2011年2月2日(水) – ぼくらは今日、池島(いけしま)(長崎県)を出発する。
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長崎県 池島散策も終わり、定期船で大瀬戸へ戻るぼくら田舎バックパッカー。 今日は雨が降りそうだから、バックパックに雨避けのカバーをしている |
池島では、ありがたいことに、親切なIさんに2日もお世話になった。Iさんもこの日、本土へ行くと言う。おそらく、ぼくらと同じ定期船に乗る予定だ。
ちなみにこれで、3泊続けて、旅先で出会った人の家に泊めていただいた。田舎の人たちはフレンドリーだし、親切だ。 “ざっくばらんな”雰囲気もいい。
とりあえず、ぼくらは、池島から大瀬戸へと向かう定期船の時間まで、島の憩いの場所「長崎市設池島総合食料小売センター」へと向かった。池島の一日はここから始まるのだ。
憩いの場所にある、ストーブの上には、ヤカンを置いたり…給食用の銀の箱で、なんと!おでんを作ったりもしている。おでんまで煮込むとは、上手いストーブの活用方法だ。って、石油ストーブ使っている人って、普通にこんな使い方をしているのだろうか。
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長崎県 池島 さて次はどこへ向かうか…と帝国書院の地図を広げるぼくら |
脇山鈴子さんの「かあちゃんの店」のかつ丼はかなり美味しかった。次いつこのかつ丼を食べられるかわからない…それを考え始めたぼくと結花は、「ちょっと、またかつ丼とちゃんぽん食べたいよね…」モードに入ってしまった。
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長崎県 池島 「かあちゃんの店」での最後のかつ丼 |
まだ朝食を食べたばかりだったが、「まぁ、お昼の早飯と思って食べればいいか~…」と、忙しそうにお弁当を作っていた鈴子お母さんに「またかつ丼とちゃんぽんをお願いしてもいいですか?」と…最後にまた食べてしまった。2日連続のかつ丼である。
昼食後、ストーブの憩いの場所で、池島中央会館の管理人の木山利昭さんと出会った。
ぼくらが昨日、池島散策中に、中央会館に立ち寄り、中に展示されていた池島炭鉱に関する写真を見たことを木山さんに話し、「ヘルメットが机にセットされていましたね」と、木山さんに問いかける。今週末、関東の学生が池島に炭鉱見学に来るため、その準備で、公民館に、炭鉱の写真などを展示しているそうだ。
「写真だけじゃなくて、よかったら、池島炭鉱に関するビデオでも見ていくか?」と言ってくれ、ぼくらは、中央会館で池島に関するビデオを見させてもらうことになった。(この時の内容はこちら)
ちなみに池島炭鉱の見学は有料で、一般3,290円、中学生2,670円、小学生2,060円。
かなり高いような気がするが、炭鉱内の列車などを走らせ、炭鉱見学で島を存続させようとしているのであれば、妥当な金額なのだろうか。
さて、朝の10:00ごろにかつ丼を食べて満足したぼくらは、バックパックを担ぎ、次の“田舎”に向けて、出発する。池島の定期船発着所へ行かなければ。
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長崎県 炭鉱で栄えた池島を後に、次の田舎へと向かう生馬と結花 |
定期船の発着所に行く途中、池島出身のおばあちゃんとすれ違い、「おはようございます」と話しかける。そんな大した会話をしたわけではないが、おばあちゃんが「人がいなくなって寂しいよ」と笑顔で言っていたことが印象深かった。
これだけ建物があって、極端に人がいないと、確かに寂しく感じる。建物はあるけど、そこには人の動きがない。窓から誰も顔をださない。想像できるだろうか?
そんなことを考えていると、炭鉱見学だけでなく、島での定住呼び込みにも力を入れるべきとぼくは思ってしまう…。
(池島のアパートについての記録“歩けないアパート”たちは…こちら)
瀬戸内海であった、「瀬戸内海国際芸術祭」では、島のいたるところにオブジェなどを置いて、島をアートな感じに仕上げたそうだ。
これに似たような発想かもしれないが、池島のゴーストタウン化されたアパートを活用して、うまく庭師などのデザイナーと連携し、アパートをアートに色づけて、池島を“アートで彩り”、活気づけるのも面白いのではないだろうか。若手を引き付ける島にもなるかと思う。
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長崎県 池島 あんなに沢山家があり、アパートもあるのに、数軒の家にしか人が住んでいない |
旧・炭鉱現場の観光も良いと思う。ぼく自身、炭鉱現場を見たい。しかし、過去に目を向けるばかりだと、“これからの池島”が創造できないと思ってしまう。炭鉱現場は残し、他の建物を活用するという発想。せめて“ゴースト化”から抜け出せれば、“寂しい”雰囲気が抜ける島になる。島民の心も、もっと明るくなるのではないだろうか。軍艦島のように、旧・炭鉱現場の観光のみで人が住まない島にならないといいが…
ぼくらは大瀬戸行きの定期船に乗りこんだが、残念ながら、Iさんはこなかった。
予定が変更になったのだろうか… まぁ、またきっとぼくらは池島へ来るだろう。
とりあえず、大瀬戸へと戻るが…さて、次はどこへ行くか。
長崎には多くの島が浮いているし、また“田舎な雰囲気”の島かなぁ。
でも、実際、島にぼくらが求めている雰囲気の場所はあるのだろうか…(続く)
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