2010年12月7日(火)– 夕食後、月ヶ谷温泉に入った。
長い山越えと豚カツ定食のバトルが終わった。
温泉は、とにかく気持ちよかった…。今は疲れていて、それ以上、表現のしようがない。
【十時間以上も歩き続けた上勝町】
将来についてしっかり考えるインターン生との出会い
月ヶ谷温泉の浴場で、ぼくは上勝町でインターンをしている二人と出会った。
上勝町では、内閣府地域社会雇用創造事業の一環として、「人は誰でも主役になれる」をテーマにインターンシップを実施している。研修期間は30日間。
参加者はこのプログラムで、農家や地域の人たちとの触れあいをとおして、農業やその土地でのライフスタイルを体験することができる。出会ったうちの一人は24歳で、「なぜ仕事をしているのかがわからなくなり、会社を退社して、この研修に参加した」そうだ。
もう一人は大学3年生の阿部くん。同年代が就職活動をしている中、阿部くんは皆と同じように就職活動をして、都会の企業に入るべきか疑問に思い、このプログラムに応募した。
周りは当たり前のように、就活をしているが、都会の企業だけでなく、農業含め田舎でのビジネス、その他エリアでの就職先など、沢山見るべきものがあると考えたそうだ。
温泉から出て、休憩室に行くと、広末涼子似の女の子が勉強していた。結花は、はじっこで携帯電話を充電して座っている。
そこへ浴場で出会った阿部くんが通りがかり、「おー、こんちは」と話しかけた。
阿部くんと広末涼子似の二人は、上勝町でインターン中。
彼らは上勝町の(地域研修事務局を担う)株式会社いろどりのインターンシップ/研修生の第4期生。
彼らの名前は、阿部将之くん(以下、アベッチ)(東京外国語大学 外国語部トルコ語専攻3年)と青野みちのさん(以下、ミッチー)(静岡県立大学国際関係学を専攻)。
彼らによると、月ヶ谷温泉の3階には、「葉っぱでビジネスをする人」たちがいると言う。
「葉っぱを売る」かぁ…。なんだその“怪しそうな…”「葉っぱを売るビジネス…」って…?
【葉っぱビジネスが有名な上勝町にある勝浦川】
株式会社いろどりの社長 横石知二さんという人が、20年前に「葉っぱ」を売るビジネスを開始したそうだ。
でも、「葉っぱを売る?!」ってなに?
葉っぱビジネスって何?
事業は至ってシンプル。
上勝町のおじいちゃんやおばあちゃんたちは、山や家にある木の葉を採り、その葉っぱを農協に卸し、料亭の料理などで“つまもの”として、葉っぱを使っている会社などに出荷・販売する。
その一連の仕組みやシステムまわりを、いろどりが上手く管理しているのだ。
地域に住むおばあちゃんと、いろどりにより、上勝町は着々と活き活きとしてきているそうだ。
また、上勝町では現在、「ゼロウェイスト」をテーマに、「無駄なゴミ」をゼロにしようとして、廃棄物を単純に破棄せず、廃材を利用して、新たなモノ/商品を作っているそうだ。
また、月ヶ谷温泉では、木質バイオマス/木を活用して、温泉を沸かす他、給湯・部屋暖房などでも活用している。(上勝町に関する詳細はまた別途紹介する)
アベッチは大学で、周りが就職活動をしているなか、「自分も皆と同じ『いかにも決められてしまっている』方向へ行くべきなのだろうか」と疑問に感じ、この田舎体験プログラムで、「葉っぱを売る」というちょっと変わった取り組みをしている上勝町のインターンシップに応募した。
日本の就職活動について思うこと
アベッチが言うように、日本、特に都会エリアでは、みんながなぜか決められた時期に、決められた就職活動をする。
全く悪いことでもないが、都会の企業への就職以外にも、農業、漁業などの第一産業、田舎の小さな会社への就職先もある。
住むところも都会以外にも沢山ある。確かに、まわりと同じように企業に入れば、「収入」が安定するかもしれない。
しかし、人生は「安定」だけでなく、様々なオプションの人生があっても良いと感じる。
生活できる範囲で稼いで、生きていけば、より心にゆとりがあり、リラックスしながら人生が送れるのではないだろうか。
都会の仕事中心型の人生だけでなく、あらゆる人生の過ごし方がある。
「何となく、みんながこっちに進んでいるから、自分もこっちに進もう」と、みんな同じ方向へと進む。
これからも変わらず、そんな人生のスタイルが当たり前なのだろうか、方向転換はできるのだろうか…?
ミッチーは農業にすごい感心を持ち、有機栽培の勉強をしている。
今後農業関係の仕事に進みたいそうだ。有機栽培の良さや農薬について語りだす。
ぼくも大学の時に環境問題に関する勉強をしていた。これに関しては…大学の頃、何度も20ページ以上の論文を書いた記憶がある…。
ミッチーはこれから四国の愛媛県愛南(あいなん)にあり、障害者の人たちなど誰でも働ける場所を提供することを目指しているNPO法人ハートinハートを訪問する予定だそうだ。
ぼくらは、10月に行った石川県穴水町では半自給自足型の田舎暮らしをしている人たちがいたり、役場が「体験住居」を実施していることを参考情報として伝えた。
山越えが終わり、温泉に入ったぼくらの夜はまだ続く…(続きはこちら)
<前回のストーリー 『day 43.7 徳島県 上勝町 山越え後…上勝町「月ヶ谷温泉 月の宿」の豚カツ定食でバトル』>
<次回のストーリー 『day 43.9 徳島県 上勝町 ~山越え2日間がようやく終了~』>
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毎回楽しみに読ませてもらっています。月ヶ谷温泉でお話してくれた壮絶な山越えの凄まじさが、写真と切迫した文章で改めて伝わってきました(笑;)<br />私たちのことも記してくださって、ありがとうございます。アベッちとは研修後も会ったり、連絡とったり、励まし合えるいい仲間になっています。<br /><br />私は今、「行ってみたかった愛南町」の住民です。地域の人と同じフィールドで働いています(1年間の予定で)。毎日は本当に普通で地味ですが、確かにこの町は歩んでいることを実感しています。そして私は日々貴重な経験をさせてもらっています。いつか、この町にとっても私がいたことが、何かの小さな実になればいいなぁ…なんて思いながらの毎日です。<br />結局2年休学することになったのですが、私にとっては最高のブランクです。<br />「いろんな生き方があっていいんじゃないの?」そんなことを思っていた私