2011.02: <九州>福岡県(小呂島)・長崎県(池島・五島列島)

day 85 五島列島・宇久島の畠中絵美さんと田舎バックパッカー夫婦の出会い (長崎県)

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201124日(金)800頃、起床。

ぼくらは今、五島列島(ごとうれっとう)最北端の島 宇久島(うくじま)にいる。昨晩も重村さんの畳部屋を使わせてもらい寝袋で寝た。

長崎県大瀬戸から始まり、今日で5日連続の“民泊(みんぱく)”となる。

冬だが…一足先に温かい春に迎えられたかのように、ぼくらは温かい人たちに迎えられている。

今日も晴天。

家よりも外のほうが温かい。二泊、重村さんのお宅でお世話になった。3日連続、お世話になるのも申し訳ないので、バックパックを担ぎ、午前中に重村さんの家を出発した。

五島列島・宇久島(長崎県)「エトワール」を営む畠中絵美さん

まだ、宇久島を出る気はないのだが…
まずは、昨晩、お風呂に入らせていただいた畠中酒店「八番」へ行き、畠中さん夫妻にお礼を、次に「八番」の小店舗「エトワール」を営む畠中絵美さんにお礼をしに行った。エトワールは小さな酒屋さん。名前の「エトワール」はフランス語で“”という意味だそうだが、店の雰囲気が“ラテン”風で、居心地がいい。しばらく絵美さんとお話する。(昨晩の話はこちら

絵美さんのエトワールは約6年前に開業。
ここはもともと空き地だったそうだ。お隣は弁当屋さん。

話をしていると、昨日に続き、「野崎島はいいよ。管理人が一人と鹿が住んでいる」と、また野崎島を薦められた。“管理人”と“鹿”…だけ?!やれやれ…一体どういう島なんだか…実に気になる。

絵美さんには、23歳、21歳、19歳の大学生の子ども3人いる。2人の子どもは、国際経済を専攻、もう1人は理系。3人とも福岡に暮らし、頻繁に宇久島にくるそうだ。一番上のお兄ちゃんは国税局に就職し、3ヶ月の研修期間中だそうだ。15年後には税理士の資格を自動的に取得できるそうだ。

五島列島・宇久島(長崎県) 畠中絵美さんの「エトワール」

絵美さんは、心温かく強い女性。しかも、若い世代含め、どんな世代とも平等に話せるオーラを持っているし、話す内容も若々しくい人だった。

絵美さんの子どもたちは、みんな宇久島に戻ってきたいそうだが、島で雇用先をみつけることは難しい。

宇久島は2006に、市町村合併で佐世保市に吸収された。
佐世保市に税金が入ってしまい、以前のように宇久島 独自の予算をもっていない。島の活性化のために、自由に予算を組むことができないのが現状。

隣島の小値賀(おじか)は独立しているので、自分たちで、町を盛り上げて頑張っているそうだ。


絵美さんの伯父さんは、宇久島のガソリンスタンドを経営している。
「“”の人たちはつながっているんだなぁ」と強く感じる。ルーツをたどれば多くの人たちが親戚なのかもしれない。宇久島ではないが、福岡県の小呂島(おろのしま)では従兄弟同士の許嫁結婚が最近まであった。(その時の小呂島のストーリーはこちら

いろいろと話していると…
隣のお弁当屋さんが、絵美さんのお店に来て、「ちょっと行ってきます!」と言い、絵美さんに500円を渡して、いそいそとどこかへ行ってしまった。

ん?!なんだ?!」と思ったら、短時間、絵美さんに弁当屋さんの店番を任せたようだ。



「日中、ビールは売れんけん。荷物はそこに置いて、すぐそこの観光協会へ行ってきたらどう?」と観光協会へ行くことを薦められた。とりあえず、ぼくらの重いバックパックを店内にあるお酒が入った冷蔵庫前に置く。絵美さんは、店番を頼まれたお弁当屋さんと、自分の酒屋を行き来している。

そして、絵美さんから「今日、泊ってもいいからね!」と、
お泊りオファー”をいただいた。


先週と比べると、外はかなり温かくなってきた。気温は10℃以上あるだろうか…。
結花は、「暑い…」とコートを脱ぐ。

「絵美さんはエトワールの近くに住んでいるんですか?」と聞いてみた。
「私、今、このお店からすぐ近くの酒屋の倉庫2階に住んでるの。幸せよ」とニコニコしながら話しながら、お弁当屋さんを行き来する。その間、ぼくらは絵美さんのカワイイ3歳のトイプードルとエトワールを見守る。
「絵美さん、エトワールにお客さん来ましたよ」と、絵美さんをお弁当屋さんに呼びに行く…忙しい絵美さん。

少しの間、お店が落ち着き…
「宇久島から出るのに抵抗あったり、怖くなかったですか?」と結花。
東京大阪しか仕事がないしね。福岡は給料が少ないの。周りの人たちも東京に行くから、そんなに怖くないわよ」と。
結花の出身地・青森について話すと、絵美さんは太宰治の本が好きで、新婚旅行で恐山に行き、イタコと会ったこと…
…などなど、いろいろと話す。

五島列島・宇久島(長崎県) 二泊もお世話になった重村さんお宅の畳部屋。
ぼくらパックパッカーには十分な広さ。寒さも十分凌げた

お昼の時間が近づき、お店に煙草を買いに来る人がいたり、隣のお弁当屋さんから、店番を頼まれたりで、絵美さんはさらに忙しくなった。

ぼくらは…宇久島をもうひと散策してくるかな…(続く



IKU - INAKA Backpacker

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1979年1月生まれ、東京生まれ鎌倉と米オレゴン育ち。鎌倉の中学校卒業後、オレゴン州の高校と大学を卒業。現在、石川県鳳珠郡穴水町岩車在住。ソニーやPR会社で広報業務に約10年間携わり、2010年10月、ライフスタイルの選択肢を増やすべく、日本の田舎/地方を中心に、テント・寝袋・自炊道具などを担いだバックパッカー旅を開始。以後2年半にわたり旅を続ける。「テント」ベースから、2012年5月以降は「バン」ベースのバックパッカーになりバンライフ開始。2013年5月、人口約100人の限界集落 能登半島・石川県穴水町岩車に移住。現在は、「田舎への旅」と「田舎でのライフスタイル」の二つを軸に、田舎旅やライフスタイルの情報発信、都市部の人たちが能登の暮らしを体感できる「“ざっくばらん”な田舎ライフスタイル体験」の提供を行なうほか、東京のスタートアップ/ベンチャー企業、移住先・能登や静岡県の中小企業の広報サポート、地域活性プロジェクトサポートにもリモートワークで従事。また、ブログやウェブ制作、写真、執筆活動なども行なっている。移住先で自宅がある岩車の隣の地区 穴水町川尻では、シェアハウス・サテライトオフィスなど多目的・多機能の「田舎バックパッカーハウス」、そこに併設する“住める駐車場”であり長期滞在可能な車中泊スポット「バンライフ・ステーション」も運営。現在、東京の“バンライフ”のCarstay(カーステイ)で広報責任者として関わりつつも、静岡県島田市で幻のきのこ“はなびらたけ”「ホホホタケ」を生産する大井川電機製作所、石川県輪島市では国産漆だけでアート作品をつくる“芯漆(しんしつ)”の山崖松花堂などの広報を担当する。移住先・石川県穴水町岩車で育てられた牡蠣の販売もサポートする。

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