2010-12 Backpacking Shikoku Islands - 四国へのバックパッカー旅

day 44.1 徳島県 上勝町から小松島 焼肉屋『団十郎』へ ~ 『心配性で作戦好きなお姉さん』との出会い ~

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バックパッカー 中川結花子


 

2010年12月8日(水) – 大量のみかんが入ったビニール袋を持ったお姉さんは、バスの席に座ると4つのみかんを持って立ち上がりぼくらの席に向かってきた。(前回のストーリーはこちら

ぼくらに「はい」とみかんを渡してくれた。「あっ…ありがとうございます!」とぼくら。

お姉さんとの出会いはまず、その「はい」から始まった。

 

心配性なお姉さん

バスの中では、特に話してないが、日赤病院前で降りると、バスの運転手が「あのお姉さんにいろいろ周辺について聞いてごらん」と言って、バスは行ってしまった。

お姉さんは、「無茶ぶりやなー。でもあの運転手さんなー、私の結婚式で、仲人やってくれたから、頼みは断れんのよ」と困ってそうな一声。

お姉さんはみかん農家に嫁いだそうだ。

ここからだ。ぼくらは、お姉さんのありがたい心配性にハマり、中々抜け出せなくなる…。

お姉さんは、ぼくらの旅について、なにかと心配しているのだ。

バス停から「ちょっと作戦練ろうか」と言う。「ほぉー作戦かぁ…」と思い、ぼくらが行く予定の伊島について話す。

すると「今日どうするの?寒いよ?どこ泊まるの?夜ご飯はどうするの?」と、ぼくらを質問攻めにし、お姉さんが心配していることが伺える。

「んー…どうしよっかねー」とお姉さん。ぼくらは「まぁ、なんとかするので大丈夫ですよ」とお姉さんに話すが、なにかと聞こえていない様子だ…

とりあえず、日赤病院内に入り、トイレへ行き、バックパックをベンチに置いて対策を練る。

またまた…「作戦練ろっかー…」から始まり、「ちょっと待ってな」と、お姉さんは電話をしに行ってしまった。

 

泊まるところがないということがこんなに人を心配させるものなのか…

そう。この人は、大の作戦好きな人なのだ。

「そこまで心配しなくてもいいのにねぇ…」と、お姉さんの心配はありがたいが…小松島周辺をそこまで知らないので、「この場所でこうしよう」という発言が言えないので若干困るぼくら。

「何とかしますから、大丈夫ですよ」と何度も言ったが、どうも放ってはいけない性格のようだ。

伊島への定期船が出ている港「答島(こたじま)」や阿波橘駅(あわたちばな)周辺には公園がないことや、答島がラーメン屋「豚太郎」の近くにあることを、お姉さんは旦那さんに連絡して調べてくれた。

そんなこんなを話しているうちに、ぼくらは今夜の寝床についてお姉さんと話す。

赤十字病院近くには、大きな公園「小松島ステーションパーク(こまつしまステーションパーク)」がある。

とりあえず、お姉さんと一緒に、この公園へと向かった。

この公園内には、高さ約20メートルの大きなタヌキの銅像があるのだが、正直、夜見ると少し気色悪い。

昭和の映画『阿波のタヌキ合戦』やジブリの『平成狸合戦ぽんぽこ』などでは、徳島が舞台となり、その映画に登場したタヌキが小松島のタヌキであったことから、この公園内にタヌキの銅像が建てられたそうだ。

多くの人たちがこの公園で犬の散歩をしている。公園の入り口あたりで、4匹の犬を連れて散歩をしていたおじさんとすれ違った。

また、この公園には、野良猫が多い…。「テントを猫に引っ掻かれたら嫌だなー」と、そんなことを考え、とりあえず公園を後にする。

ここからお姉さんの更なる案内が始まる。最寄りのJR牟岐線(むぎせん)の南小松島駅も案内してもらう。

駅へと行く途中、焼肉屋があった。ぼくらは「あ、焼肉屋だ…行きたい」という気持ちになった。

実は、神山町から上勝町への山越えが終わり、上勝町を出るときに、ぼくらは「町に出たら焼肉食べようね」と話していたのだった。

が、お姉さんは、「あそこはちょっと君たちのお財布に合わない」ようなことを言われてしまい…、ぼくらを、お薦めの「ワイルドな」うどん屋へと連れて行こうと、うどん屋へとお向かう。

ここまで案内してもらい、焼肉屋へ行くのは悪いし、確かに焼肉は高額だ…

きっと、お姉さんからいろいろとお話が聞けると思い、焼肉は諦めた。

さー、ぼくらはまず南小松島駅に着き、駅に湧いている美味しい水「のぞみの泉」を飲む。

ここの水はすごく美味しく、プロの料理人も活用しているらしい。

その後、お姉さんお薦めの「ワイルドな」うどん屋へと向かう。このうどん屋は、安くて美味しいらしく、お姉さんは「ダーリン」とよく行ったらしい。

お姉さんと旦那さんはラブラブのようで、「ダーリンが…」とお姉さんは頻繁に話す。

さて…うどん屋に着くと…なんと!うどん屋はお休みだった。「残念」と思いつつ、「お!これで焼肉屋へ行けるかもしれない!」と思ってしまったぼくら。

その後、とりあえず公園へと戻る。お姉さんは、かなりぼくらを心配していて、「ご飯どうする?公園に泊まるの?」と、10回ぐらい繰り返し聞いてくるのだった。

ぼくらは、「大丈夫です。何とかします。いざとなったら、ご飯も作れますし。いつも公園とかで寝ていますし」と言っても、中々ぼくらから離れない。

これが20分ぐらい続き、お姉さんは自転車で帰っていった。

 

念願の焼肉屋へ

ぼくらの「焼肉タイム」がようやくきた。

ぼくらは、焼肉屋「団十郎」(徳島県小松島市小松島町字新港43-8, Tel. 0885-33-3013)に入った。「あー、ちょっと贅沢しすぎか…山越え後のご褒美の焼肉だ!」と、よくわからない言い訳で団十郎に入って行った。

「団十郎」は徳島県にいくつかお店を出していて、ぼくらが入った小松島の「団十郎」は本店だそうだ。

現在、徳島市にもあるそうだ。オーナーはここにいた じゅんこさん。

この「団十郎」のお肉はかなり美味しいのだ。

ぼくらは、ニンニクと青ネギがのった牛タン塩をかなり気に入ってしまい、三皿も頼んでしまった…

団十郎 徳島 焼肉

【徳島県 小松島市 焼肉屋「団十郎」の牛タン塩】

団十郎 徳島 焼肉

【徳島県 小松島市 焼肉屋「団十郎」のハラミとカルビ】

ここで焼き肉を食べていると旅について、オーナーのじゅんこさんから聞かれ、ぼくらが旅の理由などについて話すと、団十郎のじゅんこさんは共感してくれた。

そして、ぼくらは新しい町に来ると必ず聞く質問「近くに温泉か銭湯はないですかね?」とじゅんこさんに聞いてみた。

今日も結構歩き汗もかいた。焼き肉の後には、服に”おいしい“香りがついてしまう。

この近くには銭湯「日の峰温泉」(徳島県小松島市小松島町字北浜49-1, Tel. 0885-32-1417‎)があるそうだ。

じゅんこさんは、「荷物重いでしょ。必要なものだけ持って、銭湯に行っておいで」と親切に言ってくれた。

ぼくらはじゅんこさんの言葉に甘えて、荷物を置いて、銭湯へと向かった。「団十郎」からは約10分で「日の峰温泉」に到着。

「日の峰温泉」には人が入っていなかったので、ゆっくりシャワーを浴びて、お風呂に入る。女湯と男湯の両方には、途中からぼくらのみ。

「日の峰温泉」から焼肉屋「団十郎」に戻ると、「団十郎」に漁師の人がカウンターに座って、じゅんこさんと話している。

漁師の名前は、いうちさん。見たところ、いうちさんはここの常連さんだ。いうちさんは「瀬戸内海の魚は美味しい」と連発。

捕れる魚について聞いてみると、3月~10月の間、このあたりでは、高級魚の鱧(はも)、冬はイカと太刀魚(たちうお)が獲れるそうだ。

鱧は京都の高級料亭なので出される。鱧を出荷している国の競合は韓国とのことだったが、「韓国の鱧は皮が固いから日本の方がお薦めだ」と話す。鱧…ぼくは聞いたことがない魚だった。

鱧は穴に住む。空気を吸うときに垂直に水面へと上がってくる。

「そこを横から網で捕る」と、いうちさんは話す。ぼくが「本当ですか?」と反応すると、「嘘は言わん」と、いうちさんは必ず言うのだ。

いうちさんの口癖は、「嘘は言わん」という発言で、「本当ですか?!」と言うと、大体が「嘘は言わん」と返される。

実に柔らかくて愉快な人だった。

団十郎 焼肉

【徳島県 小松島市 焼肉屋「団十郎」で出会った漁師のいうちさん いろいろと魚について教えてくれた。「嘘は言わん」が口ぐせ】

そんなローカルな焼肉の「団十郎」には、オーナーのじゅんこさん、さっちゃん、さっちゃんのお母さんが勤めている。

団十郎 徳島

【徳島県 小松島市 焼肉屋「団十郎」(左から)じゅんこさん、さっちゃんのお母さん、さっちゃん 優しいじゅんこさんは、ぼくら二人に3個ずつおにぎりを作ってくれた。(ありがとうございました!)】

バックパッカー 中川結花子

【徳島県 小松島市 焼肉屋「団十郎」で。美味しい牛タン塩とハイボールでピース!】

団十郎 小松島

【徳島県 小松島市 焼肉屋「団十郎」漁師のいうちさんと、優しいオーナーのじゅんこさん】

団十郎

【徳島県 小松島市 焼肉屋「団十郎」】

 

ほそぼそとテントを張る田舎バックパッカー

ぼくらは、小松島の「小松島ステーションパーク」に行き、屋根の下にベンチが設置されている場所にテントを張って寝た。

明日、朝から雨が降るらしい。

ぼくらは、屋根の下にテントを張ったが、固定されたベンチが屋根の下にあるため、テントが少しはみ出してしまう。

まぁーしょうがない。早起きしようじゃないか。

明日、ぼくらは、どんな島だがわからない「伊島(いしま)」に入る予定だ。

伊島に行く前に、ぼくらは、ニューヨークの国連本部にも絵が飾られるほど有名な芸術家と出会う。(続きはこちら

<前回のストーリー 『day 44 徳島県 上勝町から小松島へ』>

<次回のストーリー 『day 45 徳島県 小松島の公園での『グラウンドゴルフ』と『画家っぽい』おじさん』>

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1979年1月生まれ、東京生まれ鎌倉と米オレゴン育ち。鎌倉の中学校卒業後、オレゴン州の高校と大学を卒業。現在、石川県鳳珠郡穴水町岩車在住。ソニーやPR会社で広報業務に約10年間携わり、2010年10月、ライフスタイルの選択肢を増やすべく、日本の田舎/地方を中心に、テント・寝袋・自炊道具などを担いだバックパッカー旅を開始。以後2年半にわたり旅を続ける。「テント」ベースから、2012年5月以降は「バン」ベースのバックパッカーになりバンライフ開始。2013年5月、人口約100人の限界集落 能登半島・石川県穴水町岩車に移住。現在は、「田舎への旅」と「田舎でのライフスタイル」の二つを軸に、田舎旅やライフスタイルの情報発信、都市部の人たちが能登の暮らしを体感できる「“ざっくばらん”な田舎ライフスタイル体験」の提供を行なうほか、東京のスタートアップ/ベンチャー企業、移住先・能登や静岡県の中小企業の広報サポート、地域活性プロジェクトサポートにもリモートワークで従事。また、ブログやウェブ制作、写真、執筆活動なども行なっている。移住先で自宅がある岩車の隣の地区 穴水町川尻では、シェアハウス・サテライトオフィスなど多目的・多機能の「田舎バックパッカーハウス」、そこに併設する“住める駐車場”であり長期滞在可能な車中泊スポット「バンライフ・ステーション」も運営。現在、東京の“バンライフ”のCarstay(カーステイ)で広報責任者として関わりつつも、モノのレンタルや借り放題事業を行う「flarii(フラリー)」、“遊び”を取り入れ人間関係“つながり”をリモートで構築する「バヅクリ」、静岡県島田市で幻のきのこ“はなびらたけ”「ホホホタケ」を生産する大井川電機製作所、石川県輪島市では国産漆だけでアート作品をつくる“芯漆(しんしつ)”の山崖松花堂などの広報を担当する。移住先・石川県穴水町岩車で育てられた牡蠣の販売もサポートする。

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