2012.11.01 – 前回の「樫原の棚田(かしはらのたなだ)」から、先へと進み映画「人生、いろどり」のメインロケ地の一つ 石本花恵(女優:富司純子さん)の雑貨屋「石本商店」へ向かう。(前回の「樫原の棚田」についてはこちら)
そこで、お昼に、今上勝で噂の美味しい「特製スパイシーカレー」を食べに行く。
ん?!雑貨屋でカレーを食べられるの?
実はこの石本商店、映画でロケ地として活用されると同時に…15年振りに再オープンしたのだ。
でも、だからなんでカレー?!
…っと…石本商店へ行く前に、「棚田で料理教室」で学んだ「美味しいご飯の炊き方」をここの綴る。
新米収穫の季節… 炊き方をちょっと変えてみたらどうだろうか…っと、石本商店へ行く前に、前回の「樫原の棚田」編の最後にも書いたとおり、今の時期はちょうど新米収穫の季節なので、ニッポンの主食“お米”の美味しい炊き方について、ここに載せようと思う。
今からちょうど一年前の2011年10月30日の記録に遡る。
これは「第17回棚田サミット」開催期間中に行われた「棚田で料理教室」で、銀座の料亭「銀座百楽(ぎんざひゃくらく)」の店主 廣田福也(ひろた とみや)さんから学んだ貴重な体験だ。
ぼくらバックパッカーは、田舎旅の際、バックパックに約20合ちかい米と、飯盒(はんごう)を担ぎ、自炊をしている。
ぼくらが行く田舎旅先には時に、スーパーや商店が見つからないこともあり、白米のみが夕飯になることがある。そんなときはせめて、美味しくご飯を炊きたくなる。これは重要な内容だ。
そんなぼくらのようなバックパッカー、クルマ旅人、キャンパーなどが使う飯盒でも実践できる料理技の一つだ。もちろん一般家庭の炊飯器などでもできる!本当に味が違うのだ!
是非、今夜もしくは明日、お米を炊くときに実践してみてほしい。まず、できあがりの“輝き”が違うことに気づくだろうし…もちろん味と香りも全く違う。
最初に、お米は小豆(あずき)や黒豆と同じ乾燥食品ということを念頭に入れてほしい。
準備するものは、お米、ボール、炊飯器、水、米油(こめあぶら)。ん?!米油?? それはこれから説明する。
美味しいご飯の炊き方 1~8
1. 米を入れたボールに水を注ぎ、“さらっと”かき混ぜる。米を磨ぐ感覚で洗わず、手で“水と米を回転させる程度”で、約10秒を目安に、すぐに水を捨てるところが最初のポイント。これを2回繰り返す。
米は乾燥食品なので、すぐに水を吸いたがる。糠(ぬか)がついている米が、最初に入れる水を吸収してしまうと、“糠深い”お米ができあがってしまうので、さらっと表面についた糠を軽く落とす感覚で洗うわけだ。
2. 次は普通に米を磨ぐわけだが、優しく磨ぐことがここでのポイント。
まずは米が入ったボールに少量の水を注ぐ。手を熊の手にして、米に抵抗がかからないように、水が白く濁らない程度に、2~3回、優しく磨ぎ、糠をとる。
【棚田サミットで学んだ「美味しいご飯の炊き方」をみんなで実践してみる。明るく司会を務めたいろどりの滑川里香さん】
昔は“しっかり”洗えと習い、例えば、腰を入れ腕に力を入れて、米を押すように磨ぐと教わった人もいるかもしれない。プロの世界でも、昔からそう教わることが多いが、その磨ぎ方では、お米が割れてしまうだけで効果がないそうだ。
また、水を沢山入れた磨ぎ方では、お米が水の中で動いているだけで磨げていない。お米とお米が磨り合わさって、初めてお米は“磨げている”のだ。
3. 磨いで米を炊飯釜(炊飯器)に入れる。
4. その炊飯釜に、温度約38~40度のお湯を入れるのだが、気持ち若干少なめの水(氷一つ分ぐらい)を入れる。「なんで氷一つ分?」それは6で説明する.
この炊飯釜/炊飯器に入れる水の温度約40度が次のポイントだ。
蛇口から出てくる常温水や冷水を入れると習った人が多いと思う。38度から40度とは…これは一体なぜだろうか?
一言で言うと、オリゴ糖を増やすためだ。お米の旨味の元となるのはオリゴ糖。米に約40度の熱が加わると、米からオリゴ糖が生まれる。
より多くのオリゴ糖を増やすために、40度のお湯を入れるわけだ。
普通の炊飯器だと、40度の熱が釜に加わる時間がすごく短いそうだ。
ちなみに、そのオリゴ糖は、ビフィズス菌の増殖を促進させ、腸内環境を改善させる効果があり、肥満や大腸がん予防など、自然のサプリメントとなる。ちなみに、湯沸かし器のお湯は大体37度~40度に設定されているので、そのお湯を使えばいい。
5. 以上1~4をとおして洗った米を、約40度の湯につけ、夏だったら30分、冬だったら1時間ほどつける。
ただ、長時間タイマー設定で米を炊く場合、夏場、蒸れる可能性があるので、やめたほうがいいそうだ。
6. そして、炊飯スイッチをオンにする直前に、氷1~2個を炊飯釜に入れて温度を下げる。
これはおまけのポイント。4で、氷一つ分ぐらい、若干少なめのお湯を炊飯釜に入れると説明したが、その理由は、ここで氷を入れるため。
炊飯器で炊くと、米に40度の熱がとおる時間が短い。沸騰へとすぐに温度が上がる。そこでの工夫が氷を入れる技だ。氷を入れることで、少しでも沸騰までの時間を長くし、より多くのオリゴ糖を増やす。
しかし、まぁ、面倒であれば、はずしてもいいそうだ。自然にオリゴ糖が採れるようであれば、ということで、この“裏技”を教えてくれた。
7. 次に米油(こめあぶら)を入れて、かき混ぜる。この“米油”も初めて聞く人が多いと思う。
徳島県上勝町 棚田サミットで学んだ「美味しいご飯の炊き方」のポイントの一つはこの米油。
●米油って?!
米油とは、原料 米糠から抽出した植物油。米(玄米)は、精米すると、糠と米殻が取れる。この時、米本来の旨味を取ってしまっているそうだ。なので、米にこの元々の成分の米油を“戻す”ことで、こしとふっくら感が戻ってくる。 2合の場合、ティースプーン半分(2グラム)を入れる。4合ぐらいまでは2グラムで十分。一升炊きだったらティースプーン一杯ぐらい。入れすぎると炒飯のようになってしまうので、入れすぎには気をつけなければいけない。 また、米に米油を戻すということは、米本来の旨味や質を戻すということなので、よくスーパーで売っている植物油やサラダ油などは代用できない。 これら油を使うと、ピラフのようにぱさぱさした米が炊きあがるので注意。ちなみに、米油の値段は、360円ぐらいだそうだ。米油は、酸化しにくく日持ちもする。 |
8. 炊きあがったら釜の底からしゃもじで、かき混ぜて、水分をとばす。
「美味しいご飯の炊き方」で作ったおにぎりと普通にこれまでどおり炊いた米で作ったおにぎりで食べ比べてみた。
これは実際、自身が1~7の方法でお米を炊いて、食べてもらうのが一番いい。ぼくが初めて、この「美味しいお米の炊き方」のご飯を食べたとき、香りが甘く、少しモチモチしていて、これまで通り炊いたお米とは、美味しさが全然違った。
またツヤも違ってくる。普通に炊いた時は…なんとなく薄黄色っぽいが、上記のやり方で炊いた場合、米に“輝き”もある!
徳島県上勝町 これから石本商店へ…え!?ここで噂の美味しいカレーが食べられるの?!オープンしてるの??続きは次回のエピソードで
さて、雑貨屋さん「石本商店」でカレーを食べに行こう!(続きはこちら)
この棚田で収穫したお米、美味しいことは間違いないだろう。
<次回のストーリー: 『雑貨屋“石本商店”で!?今噂の美味しいカレーを食べる』>
<前回のストーリー: 『“なにかを転がしたくなる”徳島県上勝町の「樫原の棚田」 ~「田舎で仕事を創りだす…」や「自給自足」のライフスタイルについてふっと考える~』>
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