雰囲気もまたいい。
絵美さんはすごく人気がある。お店には、島のいろんな人たちが集まり、お店の常連でもあり、みんな絵美さんの友人にも見える。人をよせつける絵美さんのパーソナリティもあるんだろう。
「旅で洗濯物もたまっているでしょ?うちで洗濯もせん?島にはコインランドリーないけんさ」と親切なオファーもいただいた。今回の旅出発以来、実は一度も洗濯をしていなかったので、すごく助かった。
さて、実は今夜、猪鼻さんに飲み会に誘われていた。猪鼻さんは、福岡県大宰府(だざいふ)出身の人から家を借りている。今夜その家のオーナーが宇久島に来ていて、みんなで宴会をするとのことだった。「よかったらおいでよ」と、猪鼻さんが誘ってくれたのだ。

長崎県 五島列島 宇久島と大宰府の夕べ 愉快な仲間たち
18:50ごろ、絵美さんの家を出て、猪鼻さんの家に到着。ここはどうも民宿っぽい…
家の中に入ると…
美味しそうな料理の、皿うどん、天ぷら、この日釣れた魚の刺身など、テーブルいっぱいにご馳走が用意され、飲み会が始まっていた。
おー!なんかすごく楽しそうな宴会だ!
この宴会にいた人たちは、ぼくと結花の他、今日宇久島の役場/観光協会で出会った福井さん、同じく役場の安永則子さん、宇久島のJA組合長 神原国昭さん、福岡県大宰府市役所の石橋正直さんと宮原仁さん、神原さんの奥さん、福井さんの奥さん。
猪鼻さんが住んでいるこの家は、旧・民宿で、太宰府の石橋さんから借りている。
「ん?宇久島のこの家は、大宰府の石橋さんの家?!一体どういうことなのだろか…」

長崎県 宇久島と大宰府の夕べ 今日猪鼻さん(右)と出会い飲みに誘ってもらった
福岡県太宰府で働いている石橋さんはここ2030年、釣りで宇久島に来ている。宇久島が好きで、この旧・民宿を別荘として購入したそうだ。しかし、石橋さんは頻繁に宇久へ来られるわけではないので、石橋さんが不在のときは、福井さんが家を管理している。
福井さんと石橋さんの繋がりは、“天満宮”。石橋さんが住む大宰府には、菅原道真(すがわら の みちざね)が祀られた天満宮の総本社 大宰府天満宮が、宇久島には、天満宮の氏神である道真が勧請された宇久島神社がある。

“天満宮”で宇久島と大宰府がつながっていることを耳にした石橋さんは、詳しい話しを役場の福井さんから聞き、そこで二人の関係が始まったわけだ。
意気投合した二人は2002年、天満宮の菅原道真没後1100年大祭の一環として、福岡県の太宰府天満宮で、宇久島の物産展も開催した。
ちなみに菅原道真が祀られている大宰府天満宮では、25年に一度、大祭があるそうだ。菅原道真が、8456月“25”日に誕生し、9032月“25”日に亡くなったことから、“25”が大切な日とされている。
そんな“シンプルな神社のネットワーク”から、地方同士がつながった

長崎県 宇久島で飲んだ南薩摩 焼酎「財宝」
この焼酎が結構美味しかった
年齢を聞かれ、「結花は29歳、ぼくは32です」とぼくが返答すると
「あ、じゃぁ、たすと61か…」と石橋さん…
「じゃぁ、私たち夫婦の年齢たしたらどうなるの?!」と奥さんたち…
と、愉快な会話があったりするなど…なんか愉快な飲み会だ!
また、宇久島の活性化を願う福岡県在住者らで発足した宇久島応援団「宇久じまん会」があるらしい。とりあえず、宇久島について、ひたすら“自慢”し、宇久島の活性化に貢献する“応援団”だそうだ。そんな話しも聞いた。
明日、宇久島では、牛の競り「牛市」が開催される。宇久島で育てられた牛が、佐賀牛、松坂牛などになるそうだ。宇久では生後約8カ月の子牛を売り、他地域など販売先で最終の仕上げがされる。約8カ月間、牛は宇久島で育てられ、その後、買われる先で、独特の飼育方法により、十数ヶ月育てられる。
JAの神原さんは明日、競り「牛市」に行く予定だそうだ。宇久島に来て、牛のことばかり聞いている気がする…ぼくらもおそらく明日「牛市」を見学しに行こうと思っている。
島はいいと思うんですけど、なんで住まないんですか?」と、みんなに意見を聞いてみた。
「若い時はいいけど、歳を取ると病院がない」、「島には販路のハンディキャップがある」、「魚が採れなかったり漁業は難しい。農業のほうがいい。ただ島だと鮮度が落ちる。また、ブランドなどなんらかの付加価値をつけて販売しないと難しい」、「アイターンで来た人たちも、雇用先がないから、大体出て行く」などと話す。
しかし、なにかをしないと、過疎化の初期段階に入ってしまう。人口が多いうちに、なんらかの手を打ったほうがいい。隣の寺島や前に行った池島のように、極端に人口が減る可能性もある。(長崎の池島についてはこちら
そんなこんなを話しながらも愉快な飲み会が続く。
焼酎やビールなどお酒を飲んで、皆さんが作った料理や石橋さんと宮原さんが釣った魚をご馳走になった。新鮮な魚から皿うどんまで、全ての料理が美味しかった。
奥さんたちと料理の作り方でも盛り上がる。
ざっくりとここに記録した作り方をそのまま載せよう。
皿うどんの秘訣は牛乳だそうだ。その他、中華味の元、塩、胡椒、ごま油、バターなどを混ぜて作るそうだ。っとかなりざっくりとまとめる…

長崎県 宇久島と大宰府の夕べ 皿うどん、釣った魚、お酒などご馳走だらけ…
豆腐料理も美味しかった。
木綿豆腐を切って、新聞紙とキッチンペーパーに包んで水を切る。その上に重しになる軽いものを置く。置くこと23時間。そして塩揚げ。
お水の中に昆布と鰹節を入れて出汁をとる。出汁を取り、薄口醤油、お酒、砂糖を入れて茹でて、最後に揚げた豆腐を入れる。そして、20分ほど煮る。
などなどと…話しをしているうちに時間は経ってしまった。
今日、絵美さん宅でお世話になるので、帰りが遅くなると迷惑になってしまうので、22:00前に飲み会を失礼して、絵美さんの家へと戻った。
今回の旅では、ありがたいことに、テントを張って、外で寝ることが少なかった。
島の人たちと一緒に過ごすことで、テントの中では見えないことが沢山見えている。
またテントやバックパックはありがたいことに…地元の人と触れ合うきっかけになることを学び始めた…
明日は牛市そして次の小値賀へと向かう
宇久島は、大きな町、解放感ある島。小値賀は、昔のものを大事にして、あまりお金を使わない。古民家(こみんか)も沢山あるそうだ。お金を使う、競争心、見栄を張るなどの文化があるのは宇久島。小値賀は、島外でお金を使わず、地元でお金を使う。小値賀では、「民泊」と「古民家」事業を展開しているそうだ。宇久島が佐世保と合併したとき、小値賀は佐世保と合併しなかった。現在でも一つの自治体。“みんなで一緒に島を元気にさせよう”という強い意志がこの島にあるそうだ。
五島列島…島それぞれに異なる文化があるようだ(続く

<前回のエピソード 『day 85.5 長崎県 五島列島 寺島(人口14人)で印象に残った一人のおばあちゃんの言葉』>

<次回のエピソード 『day 86 五島列島・宇久島と小値賀の子牛の競り『牛市』へ バックステージも特別見学 ~生きている牛は同じように見えるけど…“美味しい牛”ってどう判別するのか…?高級ブランド牛が宇久から産まれる~』>

IKU - INAKA Backpacker

投稿者の記事一覧

1979年1月生まれ、東京生まれ鎌倉と米オレゴン育ち。鎌倉の中学校卒業後、オレゴン州の高校と大学を卒業。現在、石川県鳳珠郡穴水町岩車在住。ソニーやPR会社で広報業務に約10年間携わり、2010年10月、ライフスタイルの選択肢を増やすべく、日本の田舎/地方を中心に、テント・寝袋・自炊道具などを担いだバックパッカー旅を開始。以後2年半にわたり旅を続ける。「テント」ベースから、2012年5月以降は「バン」ベースのバックパッカーになりバンライフ開始。2013年5月、人口約100人の限界集落 能登半島・石川県穴水町岩車に移住。現在は、「田舎への旅」と「田舎でのライフスタイル」の二つを軸に、田舎旅やライフスタイルの情報発信、都市部の人たちが能登の暮らしを体感できる「“ざっくばらん”な田舎ライフスタイル体験」の提供を行なうほか、東京のスタートアップ/ベンチャー企業、移住先・能登や静岡県の中小企業の広報サポート、地域活性プロジェクトサポートにもリモートワークで従事。また、ブログやウェブ制作、写真、執筆活動なども行なっている。移住先で自宅がある岩車の隣の地区 穴水町川尻では、シェアハウス・サテライトオフィスなど多目的・多機能の「田舎バックパッカーハウス」、そこに併設する“住める駐車場”であり長期滞在可能な車中泊スポット「バンライフ・ステーション」も運営。現在、東京の“バンライフ”のCarstay(カーステイ)で広報責任者として関わりつつも、静岡県島田市で幻のきのこ“はなびらたけ”「ホホホタケ」を生産する大井川電機製作所、石川県輪島市では国産漆だけでアート作品をつくる“芯漆(しんしつ)”の山崖松花堂などの広報を担当する。移住先・石川県穴水町岩車で育てられた牡蠣の販売もサポートする。

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