2010年12月14日(火) – ぼくらは現在、沖の島(高知県)行きの宿毛市営定期船が出航する片島港にいる。
今日は朝から何も食べてないので、定期船港付近の「片島磯釣りセンター」(Tel. 0880-62-1091)に入り、鍋焼きうどん(600円)を食べた。
「釣りセンターでうどんかい!」と思うかもしれないが、これがまた美味しいうどんなのだ!
片島磯釣りセンターには、600円の個室温水シャワーの設備もあった。約500円前後の温泉が多いので、「シャワーだけ」にしては、少し高額。しかし、お風呂に入らず3日目…
入りたかったが、どちらにしろ、船の時間を考えると、今回は諦めることにした。
ぼくらは、何とかして、沖の島でシャワーを見つけるつもりでいる。
まぁ、シャワーの話しはともかく、そこの店主はぼくらに「沖の島は、風が強いからテントが吹き飛ばされるし、寒いからテントは辞めたほうがいいよ。良かったら、おれが沖の島の旅館に電話して、予約してあげるよ」と親切に何度も言ってくれた。
結花はいつものように「どうする?」と不安な表情。
が、「まぁ、そんな問題ないだろ」と、ぼくは勝手に思い、「大丈夫です。なんとかなりますから」と定期船の片島港へと戻った。
時刻表には、片島14:00発と書かれていたが、季節的なものなのか…ぼくの勘違いだったのか…
14:30前に船は片島を出発し、沖の島へと向かっていった。
沖の島の人口は約200人。沖の島周辺には、人口が約25人の鵜来島(うぐるしま)、無人島の姫島などがある。
沖の島は、だるま夕日や磯釣りで有名な島。
鵜来島は、片島港から、23.1キロで、四国最南端に位置する。
沖の島と鵜来島は、足摺宇和海国立公園(あしずりうわかいこくりつこうえん)で、唯一の有人離島。
ちょっとした沖の島の歴史だが…
室町時代、沖の島の弘瀬側は土佐(高知)、母島側は伊予(愛媛)と、一つの島内で二つの国が存在していた。江戸時代に、幕府が、各藩に国の絵図を作れという命令が下ったが、双方で国境に関する言い分が異なる。
両藩、話し合いで解決しようとしたが、話し合いが決裂し、幕府の法廷で争われ、15年に及んだ国境争いは土佐藩に有利な判決となった。
廃藩置県後の1874年(明治7年)、沖の島と鵜来島は高知県に移管。その後、太平洋戦争時、沖の島には、海軍の大砲が3基設置され、海軍の要塞の島となった。
この日、ぼくらが乗っていた船は、大きく揺れていた。通常、定期船の欠航を検討する風速は、18メートルだそうだ。この日の風速は18メートル弱。波がひどく荒れていた。
これまで、多くの島へと行ったが、これほどまで揺れていた船は今回が初めてだった。
船外に行って写真を撮りたかったが、まず外にでられない。外にでたら、ずぶ濡れになり、下手すれば、海に落ちる。
今ぼくらが乗っているこの定期船…あと少しで、船が横たわるほどの揺れ。それもそのはずで、欠航ボーダーラインの風速ぎりぎりでの航海だ。船の中にいたが、海水が弾丸のように何度も船の窓にあたってくる。
結花は船に乗った瞬間、船酔いで横になっていた。
ぼくは、おもしろがって、「おーきたきた!」など言って浮いていた、しばらくすると乗り物酔いに滅多にならないぼくでも、かなりの揺れのせいで、気持ち悪くなってきた。
船の2階に行ったが、立っていられない状況だった。
ぼくらは母島港に着くと、定期船に乗る人、荷物を乗せる人、お客さんを送迎する人たち、約30人ぐらいだろうか、港には多くの人がいた。
一部の人たちはダイビングの器材を持っている。「何かやたら人が多い。ここは栄えた島なのだろうか…」という疑問が頭を過ぎる。
船から降りてすぐ、近くにいた人たちに、港近くのキャンプ場の場所について聞くと、二人の若い男の人たちがそこまで乗せてくれた。母島周辺を見ることなく、キャンプ地へ向かってしまった。
キャンプ場がある白岩岬公園までは2~3キロ。登り坂が多く、歩くとおそらく1時間以上はかかる道のりだったことだろう。乗せてくれた一人は、看護師だった。
キャンプ場の白岩岬公園は、母島と弘瀬の町の中間地点に位置している景勝スポット。ぼくらは、キャンプ場に着いたのだが、キャンプ場も、風が強く、軽いものだったら、簡単にあの世へ飛ばされそうな勢いだった。
眺めは最高だったが、あたりに人がいないので、少し寂しい感じがした。風がなければ、夜の星空、朝や夕方ごろ、日の出や日没を見るには、絶好な場所だろう。
しかし、とにかく、強風がひどかった。ここまでの風にはこれまであたったことがない。
ちなみに、沖の島には、ソフトバンクの電波が全くない。ソフトバンクは都会ではつながるが、地方に出ると、実に使い物にならない。改善されるのだろうか…
まだ、時間は16:00。とにかくひどい強風だ。
公園内の芝生上は、オープンスペースだが、強風がひどいので、軽いものを少しでも置いたら、風で飛ばされる危険性がある。
公園内のトイレ、コンクリートでできた建物など、風を凌いでテントを張れるスペースを探ってみた。
しかし、若干風を防げる場所は、トイレ出入り口のちょっとしたスペースのみ。丸太で作られた、屋根付きのデッキもあるが、四方に壁がないので、強風をかなりうけてしまう。
春から夏ごろには、絶景キャンプ場となりそうだ。
片島港で入手した沖の島に関するパンフレットによると、白岩岬公園と弘瀬の中間地点ぐらいの海岸沿いの絶壁には、船でしかいけない、海がつくりあげた芸術的な洞窟「七ッ洞(ななつうど)(観音洞(かんおんうど))」があるそうだ。
ぼくらは荒波の影響でここへ行けなかった。
また、沖の島には「うどの浜海水浴場」があり、6月の第1日曜に、四国で一番早い海開きが行われるそうだ。シュノーケリングで、珊瑚や魚、運が良ければウミガメも見ることができるそうだ。
とにかく、ここは風が強い。どうする?(続きはこちら)
<前回のストーリー 『day 50 高知県 四国最南端の『沖の島』へ向けて出発』>
<次回のストーリー 『day 50.2 高知県沖の島で「あの~すみません!シャワー貸してください!」』>
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