2010-11 Backpacking Shikoku Islands - 四国・瀬戸内海の島々へのバックパッカー旅

day 26 田舎へのバックパッカー旅、イリコの『伊吹島』(香川県) 旧・伊吹小学校で久保さんと出会う

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バックパッカー 四国

2010年11月12日(金) – 昨晩、ぼくらバックパッカー夫婦は、香川県の伊吹島(いぶきじま)に到着。島の旧・伊吹小学校の校庭にテントを張り、一晩を過ごした。

この日 早朝、小学校の校庭に入って駐車した軽トラックから聞こえた音で目が覚めた。

伊吹小学校を清掃しているおじさんだった。

伊吹小学校は1892年に創立。生徒の減少と校舎の老巧化などで、2010年3月で休校となり、使われてない。

4月から、伊吹中学校と併設となった。小学校は現在、休校中だが、いつオープンしても良いように、掃除をして、管理しているそうだ。

田舎旅 バックパッカー 四国【伊吹島 伊吹小学校からの眺め】

休校となった小学校では時々、小規模コンサートが開催されたりする。正月には、カラオケ大会などがあったそうだが、ここ2~3年は開催されてない。

ここで掃除をしていた久保さんから、小学校内でコーヒーをいただき、島の話を聞いた。

伊吹島の人口は現在、約700人。全盛期の人口は、1956年(昭和31年)の4,448人。

その当時、伊吹島の人口密度は、国内でもトップクラスだったそうだ。伊吹島は、6月中旬~8月末までの期間、煮干しいわし(イリコ)漁で盛んになる島で、「イリコの島」としてブランドを構築しようとしている。

 

伊吹島の産業

伊吹島には現在(2010年)、30人の漁師がいる。底引き漁といりこなど含めると、30億円の漁獲高だったそうだ。

イリコは、「そこそこの稼ぎ」で、月の給料が100万円になることもあると言う。また、毎年3月22日、伊吹島では、四国本土の霊場88ヵ寺を島内にまつり、島四国 ミニ八十八ケ所巡りがある。このための接待所もあり、多くのお遍路さんが島を訪れるそうだ。

これまで、ぼくは、「漁業や農業はお金が厳しい」と思っていた。

話を聞いていると、漁業は意外に儲かる仕事と感じた。若者を島に戻らせるために、「自分の腕で魚を捕りに行く、漁業は格好良い」、「他の仕事ではうまくいかない時もあるが、魚が捕れるときは沢山稼ぐことができ、捕れないときは稼げない」という実力主義的なイメージをもたせるなどして、漁業をより活発にできるのでは…と感じた。

また、より多くの人たちに、漁業を含め島に関する情報を継続的に発信して、島のブランドを構築し、島の活性化を図る努力をしなければ、「伊吹島に行ってみたい」という人がいなくなり、島は廃れていく一方だろう。雰囲気良さそうな島なのに…もったいない

漁業の話をして「意外と儲かるんですね」などと話していると、農業の話にもなった。久保さんの息子さんが、久保さんにした話だったそうだが、こんな話もあった。

ある農家は、農作物を育てるために、農薬を大量に使用する。

一方で、ある農家は無農薬、有機栽培など、独自で工夫した手法で、野菜を育てている。

農家によっては、野菜に「優しい」育て方で、「みんなに美味しい野菜を食べてもらいたい」という想いをもって、肥料にお金をかけるなどしている。

無農薬で野菜を育てることが難しい中、苦労して野菜を育てているわけだ。その後、野菜を農協に出荷する。

しかし、最終的には農協が値段をつける。農薬を使う・使わない関係なく、野菜は一律同じ価格となってしまうのだ。

ネットなどで自分の野菜を販売しない限り、農家は、自身で値段をつけることができない。

価格下落で、肥料などの経費がかかり、逆ざやが起きてしまうことも多々あるため、農協に出荷することでマイナスになってしまうこともあるそうだ。

このシステムでは、農家が利益をとることができず、農家が増えない。仲介業者(農協)に利益を持っていかれている。



日本は、もっと意見を言える農家にならなければいけない。

久保さんとの話は多岐にわたり、島での仕事や久保さんの家族の話にもなった。

島では、子どもが稼ぐところがないので、中学校卒業後、島に戻ってくる若者は少ないと言う。

漁師のみで、職業にオプションがない。どの島でもこれが現状だろう。こんな若者が自分の生まれ育った島に戻ることを「支援するプログラム」などの優遇体制はないのだろうか。

若手への融資や起業するためのコンサルティングやアドバイスをする窓口をつくってみるのはどうだろうか。

久保さんは中学校卒業後、鉄工所で内定をもらっていたが、両親から「食っていけるか」と怒られ、内定を取り消したそうだ。

その後、久保さんは友達の紹介で、大工の仕事についた。「家は誰もが必要なので、大工の仕事がなくなることはおそらくない」と久保さんは自信を持って話す。

そんな背景から、この大工の仕事に就いた。久保さんは、子どもにお金の心配をさせたくなかったので、どんどん貯金をしたそうだ。

25歳で結婚。久保さんは、大阪の西宮で大工をして、25~26年前に島へ戻ってきた。

久保さんの息子さんは、優しくて家族想い。観音寺のビックカメラや関東で勤務後、札幌店で副店長をした。

その後、会社を辞めて、伊吹島で病気になったお母さんの看病をするために島に戻ってきた。その後、残念ながら病でお母さんは亡くなってしまい、息子さんは現在、観音寺で仕事をしているそうだ。

娘さんは、子どもと一緒に伊吹島に住み、役場で勤務している。久保さんは笑顔で「子どもの気持ちは、いくら子どもでも、わからない」と締めくくった。

バックパッカー 四国 伊吹島【伊吹島の伊吹小学校の思い出が張られた掲示板】

バックパッカー 四国 伊吹島【伊吹島の「学校通信」】

そして、「これはよく考えたほうがいい」と、なぜかこんな質問があがった。「川で自分の妻と子どもがおぼれていた。一人しか救えない。どちらを助けるか」という難しい質問もあがった。

自分の妻は、最愛な人で、これまで一番、一緒に時間を共にしてきた。常に一緒にいた人。子どもは最愛な人と産んだ、世界で唯一ぼくらの血を引き継ぐ夫婦の分身で、二人の最愛でもある。

回答するのに苦しむ難しい質問だった… <続きはこちら>

<前回のストーリー 『day 25.1 香川県 伊吹島で高熱 ~熱で寝ぼけて…救急車を呼ばれたオレゴンでの出来事~』>

<次回のストーリー 『day 26.1 伊吹島(香川県)のイリコ(イワシの煮干し)漁 ~バックパッカー夫婦と役場 岩田支所長との出会い~』>

tabi_02_shikoku1_2010_11_0488【バイクにのりポーズを決める伊吹島の久保さん】

 

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1979年1月生まれ、東京生まれ鎌倉と米オレゴン育ち。鎌倉の中学校卒業後、オレゴン州の高校と大学を卒業。現在、石川県鳳珠郡穴水町岩車在住。ソニーやPR会社で広報業務に約10年間携わり、2010年10月、ライフスタイルの選択肢を増やすべく、日本の田舎/地方を中心に、テント・寝袋・自炊道具などを担いだバックパッカー旅を開始。以後2年半にわたり旅を続ける。「テント」ベースから、2012年5月以降は「バン」ベースのバックパッカーになりバンライフ開始。2013年5月、人口約100人の限界集落 能登半島・石川県穴水町岩車に移住。現在は、「田舎への旅」と「田舎でのライフスタイル」の二つを軸に、田舎旅やライフスタイルの情報発信、都市部の人たちが能登の暮らしを体感できる「“ざっくばらん”な田舎ライフスタイル体験」の提供を行なうほか、東京のスタートアップ/ベンチャー企業、移住先・能登や静岡県の中小企業の広報サポート、地域活性プロジェクトサポートにもリモートワークで従事。また、ブログやウェブ制作、写真、執筆活動なども行なっている。移住先で自宅がある岩車の隣の地区 穴水町川尻では、シェアハウス・サテライトオフィスなど多目的・多機能の「田舎バックパッカーハウス」、そこに併設する“住める駐車場”であり長期滞在可能な車中泊スポット「バンライフ・ステーション」も運営。現在、東京の“バンライフ”のCarstay(カーステイ)で広報責任者として関わりつつも、静岡県島田市で幻のきのこ“はなびらたけ”「ホホホタケ」を生産する大井川電機製作所、石川県輪島市では国産漆だけでアート作品をつくる“芯漆(しんしつ)”の山崖松花堂などの広報を担当する。移住先・石川県穴水町岩車で育てられた牡蠣の販売もサポートする。

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