2011.02: <九州>福岡県(小呂島)・長崎県(池島・五島列島)

day 81.4 長崎県 池島炭鉱の歴史について ~日本初の“海水淡水化装置”はこの池島で…~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2011131日(月) – さて、どんどんまじめな話しになる。次は、池島炭鉱の歴史について。

海外の炭鉱でコンサル事業を展開する三井松島リソーシスの従業員は約3040名。その他、池島には産業廃棄物のリサイクルをする池島アーバンマイン2007年設立、従業員数は約80人)がある。アーバンマインでは、廃車となった自動車のパーツ、金属などを集めて再資源化している。産業廃棄物は、主に長崎県や周辺の県から届くそうだ。

三井松島リソーシスと池島アーバンマインは、三井松島産業株式会社(旧・松島炭鉱株式会社で、設立は1913年。会社発祥の地はこの名の通り長崎県の松島)のグループ会社。ちなみに、このスーパーPine(パイン)も三井松島産業の傘下。
1952(昭和27年)に池島の炭鉱(海底)を掘り始めた。この時に近くの島“松島”から池島間の海底送電線も完成させ、徐々に炭鉱設備を整え、掘削(くっさく)を開始した。

長崎県 池島 掘る技術が進化し、機械化が進む
1958、池島港も完成し、翌1959(昭和34年)から石炭の出荷が開始された。労働力も人間の手から、マシンで炭鉱を掘り起こす“ドラムカッター”を導入、保安体制の整備も始めた。
この頃が、池島の炭鉱経済の急成長となる幕開けとなったのだ。人口も急増し、従業員アパート、発電所など、急ピッチでインフラ整備が開始された。1964年(昭和39年)、池島にスーパーマーケット「タマヤストアー」が開店。1965年(昭和40年)には、池島小学校や社宅も完備。1978(昭和53年)までで1,200戸の社宅が建設された。

長崎県 池島発電所と淡水化装置
1967(昭和42年)には、台風到来の停電対策として、池島発電所を建設。発電所の排熱を利用して、池島海水淡水化装置日本初の造水設備も完成。島内で安定した飲料水の確保もできるようになった。池島が日本で初めて、淡水化装置を導入していたなんて…

長崎県 池島 賑わったアパートと島
最も多かった池島の人口は、1970(昭和45年)頃で、8,000だったそうだ。また、最盛期、池島炭鉱の従業員は全盛期、2,400だった。生徒は1,000人以上。
炭鉱の発展に伴い、島のインフラ整備は進み、1982(昭和57年)ごろ、池島に病院も完備。総合的な治療はもちろん、入院もできるようになった。同年には、スーパーが拡大され、島であらゆるモノの購買が完結するようになった。当時、魚屋が2軒、肉屋が2軒あったそうだ。レジャー施設や道路も整備されてきた。釣り船も港に置かれ、船が豊かさのシンボルになっていた。その他、レジャーとして、池島ではボーリングが大人気だったそうだ。(続く
<前回のエピソード 『day 81.3 長崎県 池島 小さな島の技術が新興国で活かされている ~“歩けない建物”が取り残された池島…一体どんな島なのだろうか…~』>
<次回のエピソード 『day 81.5 長崎県  池島炭鉱…海面下650mの世界を“マンベルト…”“ドラムカッター…”で… ~採炭掘進の給料は…~』>

IKU - INAKA Backpacker

投稿者の記事一覧

1979年1月生まれ、東京生まれ鎌倉と米オレゴン育ち。鎌倉の中学校卒業後、オレゴン州の高校と大学を卒業。現在、石川県鳳珠郡穴水町岩車在住。ソニーやPR会社で広報業務に約10年間携わり、2010年10月、ライフスタイルの選択肢を増やすべく、日本の田舎/地方を中心に、テント・寝袋・自炊道具などを担いだバックパッカー旅を開始。以後2年半にわたり旅を続ける。「テント」ベースから、2012年5月以降は「バン」ベースのバックパッカーになりバンライフ開始。2013年5月、人口約100人の限界集落 能登半島・石川県穴水町岩車に移住。現在は、「田舎への旅」と「田舎でのライフスタイル」の二つを軸に、田舎旅やライフスタイルの情報発信、都市部の人たちが能登の暮らしを体感できる「“ざっくばらん”な田舎ライフスタイル体験」の提供を行なうほか、東京のスタートアップ/ベンチャー企業、移住先・能登や静岡県の中小企業の広報サポート、地域活性プロジェクトサポートにもリモートワークで従事。また、ブログやウェブ制作、写真、執筆活動なども行なっている。移住先で自宅がある岩車の隣の地区 穴水町川尻では、シェアハウス・サテライトオフィスなど多目的・多機能の「田舎バックパッカーハウス」、そこに併設する“住める駐車場”であり長期滞在可能な車中泊スポット「バンライフ・ステーション」も運営。現在、東京の“バンライフ”のCarstay(カーステイ)で広報責任者として関わりつつも、静岡県島田市で幻のきのこ“はなびらたけ”「ホホホタケ」を生産する大井川電機製作所、石川県輪島市では国産漆だけでアート作品をつくる“芯漆(しんしつ)”の山崖松花堂などの広報を担当する。移住先・石川県穴水町岩車で育てられた牡蠣の販売もサポートする。

関連記事

  1. day 90.2 五島列島 野崎島 世界遺産暫定リスト「長崎の教…
  2. day 85.6 五島列島・宇久島(長崎県)と大宰府(福岡県)の…
  3. day 93-94 バックパッカー夫婦、鎌倉へ一時戻る ~九州を…
  4. day 74 福岡県博多へ 夜行バスで。っとその前に“事件”発生…
  5. day 90.4 世界遺産登録が近い五島列島 野崎島 出発45分…
  6. day 84.6 五島列島・宇久島(長崎県) またも…お風呂から…
  7. day 88.1 五島列島 小値賀島 ブロッコリーとカボチャ農家…
  8. day 87.3 ブロッコリーの“ぶうさん”(今田光弘さん)と初…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


VANLIFE特集 バン・車に暮らすとは?

VANLIFE Feature article バンライフ 特集 車上生活 車中生活

Pickup Post

best yakiniku bbq meat in gotanda tokyo 五反田 最高の焼肉 うしごろ バンビーナ “ほどよい都会” 五反田の“スゴイ”焼肉店『うしごろ』 ~ “食”ブロガー一押しの焼肉 ~ 穴水町議会 一般質問 移住定住が焦点に 役場側の答弁は?! 日経 可動産,可動産 不動産,バンライフ,車上生活,車 オフィス,車 書斎 【メディア掲載】日経本紙2面<総合・政治1>に『不動産より可動産』?! 田舎 地方 仕事, フリーランス 広報, 田舎暮らし 仕事 【田舎で仕事 – 広報】日経産業新聞1面に ~ 足を運ぶことで… ~ ウミネコパーラー 石川県 穴水町 看護師 足立秀幸 土倉菜々香 かき氷 カフェ スコーン Anamizu Shaved Ice Kakigori cafe 【田舎で仕事『広報』】辺鄙なスポットのかき氷屋が多くのメディアに載る理由

日本初の住める駐車場・車中泊スポット「バンライフ・ステーション」併設型 シェアハウス in 能登・石川県穴水町

能登・石川県穴水町岩車の牡蠣<かき>販売サポート中!

Selling Oyster from Noto Anamizu Iwaguruma Ishikawa 能登 穴水町 岩車 牡蠣販売
石川県 子育て,石川県 移住,石川県 移住者,穴水町 子育て,穴水町 小学校,穴水町 川尻,穴水町 移住者,能登 田舎, 能登 移住者, 田舎 学校, 田舎 小学校,向洋小学校
  1. 石川県 子育て,石川県 移住,石川県 移住者,穴水町 子育て,穴水町 小学校,穴水町 川尻,穴水町 移住者,能登 田舎, 能登 移住者, 田舎 学校, 田舎 小学校,向洋小学校
  2. 能登半島地震 石川県穴水町, 改修, 田舎バックパッカーハウス
  3. アソモビ2024 in Makuhari
  4. 石川県 子育て,石川県 移住,石川県 移住者,穴水町 子育て,穴水町 小学校,穴水町 川尻,穴水町 移住者,能登 田舎, 能登 移住者, 田舎 学校, 田舎 小学校,向洋小学校

車中泊スポットを探す!

vanlife RV station バンライフ 車中泊 車旅

Pickup Post

  1. 鎌倉 樹ガーデン 穴場 カフェ
  2. 旅の背景 理由 田舎旅 バックパッカー backpacker background in Japan
  3. 中津川

ランキング

人気の投稿とページ

【令和6年能登半島地震】石川県穴水町でオープン中のお店一覧と営業時間情報など(3月22日現在)
一般人のテレビ出演、どれぐらいお金をもらえるのか?
day 76.6 福岡県 小呂島 EXILEのミュージックスクール特待生 島田乾生くん家族とバックパッカー夫婦の夕べ
【能登の田舎からのつぶやき】「アソモビ2024」開催中止
漁師直送!水揚げ直後の能登牡蠣<のとかき>最速翌日お届け!石川県穴水町岩車産の牡蠣 注文・販売!ペイペイにも対応!
住める駐車場「バンライフ・ステーション」の入居者・秋葉さん夫婦 ~ 旅 開始約1カ月で「新型コロナ」騒動に ~ < 2話目 >
day 81 長崎県大瀬戸町『岡﨑製パン所』を見学 そして 次の旅先へ
能登半島・石川県穴水町の田舎暮らし体験シェアハウス、長期間 車中泊滞在“バンライフ移住”可能な“住める駐車場”『田舎バックパッカーハウス Station 1』について
奥能登・穴水に移住看護師がオープン かき氷カフェ『ウミネコパーラー』
【カーステイ車中泊スポットレビュー】500円で車中泊 都会の24時間オープンお風呂カフェ
PAGE TOP