2010年11月8日(月) – 島の周りには、道路が整備されていて、徒歩約2時間で島を一周できる。
ぼくらはとりあえず島散策をしたいので、9:30ごろ、定期船乗り場の奈座(なざ)を出発した。
14:00までに定期船乗り場に戻り、姫路での葬式のため坊勢島を出発する松尾さんに挨拶をするつもりだ。
坊勢島の弁天島
船乗り場の隣には、漁業豊作を願うための弁天島がある。直径20メートルぐらいの島。
この弁天島には、農林水産大臣に認定された「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に選ばれるほどの伝説がある。
昔、掟破りの荒漁をする漁師とその娘がこの島に住んでいた。
ある日、父親は大量の魚を採った。その中に龍神の使いがいることを知らず、父親は大漁だったことを喜び港へ戻ろうとした。
港の入り口あたりで、天気が一天して、波風と激しい雨に襲われ、船が転覆寸前になった。
岸にいた娘は、「この嵐は無法な漁による龍神のたたり、早く魚を海に返して」と父親に叫ぶが、父親は聞き入れない。
娘は父の命を助けようと、龍神の御霊(みたま)を鎮めるために、自らを海に投じたところ、竜巻がおこり、嵐がおさまった。
そして、そこに小島が現れた。これが、弁天島と言われている。
そんな伝説から、この弁天島は、漁師の守護神となっていて、「神権(じんごん)さん」の名前で親しまれているそうだ。
弁天島は、定期船乗り場の隣にあったので、とりあえずここに行き、記念撮影。
(島にカラオケ屋があると思ってなかったが…)カラオケ「マンボー」を通り過ぎ、松尾さんに教えてもらったテントを張れる場所「坊勢海水浴場」に行った。
海水浴場にキャンプ場のような場所があったので、ぼくらは今夜、ここでテントを張ることを決めた。
ぼくはここでトイレに行き、結花は、海水浴場にあるコンクリートの段差で寝っ転がる。
坊勢島を散策
今夜の寝床を決めたぼくらは、引き続き島散策を続ける。坂を上り、「果樹園ルート」の山道に入った。
ここに来る人は少ないのか、通り道はクモの巣だらけ。どのクモも同じ種類で、どこにでもいる黄色と緑のシマシマ模様のクモだ。どの道に行っても、このクモに遭遇する。
クモの気持ちなど考えず「なんで、歩く道に巣をはるかなぁ」と思いつつ、せっかく巣をはったクモには申し訳ないが、ぼくらは枝でクモの巣をどかしながら先を進む。
この山道の名のとおり、「果樹園」がありミカンがなっているが、この道を通ってミカンの手入れをしに来ている人たちはいるのだろうか…と思ってしまうぐらい道が荒れ、クモの巣だらけだった。
このあたりは、「ウバメガシ」というどんぐり林で、一部道には、多くのどんぐりが転がりすぎて、歩いていると滑ってしまう。
かしわの山展望台に行き、このルートを抜けると、浜に着き、どこからか、大きな流木が流れ着いていた。
流木を海へと投げ込むが、海の力ですぐに浜に流れ着き戻ってきてしまう。
この浜から別のルートへは進めないので、果樹園ルートを通って、島の周囲に整備されている車道へと戻る。
謎のタンク
12:30ごろ、ぼくらは、奈座の反対側にある町に着いた。この町の車道の横に、「なんだこれは?」と思ってしまう、直径10メートルぐらいのタンクが沢山設置されている。
「このタンクの存在…とにかく気になってしまう」、「なんで、ここにタンクがあるんだ」と、とにかく辺りをうろうろし始める。
気になることを調べず、「後で聞いておけばよかったな」と後悔はしたくない。
あたりには、5~6人の男の人たちが座って、煙草を吸って話している。
少し話しかけにくい雰囲気だったが、話しかけるしかない。このタンクの謎が解明されるまで、ぼくらは先に進めない。
タンクの前に座っている人たちに、これらタンクについて聞いてみると、「このタンクは海苔を作るために使用される」と言う。全国の約1%の海苔が坊勢島でつくられている。
坊勢島で海苔を養殖していて、兵庫県一位の水揚げ高だそうだ。毎年1月ごろ、1日約10万枚、年間で約400万枚の海苔をつくる。
そして、この海苔は、山本山や商社に出荷される。商社は、ローソンなどのコンビニのおにぎりのパリパリ海苔にも、坊勢島の海苔を使っているそうだ。
直径30センチ以上の穴が開いているポンプ式のホースで、海苔となる海藻を船に吸い上げる。
それをぼくらが見た道脇にある大きなタンクに入れ、このタンクの中で海藻を洗う。この気になったタンクは、海藻を洗うのに使われているのだ。
そして、海藻はタンク近くにある家へと運ばれ、海藻をミンチにして、干され、ぼくらがコンビニなどでよく見かけるおにぎりの海苔となる。
ちなみに海苔の素となる海藻は、牡蠣の殻の中にある菌(胞子)。
この菌を網につけ、網を海の中に入れて、海苔となる海藻に育てられるそうだ。
通りがかった大きなタンクの裏に、こんな答えがあるとは思わなかった…
タンクの中はこんな感じだ。「海藻洗濯機」のような感じだろうか…<続きはこちら>
<前回のストーリー 『day 22 兵庫県 坊勢島 田舎バックパッカーと坊勢島の高校生』>
<次回のストーリー 『day 22.1 兵庫県 坊勢島の気になる「タンク」』>
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