2010-11 Backpacking Shikoku Islands - 四国・瀬戸内海の島々へのバックパッカー旅

day 55 愛媛県 日振島 笠岡彰さんの養殖現場を見学 – その1 ~ 養殖と天然の違いは?まずは出荷作業の現場へ ~

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日振島 漁師

2010年12月19日(日) – 田舎バックパッカーのぼくらは現在、愛媛県の日振島にいる。

昨日、明海(あこ)の港から喜路(きろ)に行く途中、ナインティナインの岡村隆史氏のそっくりさんもしくは岡村氏が少し老いた(?!)…感じの濱孝明さんと犬のモンローに出会った。(昨日の話しはこちらから)

喜路では、鯛(タイ)や縞鰺(シマアジ)を養殖する笠岡彰さんと出会い、翌朝、養殖現場を見させてもらうことになった。

しかも、見学前夜、ぼくらは縞鰺をご馳走になった。醤油などをつけなくても、甘くて、美味しい縞鯵だった!(笠岡彰さんとの出会いはこちらから)

瀬戸内海 日振島【愛媛県 日振島 海の中にいる魚を見ている結花】

「養殖の魚」は生簀(いけす)の中で育てられている。笠岡さんは、餌について、「自然なものを与えている」と話す。

生簀の魚は、いかにも“野生”かのように勢いよく餌にかぶりつく。かなり元気だ。

「天然の魚」はいわゆる“野生”、海を自由に泳いでいる魚。“天然の魚”は、どこを泳いでいるか、何を餌として食べているかもわからない。

極論を言えば、天然の魚は、重金属など食べている“かも”しれないわけだ。果たして、どっちの魚が良いのか…

笠岡彰 日振島 養殖 若手 漁師【愛媛県 日振島 鯛(タイ)と縞鰺(シマアジ)の養殖をしている笠岡彰さん 「魚には魚の餌」を与えることにこだわる。子どもに食べさせても安心できる魚づくりを心がけている】

この、なぜか…夜中の0:00AMと3:00AMごろ、まだ夜中だというのに、「もう朝?」という、長時間寝た感じで目覚めた。

原因はよくわからなかったが、不思議な感覚だった。こんな目覚め方ってあるんだろうか。

この日の朝、6:00に起き、6:45ごろ笠岡さんの船に乗り込む。船には、笠岡さん夫婦、笠岡彰さんの父親が乗っている。

 

笠岡家一家総出の養殖

家族で養殖業を営んでいるのだ。笠岡さんは、養殖の専門学校に行き、稚魚を育てる会社を経て、日振島で翔福水産を立ち上げ、2台の生簀から養殖を開始した。

笠岡さんは18年前、2台の生簀から始めて、年間2台ずつ増やし、2002年までに16台まで増やし、主に知り合いのつながりで、ビジネスが拡大していったそうだ。

養殖 漁師 日振島【愛媛県 日振島 海鳥や鷺(さぎ)などに魚を食べられないよう生簀の上に敷いている網をはずし、縞鯵を船の水槽に入れる】

最初に、ぼくらが見学したシーンは縞鰺の出荷作業。笠岡さんは今日、200匹の縞鰺を出荷する。

まず、海鳥や鷺(さぎ)などに魚を食べられないよう、生簀の上に敷いている網をはずす。

日振島 笠岡彰 養殖【愛媛県 日振島 鯛(タイ)と縞鰺(シマアジ)の養殖をしている笠岡彰さんの縞鯵の生簀。今日、200匹の縞鯵を出荷する】

玉網(別名:たもあみ)で縞鰺を捕る。笠岡さんと笠岡さんのお父さんが、玉網で縞鰺を船に入れ、奥さんが縞鰺の数をカウントする。

200匹になったら、それを笠岡さん親子で出荷先の港へと船で運ぶ。

養殖 漁師 日振島【愛媛県 日振島 出荷する縞鯵を船の水槽に入れて、また生簀をネットで張る】

縞鯵 網 漁師 養殖 日振島 愛媛県【愛媛県 日振島 船の水槽から縞鯵を玉網で出し、箱に入れる】

 

トラックの出荷現場

実際の出荷現場まで同行させてもらい、ぼくは初めて船を操縦させてもらった。船舶免許がなくても、持っている人が側にいれば問題ないようだ。

こもぐちという港まで行き、縞鰺を出荷する。この日、市場へと縞鰺を運送するトラックの到着が遅れている。

日振島 漁協 養殖 縞鯵 運搬【愛媛県 日振島 縞鯵が運搬されるトラック】

渋滞や前の出荷先での作業で、遅れることは多々あるそうだ。コーヒーを飲み時間をつぶす。

燃料費がかかるので、船で日振島に戻ることはしない。

縞鰺を市場に出荷すると同時に、凍った魚の餌を船に積む。しかし、船内では、さっき生簀から出荷のために入れた縞鰺が泳いでいる。

縞鰺を船から出さないと、餌を船に積めないのだ。出荷するトラックが遅れているため、船から縞鰺が出されるまで、餌の業者も一緒に待たなければいけない。

約1時間遅れて、9:45頃、出荷先のトラックが港に到着した。

新鮮な縞鰺を出荷するために、運送するトラックの中には海水が入っている。

日振島 漁師【愛媛県 日振島 縞鯵出荷中。縞鯵の頭が上になるように箱に入れる。素手で縞鯵を触ると火傷を負ってしまうので軍手を着用。最後まで丁寧に魚を扱う】

この中に縞鰺を入れる。縞鰺を素手で触ると、人間の体温で火傷を負ってしまうため、手袋をして丁重に扱う。
出荷トラックの人、漁協の人、笠岡さんが連携して縞鯵をトラックに入れる作業が進む。

笠岡さんのお父さんが縞鯵を船内の水槽から玉網で出し、手袋をした笠岡さんが、縞鰺の頭が上になるように8匹ずつ、海水が入るよう穴が開いている出荷用のプラスチックの箱に入れる。

日振島 漁協【愛媛県 日振島 箱に入った縞鯵を漁協の人が重さを測定】

漁協の人が、詰めたものの重さを図り、重さをメモする。一箱約18~20キロ。

その箱を、フォークリフトで海水が入っている運搬トラックに素早く移動させる。

バックパッカー 日振島 漁協【愛媛県 日振島 重量測定後、箱に入った縞鯵をフォークリフトで運搬トラックの水槽に入れる】

瀬戸内海 漁協 日振島 島 養殖【愛媛県 日振島 200匹の縞鯵を出荷したあと、餌となるかたくち鰯(いわし)をクレーンで船に積む】

 

3トンの餌

次は、笠岡さんの船に設置されているクレーンを使い、約3トンの餌が笠岡さんの船に積まれる。これが1日分の餌で、約30万円だ。

餌は、まとめて漁協で購入する。まとめて購入したほうが、安いためだ。

生簀の魚への給餌(きゅうじ)時間が遅くなってしまうので、笠岡さんのお父さんは、もう一台の船に餌を積んで、一足先に給餌のために、喜路へと戻った。

瀬戸内海 日振島 養殖 笠岡彰【愛媛県 日振島 200匹の縞鯵を出荷したあと、餌となるかたくち鰯(いわし)をクレーンで船に積む】

まさか、たまたま笠岡彰さんと昨日出会った田舎バックパッカーがここまで見学をさせてもらえるとは思ってもいなかった。<続きはこちら

<前回のエピソード 『day 54.2 愛媛県 日振島の若手ハンサム養殖業者の笠岡彰さんと元気な子どもたちとの出会い』>

<次回のエピソード 『day 55.1 愛媛県 日振島 笠岡彰さんの養殖現場を見学2 ~笠岡さんのこだわり『魚には魚の餌』『養殖人は魚の栄養士でなければいけない』~』>

日振島 養殖 笠岡 穴場 漁師【愛媛県 日振島の日の出】

 

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1979年1月生まれ、東京生まれ鎌倉と米オレゴン育ち。鎌倉の中学校卒業後、オレゴン州の高校と大学を卒業。現在、石川県鳳珠郡穴水町岩車在住。ソニーやPR会社で広報業務に約10年間携わり、2010年10月、ライフスタイルの選択肢を増やすべく、日本の田舎/地方を中心に、テント・寝袋・自炊道具などを担いだバックパッカー旅を開始。以後2年半にわたり旅を続ける。「テント」ベースから、2012年5月以降は「バン」ベースのバックパッカーになりバンライフ開始。2013年5月、人口約100人の限界集落 能登半島・石川県穴水町岩車に移住。現在は、「田舎への旅」と「田舎でのライフスタイル」の二つを軸に、田舎旅やライフスタイルの情報発信、都市部の人たちが能登の暮らしを体感できる「“ざっくばらん”な田舎ライフスタイル体験」の提供を行なうほか、東京のスタートアップ/ベンチャー企業、移住先・能登や静岡県の中小企業の広報サポート、地域活性プロジェクトサポートにもリモートワークで従事。また、ブログやウェブ制作、写真、執筆活動なども行なっている。移住先で自宅がある岩車の隣の地区 穴水町川尻では、シェアハウス・サテライトオフィスなど多目的・多機能の「田舎バックパッカーハウス」、そこに併設する“住める駐車場”であり長期滞在可能な車中泊スポット「バンライフ・ステーション」も運営。現在、東京の“バンライフ”のCarstay(カーステイ)で広報責任者として関わりつつも、静岡県島田市で幻のきのこ“はなびらたけ”「ホホホタケ」を生産する大井川電機製作所、石川県輪島市では国産漆だけでアート作品をつくる“芯漆(しんしつ)”の山崖松花堂などの広報を担当する。移住先・石川県穴水町岩車で育てられた牡蠣の販売もサポートする。

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